どこで間違えたのだろう、
どこで間違えたのだろう、
一階二階に四戸ずつのアパートなのに階段を上って歩きはじめると、廊下がどこまでものびてゆき、部屋にたどりつけない。
いつ間違えたのだろう、
明かりの消えた部屋の前をすぎて廊下が玄関のドアの前をとおると、まっすぐなはずの廊下が左へまがって、ホテルのように奥へ奥へと部屋がつづいている。
なぜ見えたのだろう、
冬の深夜なのに台所の窓があいていて女が見えないところで手を動かしている、と書いてある本がその奥の部屋の机の上にある。
夢のなかでも起きるはずがない、
アパートのまわりには一戸建ての家がひしめき、その路地のどこかから湯のにおいと化粧のにおいがするのを頭の中で思い描く私が布団の上であぐらをかいている。
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「谷川俊太郎の『こころ』を読む」はアマゾンでは入手しにくい状態が続いています。
購読ご希望の方は、谷内修三(panchan@mars.dti.ne.jp)へお申し込みください。1800円(税抜、送料無料)で販売します。
ご要望があれば、署名(宛名含む)もします。
「リッツオス詩選集」も4400円(税抜、送料無料)で販売します。
2冊セットの場合は6000円(税抜、送料無料)になります。
どこで間違えたのだろう、
一階二階に四戸ずつのアパートなのに階段を上って歩きはじめると、廊下がどこまでものびてゆき、部屋にたどりつけない。
いつ間違えたのだろう、
明かりの消えた部屋の前をすぎて廊下が玄関のドアの前をとおると、まっすぐなはずの廊下が左へまがって、ホテルのように奥へ奥へと部屋がつづいている。
なぜ見えたのだろう、
冬の深夜なのに台所の窓があいていて女が見えないところで手を動かしている、と書いてある本がその奥の部屋の机の上にある。
夢のなかでも起きるはずがない、
アパートのまわりには一戸建ての家がひしめき、その路地のどこかから湯のにおいと化粧のにおいがするのを頭の中で思い描く私が布団の上であぐらをかいている。
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![]() | 谷川俊太郎の『こころ』を読む |
クリエーター情報なし | |
思潮社 |
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ご要望があれば、署名(宛名含む)もします。
![]() | リッツォス詩選集――附:谷内修三「中井久夫の訳詩を読む」 |
ヤニス・リッツォス | |
作品社 |
「リッツオス詩選集」も4400円(税抜、送料無料)で販売します。
2冊セットの場合は6000円(税抜、送料無料)になります。