黄色い薔薇
恥ずかしいことだが、
黄色い薔薇の詩を頼まれたとき、私は
壁に立て掛けてある絵はがきの絵を剽窃した。
三年前の秋のことである、
あるいは五年後の冬のことかもしれない。
背景は灰色っぽい青。
黄色い花びらのペンで縁取りしてあるのだが、
線が花びらから離れるときがある。
色が線をはみ出すときもある。
恥ずかしいことだが、
輪郭の破れ目が、
そのときの私の不調和とぴったりあっていた。
気持ちを装飾にするのがいやになってしまった、
という気持ちさえありきたり比喩のよう。
恥ずかしいことだが、
だれも気づかなかった。
*
新詩集『雨の降る映画を』(10月10日発行、象形文字編集室、送料込1000円)の購読をご希望の方はメール(panchan@mars.dti.ne.jp)でお知らせください。
発売は限定20部。部数に達し次第締め切り。
なお「谷川俊太郎の『こころ』を読む」(思潮社、1800円)とセットの場合は2000円
「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
です。
恥ずかしいことだが、
黄色い薔薇の詩を頼まれたとき、私は
壁に立て掛けてある絵はがきの絵を剽窃した。
三年前の秋のことである、
あるいは五年後の冬のことかもしれない。
背景は灰色っぽい青。
黄色い花びらのペンで縁取りしてあるのだが、
線が花びらから離れるときがある。
色が線をはみ出すときもある。
恥ずかしいことだが、
輪郭の破れ目が、
そのときの私の不調和とぴったりあっていた。
気持ちを装飾にするのがいやになってしまった、
という気持ちさえありきたり比喩のよう。
恥ずかしいことだが、
だれも気づかなかった。
*
新詩集『雨の降る映画を』(10月10日発行、象形文字編集室、送料込1000円)の購読をご希望の方はメール(panchan@mars.dti.ne.jp)でお知らせください。
発売は限定20部。部数に達し次第締め切り。
なお「谷川俊太郎の『こころ』を読む」(思潮社、1800円)とセットの場合は2000円
「リッツッス詩選集」(作品社、4400円、中井久夫との共著)とセットの場合は4500円
「谷川俊太郎の『こころ』を読む」「リッツッス詩選集」「雨の降る映画を」三冊セットの場合は6000円
です。