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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

弔問外交とは?

2022-09-02 09:07:46 | 考える日記

 ゴルバチョフが死んで、また「弔問外交」ということばが飛び交ったが……。
 安倍の「国葬」のときほどは疑問に思わない。安倍の「国葬」での弔問外交って、いったい何? たしか岸田が「弔問外交のチャンス(?)」というようなことを言っていたと思うけれど。
 何が疑問かというと、弔問外交というのは、弔問に行って、そこでなかなか会えない人と会い、交渉するということだと思う。
 たとえばゴルバチョフの「国葬」があると仮定する。岸田が参列する、と仮定する。バイデンも習近平も来る。そこで3人がことばを交わす。これは、たしかにチャンスだね。プーチンとも話せたら、それはすごいなあ、と思う。
 でも、これって「弔問」というくらいだから、「弔問」に行ったひとのすることだね。
 安倍の「国葬」。だれが来るか知らないけれど、岸田が、やってきた人たちと会談できるのか。たとえば、プーチン、バイデン、習近平、だれかわからないけれどイギリスの新首相が弔問に来たとして、岸田は、そのひとたちとどうやって会う? 時間調整は? 100国から弔問が来たとしたら、どう処理する?
 「喪主」ではないが、「国葬」の責任者(?)である岸田が、弔問客と会談している時間なんかあるのか。もちろん岸田以外の閣僚が会談するということも含めて「弔問外交」と呼ぶのだとしても、日本のだれかが外国のだれかと会うこと、そこで何らかの「会談の成果」が産まれるなんていうことは、まあ、考えられないね。

 簡単に言い直せば。
 ふつうの葬儀でも(私は、自分の肉親の葬儀を含めて、まだ10回くらいしか葬儀を体験していないので、実態を知らないのだが)、弔問に行って、遺族(喪主家族)と会談するというのはなかなか少ないのではないか。たいていは、そこで会った旧友、知人と「せっかく会ったのだからちょっと話そうか(飲もうか)」が「弔問外交」ではないのか。
 一般の葬儀とは違うが、「主催者側」に「外交/交流」をしている時間的余裕があるとは、私は想像できない。
 つまり。
 岸田は「弔問外交」の機会というけれど、岸田がほんとうにどこかの国の首脳と会談して、そこで何らかの「成果」をあげることができるのか。せいぜいが「私が日本の首相の岸田です」と言うことくらいしかできないだろう。まあ、顔合わせをして、名前を言う、つまり「面識」をつくるということが「外交」の「成果」と言うのがそれはそれでかまわないが、そんなことをしないと岸田であることを知ってもらえないのだとしたら、それこそ問題だろう。「存在感」がないということを証明するものだ。
 私は、ばかだから、他人のことばをそのまま信じたりはしない。
 安倍の「国葬」も、「国葬」なんかではない。国会で審議して、実施するわけではないのだから。岸田が発案し(?)、閣議で決定したのだから、「閣議葬」にしかすぎない。そこに税金をつぎこむのは、職権の濫用だ。
 でも、その岸田の職権が、はたして「弔問外交」で発揮できるか。岸田はバイデンと会談することに「閣議決定した」というようなことは、できないね。さらに、バイデンはこなかったがマバマが来たので(来ないだろうけどね)、岸田・オバマ会談を「日米首脳会談である、と閣議決定した」なんていうことがありうるわけがない。
 岸田に対して、「それはおかしい。そんなことは認めるわけにはいかない」と、だれも言わないから「閣議決定」が通ってしまう。これは、言い直せば、岸田が国民を支配していると思っているからだろう。バイデンやオバマに対して「日米首脳会談を閣議決定した」と主張し、「だから国葬に参列しろ」とは言えないでしょ?
 こんなことを書くと、アメリカ相手と、国民相手では「条件」が違う、というかもしれないなあ。そんなことは知っている。しかし、アメリカを相手にするとき、それなりの「手続き」が必要だというのなら、国民を相手にするときも、ちゃんとした「手続き」が必要なのだ。日本は「議院内閣制」の国なのだから、国会で審議し、その決定に従うという「手続き」が必要なのだ。
 「手続き」を踏まないことを、「独裁」と呼ぶ。
 安倍の「国葬」は、「独裁」の具体的な始まりなのだ。あの戦争法でさえ、国会で審議し、議決している。

 


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