札幌のクリスチャン鍼灸師

札幌市中央区山鼻地域、石山通沿い側で、脈診流による経絡治療専門の鍼灸院をしています。

経絡治療とは

2022-11-25 15:55:17 | 医療・健康
何時もこんなつたない私の記事を読んでくださっている方々がおられる事に感謝しています。
そこで、最近この私のブログを読み始めた方々の中には、「経絡治療」と言っても分からない人もおられるのではと考えました。
そのような方々に知っていただくためにも、以前書いたものですが、たまに「経絡治療とは」の記事を上位に上げたいと思います。
ただ、正直だらだら思いつきで書き足している向きもありますので、そのあたりお許し下さい。

当鍼灸院は脈診流による「経絡治療」と呼ばれる、はり専門の治療院です。
「はり」と言えば多くの人は「東洋医学」だと思うでしょう。
しかし、現代ではおおくのはりは、西洋医学の理論に基づいた方法が主流になっています!!
鍼灸学校においても、西洋医学的なカリキュラムで教育されています。
明治維新後、欧米に追い付け追い越せという事で、これからは医学も西洋医学でなければならないという風潮になり、漢方撲滅運動がおきました。
かろうじて視覚障害者の職業として按摩鍼灸は保護されましたが、盲学校などの職業教育においても、西洋医学を中心になってしまい、それが今にいたっています。
その後、昭和の初め頃「古典に帰れ」の掛け声の元に、幾人かの人たちによって本来の伝統的な鍼灸術が復活した訳ですが、詳細につきましては省略します。
その伝統的な東洋医学に基づいた鍼灸術の代表として、私がおこなっているこの「経絡治療」があるのです。
治療方式としましては、まず、患者さんに今一番苦しい症状を聞きます。
そして、その他の思い当たる症状をできるだけ言っていただきます。 私は患者さんの訴える症状を聞きながら、その部を触診します。
その後、お腹・脈の状態を見ます。
お腹や脈を見る事によって、体全体の状態を判断する訳です!!!
つまり、漢方的に言いますと、問診や腹診・脈診などの触診をする事で、十二経絡の気の変動を判断するのです。
それらの診察から得た情報を分析し、該当する経絡のつぼにはりをする訳です。
まず、最初に手足にはりをします。
手足には、十二経絡の気の変動を整えるためのつぼが集中しています。
その後、症状によって、その部にはりをしたり、お灸をする事になります。
例えば、腰痛なら腰になどというようにです。
多くの場合、深くはりを刺す事はしません!!!
まぁ、状態におおじて、深くする場合もありますが、時としてその間じゃさんの体質によってはつぼに触れるだけの刺さらないはりをする事があるほどで、特に小児に対してはそのような鍼を使います。
「経絡治療」によるはりは、気の状態を重視します。
はりで患者さんの体に気を補ったり、邪気を取り除いたりします。
その意味では、気功に近い要素があるとも言えます。
また、東洋医学は「病名治療」ではありません。
同じ病名の人でも、その人の症状や体質などによって、はりの仕方も変わってきます。
ですから、「この病気にはこのつぼ・・・・・」などという事には拘りません。
よく私が他の人に聴かれて答えに困ってしまう事があります。
それは例えば
「風邪」なら「風邪のつぼは・・・・?」とか、
「風邪の時どこにはりをするの・・・・・?」、
と聞かれる事です!!!
「風邪」といっても、その人によって症状が違いますし、その人の体質も違う訳です。
ですから、「その人によってやり方が違う・・・・」と言うしかありません!!!
本来漢方薬もそのような考え方でして、風邪の時にはどんな時でも「葛根湯」という訳では無いのです。
さらにいうなら、病名治療ではないだけに、聞いたことのないような初めて遭遇する病気の患者さんに対しても、とりあえずは対応が出来ます。
病名治療だと、その患者さんの病名が分からないと対処が出来ず、せいぜい対症治療で済ませざるをえないということになります。
稀な病気で、私が成功した治療として前に書きましたが、「肢端紅痛症」というような症例もあります。↓
http://blog.livedoor.jp/shinqroom/archives/52384785.html
http://blogwork.minibird.jp/toyohari/article/20.html
↑詳しくはこちらをお読み下さい。
ところで、東洋医学では、その人の生命力を強化し、自然治癒力を高めて、その結果病気が治るという事です。
ですから、患者さんが一番苦痛な症状だけで無く、その他の症状もだんだん良くなってくるという事は、よくある事です。
さて、当院はこのような治療大慶ですので、「肩がこってるから肩だけはりをしてほしい」とか、「腰が痛いから腰だけにはりをして欲しい」などと言って来られても、お引き受けできません。
誤解しないでいただきたいのですが、肩凝りなら肩に、腰痛なら腰にというように、それぞれの症状によって局所へのはりも当然しますが、肩だけにとか腰だけになどと局所だけのはりで終わらす訳ではないという事です。
その点、ご理解よろしくお願いします。
当院に来られる患者さんですが、「鍼灸」といえば肩凝りとか腰痛など整形外科的名疾患をイメージされる方が多いと思いますが、当院では全体的な割合からすると、そのような患者さんは多くはありません。
2005年にオープンしましたが、思いつきで書いてみると、これまで来られた患者さんは、喘息やアトピーなどのアレルギー疾患・慢性胃炎や逆流性食堂円などの胃腸疾患、前立腺肥大・メニエル病・冷え症・不眠・眩暈、整形外科的なものでは顔面神経麻痺などです。
その他、原因不明の諸症状といいますか、不定愁訴。
癌の方も何人か来られています。
もちろん癌を鍼灸治療のみで治そうなんていう、恐れ多いことを言うつもりはありませんが、統合医療的な意味合いというところです。
ただ、私の臨床経験からして、抗がん剤の副作用が鍼灸治療によって軽く済んだということは、これまであります。
その他、最近では、疲労回復や健康管理・体質改善などで来られる人も、多くなりつつ有る様な感じもします。
年齢もあかちゃんから高齢者の方々まで、様々です。
ただ、当院はビルの2階に有り、階段を上らなければならない事から、特に足腰の弱い高齢の方々には大変かなと、開業当初から思っています。
今後移転する事があれば、そのあたり考えなければならないところです。
と、思い付きで上げてみましたが、もちろん、肩凝り腰痛で来られる人もいます。
しかし、肩凝りといっても、他に症状を持っていたり、病院では特に悪いところは無いなどと言われたりして、マッサージや西洋医学的な鍼をしても余計辛くなったと言われる患者さんが来られたりしています。
最近よく「東洋医学は未病を治す」と言われるようになりましたが、その正に「未病」の状態と言ってもいいかと思います。
このように、経絡治療では様様な疾患に対応できます。
西洋医学では原因が分らなければ治療不可か対症療法でその場をしのぐ事になってしまうのでしょうが、経絡治療は本来人間が持っている自然治癒力を高める事が目的ですから、病名や原因が分らなくてもとりあえず治療に対応できるのです。
その「経絡治療」ですが、学校では殆ど教わりません。
「経絡治療はこのような考えだ」というぐらいは教えられますが、上にも書いたように、カリキュラムが西洋医学的な教育になっていますし、はっきり言って経絡治療を身に付けた教員は殆どいません。
ですから、免許取得後、新たに勉強しなければならない訳です。
私は1990年、免許を取得して3年経ってから、「東洋はり医学会」という学術団体に入会し、そこで教わりました。
東洋はり医学会は1959ねんに設立され、東京に本部があります。
私はその札幌支部に所属しています。↓
http://toyohari.web.fc2.com/
↑なぜか2013年から、私が支部長を勤めることになりました。
その他にも、日本各地に支部があります。↓
http://www.toyohari.net/branch.htm
日本のみならず、アメリカの数都市・イギリス・オランダ・ドイツ・スイス・スペイン、ポルトガル・オーストラリアの数都市・ニュージーランドにも、支部があります。↓
http://www.toyohari.org/World_Branches.htm
これまで欧米諸国では、中国のはりが主流でしたが、日本のはりもだんだん注目されてきているようです。
残念な事ではあるのですが、海外の会員は増えてきているのに対し、日本国内では会員数が伸び悩んでいるのが現状です。
日本ではマッサージなどを併用しておこなっている鍼灸師が多く、そのようにやっていけばとりあえず飯は食えるといった感じなのでしょうか!!!
経絡治療のような難しい技術など苦労して身に付けようなどとは思わないのでしょうね。
まぁ、それぞれの治療院にはそこの治療院としての営業方針がある訳ですから、それに対して私はけちをつけるつもりはありませんが・・・・・。
しかし、西洋医学の不可能を可能にするには、経絡治療に勝る鍼灸術は他に無いと、私ははっきり断言します。
という事で、だらだら書いてしまいましたが、今回なるべく専門用語を避けて書きました。
したがって鍼灸氏でない方々には、どのような理論体型であるのか理解できなかったと思います。
どうぞ詳細をお知りになりたい方は、「経絡治療」などで検索する琴を進めします。
また、当院での治療を受けたいと思われる方は、お気軽に何時でもお問い合わせ下さい。
遠方の方は、近いと思われる東洋はり医学会所属の鍼灸院を紹介する事も出来ます。
その他、鍼灸師で経絡治療に関心ある方々も、共に研究会に参加してみたいと思われるのでしたら、お問い合わせ下さい。
東洋はり医学会のHPは↓
http://www.toyohari.net/
↑です。

(以上、2007年2月6日、2014年3月9日に載せたものを、一部書き換えて今回載せました。)



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