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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

ツチヤタカユキ「プラネタリウム・テイクアウト・デイズ」

2023-03-21 18:17:55 | 詩(雑誌・同人誌)

ツチヤタカユキ「プラネタリウム・テイクアウト・デイズ」(「ココア共和国」2023年2月号)

 ツチヤタカユキ「プラネタリウム・テイクアウト・デイズ」は、こうはじまる。

地球上の人類全員に、つけられるようになった順位。
政府から届いた封筒には、『あなたが最下位になりました』。

その夜、神様がなくしてしまった、地球を作るレシピを拾う。
そこには『ビックバン大さじ1+アダムとイブ』と書いてあって、
私は自分の脳内で、大さじ1のビックバンを起こして、そこに小さな
地球を作った。

 空想の世界である。空想の世界だから何が起きてもいい。だいたい空想にストーリーは必要がない。そういう点では、詩、そのものである。だれも過去に何が起きたか気にしない。これから起きることだけを期待して読む。ストーリーに整合性はなくてもいい。整合性がない方がおもしろい。整合性のかわりにあるのは、何か。人によって、違う。ことばのエネルギーの場合もあれば、「文体の統一」(リズム感の統一)というのも、ある。
 ツチヤタカユキは「文体の統一」で動いている。

その帰り道、神様がなくしてしまった、天使の採用試験問題を拾う。
そこに書いてあった質問に答えた瞬間、
私の順位は1位になった。

Q.『人間の平均寿命が3分間になった世界で、君は何をして、一生を
   終える?』

「カップラーメンにお湯を入れて、次に生まれた奴に食わせる」。

 最後の「奴」がとてもいい。
 3分間、カップラーメンだけでは、ちょっと気の利いた「落語」のようなものである。気取った詩人が見落としていたものを拾い上げて世界を作ってみた、という感じ。「論理」が目立ってしまう。
 この「奴」が「人」だったら、とても気持ちが悪い詩になる。
 「奴」には、軽蔑と親しみの、ふたつの響きがある。それは「人類」や「政府」「神様」「天使」にも通じる。
 私は、ツチヤタカユキがつかっていることばで何か語ろうとは思わないが、「奴」はつかってみたいかな、と思った。「奴」には、何か、「人類」「神様」、それから「順位」というようなものを、ちゃらにする力がある。その力で、詩が統一されている。

 

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