だからちがうんだってば.

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操作変数

2007-07-06 23:44:00 | 生活

経済研究所のK先生のイベントとして,コロンビア大学のEdward Vytlacil教授を迎えて,「The Microeconometrics of Treatment and Policy Evaluation」というレクチャーシリーズが開講していて,興味津々のワタクシは英語が分からないながらも出席しておりました.CV見れば分かるんですが,このVytlacil教授はまだ(?)34歳なのにEconometricaとかに続々と論文を発表している,なんていうか,新進気鋭の計量経済学者で,なんだか妙に明るいアメリカンな(?)講義をするおにいちゃんでした.体型は労働の実証分析で有名なK先生に似てるとおもいます.だからどうってことはないんですが.ま,幹事のK先生の交友の広さというか人柄の良さというか,を実感できたのでそれもよかったです.世界の計量経済学者と友達なんじゃないですかねありゃ.

さて,このEdward先生,例をいろいろ挙げて説明してくれるんですが,プログラム評価の計量経済学というのは,実現しなかった結果(potential outcome)をどう扱うか,というようなことがポイントになっているので,それやこれやで英語の分からない身としては「え,どゆこと?」とかおもってる間に説明が終わってしまう,という大変素敵な講義でした.ちょうど授業でも操作変数法をやっていたところなので,プログラム評価の文脈での操作変数法はとくに興味深く聞きました.うん,まあ,結局のところ,どうやってうまい操作変数を持ってくるか,というあたりが実際に使うときには一番気になるんだろうなあとおもいます.ところで,こういうのって,推定量の分散はどう評価するんでしょうなあ.

Heckman, James J. and Edward Vytlacil. 2005. Structural Equations, Treatment Effects and Econometric Policy Evaluation. Econometrica 73(3), 669-738. [Blackwell]