<ストーリー> 映画.comより抜粋
03年、当時27歳だったアーロン(ジェームズ・フランコ)は一人でユタの険しい谷へロッククライミングに行くが、誰も通りそうにない谷間で落下し、右手を岩に挟まれてしまう。
そこから5日間、身動きの取れなくなったアーロンは必死に脱出をはかるが…。
アカデミー賞に関わったということで知った今作ですが、これは観ておかねばならない一作だろうと思って公開されるのを待っていました。
簡単なあらすじだけ知っていて他は全然情報を入れずに挑んだのですが、こんなストーリーで一体どんな風に見せてくれるのかがとても興味ありました。
実話ということもありリアリティがあるにせよ、中だるみしないかな~…と心配だったのですが、ダニー・ボイル監督の演出力はさすがで、ついつい引き込まれるように見入ってしまいました。
右手を挟まれた極限状況は見てわかるのだけど、この5日間と7時間の彼の不安と孤独とどうにもならない自分との戦いは、そうなった者にしかわからない壮絶なものというのがすごく伝わってきました。
そしてアーロンの今まで自分と関わり過ごしてきた人たちのことを思ったり、過去を振り返って自分を悔いたり、今現在の自分はこうなる運命だったんだと不思議な考えにとらわれたり、救いの希望を持ったりまた絶望したり…。
ありとあらゆることが頭の中をかけめぐり、人間ってこういうものだよね…と共感できる(?)部分がうまく表現されているところがとても印象に残りました。
こういうところのおもしろい(?)表現の仕方がダニー・ボイル監督のセンスですよね
ところで…。
結末はどうなるかは置いとくとしても、思わぬシーンがあって観た後は体がぐったり…
体に力が入らないというか、ものっっっすごく疲れたというか、冗談抜きでヘロヘロになってしまいました。
ストーリーもテーマもすごくいいし、作品として観ておくベものだとも言えるけど、これをもう一度観るとなるとそれはできないかも…
好きな作品に違いはないのですが、もう一度観る勇気はないかもしれないです
この作品で今までにない役に挑んでいるジェームズ・フランコがすごくいいです。前半のはじけた感じもいいし、のちの様々な感情が絡み合う難しい部分の熱演も素晴らしかったです!
正直なところ、ジェームズ・フランコは実は苦手(生理的に顔がだめ。たくさんのファンの方、ごめんなさい。悪気はないのです)なのですが、今作ではまったく違う面を見せられ、役者としては一皮むけた気がしてなんだか嬉しい気分になりました。
これからの活躍も期待しています
あと、冒頭から流れる曲がインドっぽい!と思ったら、「スラムドック…」に引き続き、今回も音楽担当はA・R・ラフマーンでした
彼の音楽は「ムトゥ 踊るマハラジャ」で知り、それまで聞いたことない斬新さに驚きましたが、あの独特のリズムは今作でも健在でした。
なんか嬉しかったです~
監督:ダニー・ボイル
製作:クリスチャン・コルソン、ダニー・ボイル、ジョン・スミッソン
製作総指揮:バーナード・ベリュー、ジョン・J・ケリー、フランソワ・イベルネル、
キャメロン・マクラッケン、リサ・マリア・ファルコーネ、テッサ・ロス
原作:アーロン・ラルストン
脚本:サイモン・ボーフォイ、ダニー・ボイル
撮影:アンソニー・ドッド・マントル、エンリケ・シャディアック
編集:ジョン・ハリス
美術:スティラット・アン・ラーラーブ
音楽:A・R・ラフマーン
原題:127 Hours
製作国:2010年アメリカ・イギリス合作映画
上映時間:95分
<キャスト>
ジェームズ・フランコ
ケイト・マーラ
アンバー・タンブリン
リジー・キャプラン
クレマンス・ポエジー
ケイト・バートン
トリート・ウィリアムズ