書とお寺が大好きな春逕の「日々是好日」

日々思うこと、感じた事をつづります。

1日かけて時代旅行

2009-05-02 18:34:38 | 書について
昨夜は黙々と筆をとった。

そして、朝から一日筆を持っていた。

筆を持って時代旅行。

最初に、明時代の「董其昌」の臨書をした。
「董其昌」(1555~1636)上海の人で、顔真卿、虞世南を学び、鐘繇、王
羲之に遡った。そして賞鑑家としても名高い。
私もいろんな美術館、博物館で時代の真筆を見てきたが、それらの讃(鑑定に添え書きみたいなもの)には「董其昌」の名を見る機会が多かった。
「董其昌」の書きぶりは正統派の真摯なイメージが多かったが、今日書いたのは
「行草書巻」で、特に最後の部分の狂草のところ(懐素の自叙帖のような自由奔放な書体)には興味深かった。

その後、宋時代(1000~1100ぐらい)の米芾、黄庭堅を半切に書き、筆の伸びやかさを体感した。
そして・・・。

唐から日本に書やお経を伝えた「空海」を半切に細字で書いてみた。
「空海」は以前にもいろいろ調べ書いたこともあるが、書いても書いても段々と遠くなる。

和様と唐様。

最近の私のテーマ。

仮名も書いてみた。

そして「胡澍」の隷書を。

まだ、理解出来ない。

和食と中華の味の違いは、わかるような気がするが・・・。
書の違いは「これ!」というところが私なりに説明できない。

やっぱり、書き込みながら体得するほか無いのだろうか?

最後に、又気楽に明時代の連綿の「傅山」。
「傅山」にはとても音楽的なリズムを感じて楽しかった。

今は2009年。
1000年に生きた書家も文人もみな300年に生きた王羲之に戻る。

歴代の書家も文人もみな時代を超えて王羲之を学んだ事だ。
いろんな書の本に
「王羲之に始まり、王羲之に戻る」と書いてある。

結局、まだまだ私の時代の旅は続く。