だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

「お忙しいですか?」

2007-10-26 13:23:14 | 生活

とある研究会に行ったら,知り合いに「お忙しいですか?」と聞かれました.「空気読めない検定」でまったく空気が読めないとの判定をいただいたワタクシとしては,「いやあのその……」ともごもごするばかりでした.相手の方には,「こいつは挨拶もできないのか」というあわれみの視線とともに「まあ,そちらの大学だと暇な人なんていませんよね」とおっしゃっていただいて,それはそれでおしまいでした.

大学の学部は猫よりヒマと言われ,なんだそんなものかとおもってぼやーっといきてきた身としては,「忙しいですか?」と言われても「ううん……絶滅危惧種の産婦人科と比べればもうヒマでヒマでしょうがない部類に入るんだろうけど,でも学部のころに比べたらいろいろ仕事はいただいてるしなあ.いやでも同じ部門のS先生や,内幸町のI室長に比べればぜんぜんマシなわけだし……」などといろいろ考えてしまい,「いやあぼちぼちでんなあっはっは」という切り返しができません.ああそうさ,挨拶ができない人間なのさ.

しかし「お忙しいですか?」という質問は,防波堤で釣り糸を垂れている太公望に「釣れますか?」と聞くくらい,返答に困るもので,逆にいえば返答を期待していない質問なのかもしれません.だいたい,ほんとに忙しかったら研究会なんて出てないですって.かつて大学院のM先生は「忙しいから,といって断られたら,それは「あんたの用事の優先順位は低い」と言われているのと同じだ」てなことをどこかに書いていらして,またかつての上司は「研究なんてヒマじゃないとろくなのはできない」と主張し,「研究会→NR」と書いて神宮に行ってましたし,だから,そんなもんかなあと思って以来,「いやー忙しくて」というのはとくに大学教員にとっては自慢にもなんにもならんとおもってなるべく考えないようにしているわけです.それだけのはなし.実際問題としては,僕の周りにはびっくりするくらい忙しい人たちが多いので,のほほーんとしながら「みんなたいへんそうなのねー」と思っているわけです.ヒマな顔をしているからと言って仕事が進まないというのは世界の七不思議の一つじゃないかと思うんですがどうでしょうか.ちがうか.

こういうのを書いてるってことは忙しくないってことだね,という推論は完璧に正しいです.ストレス解消の一環だなんていえません.