だからちがうんだってば.

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教養としての宗教入門

2015-05-28 15:21:02 | 授業ネタ


宗教とは何かを,伝統・神と悟りの物語・信仰・奇跡と呪術・戒律・儀礼の6つのトピックから説明する宗教ガイド,な本です.宗教的儀式と文化的慣習の違いは線引き次第というのが全体的なメッセージとしてあります.面白いと思ったのは,宗教という単語はreligionの翻訳で,キリスト教(やユダヤ教やイスラム教)的なものを「宗教」と呼ぶことになってる,という点でしょうか.インドに信者の多いヒンドゥー教は宗教ということになってますが,ヒンドゥー教はインド(あたり)の文化的慣習の総体ともみなせるところもあって,そうすると,日本の文化的慣習をまとめて「日本教」と呼ぶことになっていれば,日本人も無宗教と言わなくてもいい,というのは,そりゃまあそうかしらん,です.クリスマスだってキリスト教本来の祝日ではない(冬至の祭が取り込まれたもの)ので,無宗教としか表現できないのも正直でいいのかもしれません.高校の同級だった坊主が死者を弔うのが宗教の始まりとかなんとか言ってたくらいだし.