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書とお寺が大好きな春逕の「日々是好日」

日々思うこと、感じた事をつづります。

言葉は時空を超える。

2015-07-16 10:44:57 | 思う事

小説「草枕」

有名な夏目漱石の小説

この小説は漱石が熊本に赴任してきて小天を旅行したことが素材となっている。

熊本に居た4年数カ月の後ロンドンに留学

帰国後この小説が書かれたそうだ。

 

山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。
 智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情(じょう)に棹(さお)させば流される。意地を通(とお)せば窮屈(きゅうくつ)だ。とかくに人の世は住みにくい。
 住みにくさが高(こう)じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟(さと)った時、詩が生れて、画(え)が出来る。
 人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣(りょうどな)りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。

あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
 

越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容(くつろげ)て、束(つか)の間(ま)の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降(くだ)る。あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故(ゆえ)に尊(たっ)とい。
 

住みにくき世から、住みにくき煩(わずら)いを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画(え)である。あるは音楽と彫刻である。

こまかに云(い)えば写さないでもよい。ただまのあたりに見れば、そこに詩も生き、歌も湧(わ)く。

着想を紙に落さぬとも※(「王+膠のつくり」、第3水準1-88-22)鏘(きゅうそう)の音(おん)は胸裏(きょうり)に起(おこ)る。丹青(たんせい)は画架(がか)に向って塗抹(とまつ)せんでも五彩(ごさい)の絢爛(けんらん)は自(おのず)から心眼(しんがん)に映る。

ただおのが住む世を、かく観(かん)じ得て、霊台方寸(れいだいほうすん)のカメラに澆季溷濁(ぎょうきこんだく)の俗界を清くうららかに収め得(う)れば足(た)る。この故に無声(むせい)の詩人には一句なく、無色(むしょく)の画家には尺※(「糸+賺のつくり」、第3水準1-90-17)(せっけん)なきも、かく人世(じんせい)を観じ得るの点において、かく煩悩(ぼんのう)を解脱(げだつ)するの点において、かく清浄界(しょうじょうかい)に出入(しゅつにゅう)し得るの点において、またこの不同不二(ふどうふじ)の乾坤(けんこん)を建立(こんりゅう)し得るの点において、我利私慾(がりしよく)の覊絆(きはん)を掃蕩(そうとう)するの点において、――千金(せんきん)の子よりも、万乗(ばんじょう)の君よりも、あらゆる俗界の寵児(ちょうじ)よりも幸福である。

 世に住むこと二十年にして、住むに甲斐(かい)ある世と知った。二十五年にして明暗は表裏(ひょうり)のごとく、日のあたる所にはきっと影がさすと悟った。

三十の今日(こんにち)はこう思うている。――喜びの深きとき憂(うれい)いよいよ深く、楽(たのし)みの大いなるほど苦しみも大きい。

これを切り放そうとすると身が持てぬ。片(かた)づけようとすれば世が立たぬ。金は大事だ、大事なものが殖(ふ)えれば寝(ね)る間(ま)も心配だろう。恋はうれしい、嬉しい恋が積もれば、恋をせぬ昔がかえって恋しかろ。閣僚の肩は数百万人の足を支(ささ)えている。背中(せなか)には重い天下がおぶさっている。

うまい物も食わねば惜しい。少し食えば飽(あ)き足(た)らぬ。存分食えばあとが不愉快だ。……

 

 

先日、とあるところに投稿するために、漱石さんの事をまとめる機会があった。

今、漱石さんが人気である。

ブームだから好きだという事でなく、人としての漱石さんをずっと考えていきたい。

 


「書(字)」とは?

2015-07-14 11:20:50 | 思う事

私は今まで何十年も学問とか学びとかと言う視点で「書(字)」を考えてきました。

ところが・・・

最近、テレビで筆跡で性格を鑑定するという様な番組があっていました。

書を書く本人のその時の感情や状態は確かにその書に現れます。

 

私は25年間いろんな人に関わってその人の書を見てきました。

お勤め先でも手書きの文字を見てきました。

確かにある程度「感」が働きます。

 

子どもの字(書)にはそれがストレートにわかります。

子どもたちは成長の過程ですので毎週見ていると「あれ?」と言う事が何度もあり、保護者に連絡したこともあります。

急に字が小さくなる、投げやりになる、雑になる・・・。

逆に大きくなる、筆圧が強くなる、いきいきしてくる・・・。

 

字は心を反映します。

 

子育て真っ最中のお母さんには気づかない事も、書く字によって発信されるはず。

 

先日悲しい事件がありましたね。

学校との連絡ノートがテレビでも映されました。

その子の発信した文字を文字やその奥に隠された心が

見抜けたら…と残念に思います。

 

「字」にはいろんなものが隠れていると思います。

私は、私ができる事(視点)で子育てに協力していきたいし、人と関わっていきたい、

また、書(字)を教育的に教える事が私に与えられた事ではないのではないか

他にも役割があるのではないかと考えさせられました。

 


大分県立美術館へ

2015-06-16 08:37:45 | 思う事

先日、熊本から長距離バスに乗って大分まで行った。

国宝の長谷川等伯の「松林図屏風」を観るためだった。

4月に新しくできた大分県立美術館(クリック下さい)では

特別企画モダン百花繚乱「大分世界美術館」が開催中。

その、作品の内容と数に驚いた。

大分は駅も新しくなって人がいっぱいで活気を感じた。

 

 

芸術がどこまで人々に広く浸透するか???

老若男女が集まる美術館。

もう一度特別企画期間中に行きたい。

 


阿蘇と水田と私

2015-06-10 13:46:19 | 思う事

昨日は阿蘇でのお仕事だった。

一カ月前に行った阿蘇は雨あがりの晴天。

昨日はしとしとの雨の中。

しかし・・・・

阿蘇の山々は雄大で美しかった。

一カ月前には半分ぐらいの田んぼが田植えされていたが、昨日はほとんどの田んぼが田植えも終わっていた。

 

一年の暦が田植えから…と言う様な意味もよくわかる。

季節の「季」のノギも・・・

 

漢字は人々の生活の近くにあったし、今もそう。

 

今、こうして書に関わって行ける事に感謝。

 


月日は百代の過客にして・・・

2015-06-01 09:15:50 | 思う事

 

 

今年は母校五福小学校の創立140年の記念の年、2年に一度の「ふれあい運動会」だった。(小学校と地域運動会の合同)

私も久しぶりに参加し楽しむことができた。

昨日までの天気が早朝には晴れ、たくさんの有志の方々のグランド整備のおかげでプログラム通りに「ふれあい運動会」が開催されたのだった。

私も地域の体協として召集係をさせて頂いた。曇りから晴れたものの、まだ風は涼しくいい時間だった。

私が通っていた頃からあった「五福の像」。

お弁当もおよばれして楽しい時間を過ごした。

地域の競技、小学生と公民館講座の方々とのフォークダンス(昭和の香りぷんぷん)、地域の老若男女と先生方、保護者との障害走対抗リレー、玉入れ、ムカデ競走、リレー等など盛りだくさんな内容で

応援団の応援合戦、組体操、ソーラン節・・・。どれも楽しめるものだった。

全て競技が終わり、祖父から父、そして私も息子たちも歌った校歌を全高生徒が大声で歌い、青空に響いた・・・わ!!!感動。

帰ってからすぐ筆をとった。

1年生から6年生まで同じ運動場で同じ時間を過ごす。

それに保護者だけでなく、地域の人々も声援をし拍手する。

応援団は大声をあげてみんな応援合戦。

声を合わせる、心を合わせる。

みんな違うけれどみんなを認め合ってのびのび生き生きしている。

みんな笑顔。

良い時間を過ごすことができた。

 

私が過ごした時間にも子育てした時間にも戻れ、物思う感謝の一日だった。


形あるものと形なきもの。

2015-05-24 07:29:46 | 思う事

目に映るものはきっとほんの少しなのだろう。

目に見えない物の中に

いろんなものが隠れている。

それを感じるかどうかはその人次第。

良い事も悪い事も

悪いと思った事の中にも得るものは多い。

良い事の中にも落とし穴がある。

 

結局いい事も悪い事も自分次第乃考え方だと思う。

 

みえるものに振り回されず、良い事、悪い事という白黒つけず、今を生きよう。

形にならないから意味がないわけではないそう思う。

形にならなくても、きっと何かが隠れている。

 

勇気を持って今日を生きよう。(クリック下さい)


第4回ふるまち日本酒祭り。

2015-04-28 00:08:20 | 思う事

第4回ふるまち日本酒祭りが4月26日に万町・早川倉庫にて開催された。

熊本県下の9社の酒蔵が集まっての企画。

500枚の前売り券のみの入場制限。晴天に恵まれ満員御礼。

開催時間前に、整理券を配って100名まで、日本酒の神様と言われる野白金一(クリック下さい)先生の事を朗読劇を楽しめた。

日本酒祭りには、酒の肴もいろんな有名店からの珍味やお料理が並び、飛ぶように売れていた。

お猪口にいろんな日本酒を飲めるという幸せな時間。

 私も知人を誘って今回まで皆勤賞とても楽しい時間を過ごすことができた。

 

今後も城下町(ふるまち・しんまち)がいろんな方々に愛されますようにと願う。

 


「諸行無常」

2015-04-25 09:09:52 | 思う事

「諸行無常」

この言葉の深さをどれだけ理解できているかわからない。

が、しかし

「諸々の事は、過ぎ去って忘れ去っていく。」

今、この瞬間も一瞬にして過去。

 

今のキラキラした時間を宝石の様につないでネックレスにしたい。

 

 


コミニュケーション。

2015-04-23 13:27:35 | 思う事

何か相手に用事を伝えたい。

自分の気持ちを伝えたい。

メモとして残しておきたい。

掲示物としてあらわしたい。

 

「文字」の役割は多岐にわたる。

 

言葉もそうだが、文字にして残すとなると、ちょっと億劫になってしまいがち。

先日、一枚のはがきが届いた。

20年ほど前に旅先(キャンプ場)で出会った女の子を一泊うちに泊めた事があった。

写真もないので顔もよく覚えていない。

その彼女が成人して結婚して・・・・。

何年も年賀状のやりとりで繋がっている。

 

そして先日ひょっこりまたはがきが届いた。

「お久しぶりです。お元気ですか?

この度、下記に転居致しましたのでお知らせします!!!

・・・・・・・

すごく、すご~く会いたいです。

・・・・長崎に行く時に熊本にも行けるように頑張りますね。どうぞ笑顔で!!!」

息子たちとも何度か会ってくれたりした彼女。

 

ボールペンで丁寧に書かれたその一枚のはがきを何回も読み返しながら、

すぐに返事を書きたいのに、嬉しい気持ちを返す言葉や文章が出てこないもどかしさを感じている。

 

「書く」という事を常々教えている私、

プライベートではどんな風に心を上手く伝えていいのか…と悩んでしまう。

 

改めて、手がきのはがきには心が躍るものだと痛感した。

 

感謝です。

 

 

 

 


懐かしい眺め。

2015-04-12 23:54:00 | 思う事

長崎次郎書店の二階にできた喫茶室。

ここの眺めには特別な思いがある。

なぜかというと、

私が幼稚園から通っていた音楽教室があった場所だからだ。

 

もうウン十年前にここに通ってここから眺めていた。

モノクロにするとほとんど変わらない町並みに感じる。