ドリーム ホーム 99％を操る男たち

<あらすじ>
職のないシングルファーザーのデニス・ナッシュ（アンドリュー・ガーフィールド）は、ある日、自宅を強制退去させられてしまう。家を取り戻したいナッシュは、不動産ブローカーのリック・カーバー（マイケル・シャノン）に雇われ、家を差し押さえて大金をもうけるビジネスに加担。母親と息子に本当のことを言えない一方で、大金を手にしていくナッシュは……。



これは、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』と対極にある作品というべきでしょうか。

破綻する住宅ローンの先を見越して大金を稼いだ人たちがいた裏で、住む家を失った人たちの物語。

それにしても、これだけ家を失くした人がいるのかと思うと、空恐ろしいことですね。

「この国（アメリカ）は勝者の勝者による勝者のための国」という言葉が出てきますが、現実にそうとしか思えないことが多々ありますね。



99％の貧困層を食い物して、1％の富豪がさらに金を儲けるそのシステムに罪悪感を感じながらも、自分の家を取り戻すために、多くの家を差し押さえるナッシュ。

そうやって稼いだ金で豪邸を手に入れても、もっと大切なものを失ってしまうナッシュが、最後に取った行動がせつないながらも希望のあるものとして映りました。

生活の格差問題は、もはや日本でも他人事ではないということに、将来の不安を感じさせますね