コーキン,スザンヌ, 鍛原多惠子訳.2014.ぼくは物覚えが悪い:健忘症患者H・Mの生涯.早川書房.
「神経科学史上最もよく研究された患者、脳科学に関心のある万人が知る患者H・Mの生涯と、彼がもたらした神経科学の成果を明かす、驚きと感動のドキュメント」です.27歳のときにてんかん治療のために海馬などを除去する脳手術を受けたヘンリー・モレゾンは,前向性健忘などの記憶障害を持ち,半時間より前のことを記憶できない永遠の現在形(Permanent Present Tense)の世界を生きることになります.著者のスザンヌ・コーキンはヘンリーの症例研究を続けた神経科学者です.脳の構造にうといのでちょいちょい記憶形成にかんする科学的な説明にはついていけませんでしたが(まじめに読んでないとも言いますが),わりと感動的です.honz.jpの書評はこちら.