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建築計画~本当の完成

2009年09月25日 | 親父
弟の誕生日が3月11日だったので親父が言った「そこはクリアできる」
というのは何とかその通りになりましたが、我々家族と親戚は3月11日
から病院に泊り込みでした。
親父はもうその時には意識はなく、ただ呼吸をしているだけになっていた
のです。

そして親父は桜の花を見ることなく、3月13日に天国へ旅立ちました。
61才という若さでした。

新しい建物は出来たものの、古い建物の解体、そして舗装工事などは
残ったままでした。
工場には今まで水道が無かったので、そこまで引いてもらうことになって
いたので最終的な仕上げ作業と付け足し工事などです。

解体が終わって、事務所の出入り口からの景色が一気にひらけました。
それはとても開放感のある晴れやかな景色でした。
会社の看板も道路から見やすいようにと移動したほどです。

そして5月の連休明けに舗装工事も完璧に終わって、その広々とした
スペースに僕らは改めて驚き、この状態を親父に見せてあげたかったと
何度も何度も思いました。

それは今でも思います。

洗い場のある工場、広々とした駐車スペース、今までの何倍も仕事の
しやすい快適な事務所と作業場。
大きな台風や竜巻が来たらたちまち飛ばされそうだった以前のプレハブ
とは雲泥の差です。
先日来た営業マンは「あの階段を登るのは怖かった」などと冗談を言ったり
してたぐらいです。

自宅の方も広々として、とても住みやすく快適です。
半年以上経って、ここでの新しい暮らしも板についてきたと思います。

それでも親父は生きてたら何かしら文句は言ったと思うのですが・・・(苦笑)

おばぁちゃんが引越して来て、おばぁちゃんの部屋におばぁちゃんの荷物が
ちゃんと収まりました。

植木なども増え、水をあげるのも楽しい作業です。

親父が生前言ってたように、我々家族と会社の人たちに遺していってくれた
この建物は、親父の最後の大仕事になりました。
とても素晴らしいものを遺していってくれましたが、別の意味で大きなものも
残していったので、それに関しては我々が頑張っていかなければなりません。

この建築計画は今になってようやく本当の完成形になったのだと思います。
この完成形を出来ることなら親父に見せてあげたかったと思います。
大喜びして、得意げに友人や仲間を連れて来たことでしょう。
目に浮かぶ光景です。

さてさて、事務所の壁に今まで親父がもらってきた賞状を飾る作業が残っています。
最初はこれみよがしに飾ることに抵抗があったのですが、やはり先代社長の足跡を
示しておこうと思い飾ることに決めました。

そして親父が死ぬ少し前に『信』という字を書いて事務所に飾ってと言いました。
その作業もまだ残っています。

もう最終段階です。
あとは僕がやるだけなのです。
そして我々で守っていくのです。





~あとがき~

「建築計画シリーズ」を無事終わらせることが出来ました。
“親父”というカテゴリーを見てもらえば、がん告知から今日までを順を追って
読むことが出来ます。

親父が死んでからまだ時間はそんなに経っていませんが、本当に死んだんだなぁ、
いなくなっちゃったんだなぁ、もう会えないんだなぁという実感は日々感じます。
あれだけよくケンカして、親父の理不尽な言動に嫌気がさしていたにも関わらず、
僕は親父のことが大好きだったんだなぁと気づきました。

人間誰しも生きているから死ぬのですが、それは分かっていても自分の親の死
というものはつらく、悲しいものです。

このシリーズは何度か泣きながら書きました。
分割のシリーズになっているので、淡々と書いてある印象かも知れませんが、
やはり切なく、悲しかったです。
泣くのが嫌だから気持ちが進まないこともたびたびでした。
なので、やっと終わらせることが出来てホッとしている部分もあります。

それと終わらせなければ次へ進めないということもありました。
それは親父の歌を作ることです。
こっちを終わらせてから歌を完成させようと思ってましたから・・・。

歌の方もかなり仕上がっていて、これも詩を作るたびに泣いています。
泣きながら曲作りをするというのはあまりいいもんではありません。
だから自然と向き合わなくなるのですが、久し振りの、約1年振りのライブの
日程も決まったので、いよいよこちらの方も完成させなければと思っています。



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