ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

2 幻のソムリエナイフ 47ページ目

2009-07-02 23:06:39 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【47ページ】


                幻のソムリエナイフ


良子    マスター、店頭がオオカミグッズの店で、奥がワインバー

      になっているって、気づかない人多くない?

マスター  それでいいんだ!

      ここは、ワイン好きのオオカミ達の隠れ家だからね。

良子    ええ、私もオオカミ?

マスター  オオカミのプリンセスかな?

良子    プリンセスだなんて!


その時、和音が店に入ってきた。


和音    マスター、こんばんは!

良子    ああ、オオカミのボスが来た!

和音    良子さん、何の話?

良子    マスターがね、この店は、ワイン好きのオオカミ達の隠れ家

      ですって!

      そして、私がオオカミのプリンセスだそうです。

和音    良子さんがプリンセス?

      毎日来ている良子さんこそボスでしょう?

マスター  いやプリンセスが相応しい!  

和音    マスターは、お世辞がうまいなあ!

      良子さん、今日は早いね?

良子    和さんから、いただいたソムリエナイフの件でお話があって

      待っていたの。


48ページに続きます。  

2 写実の魔術師のワイン 46ページ目 

2009-07-02 20:14:24 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
【46ページ】

会長は、画家から預かっていた手紙を広げ、読み始めた。


会長   私の描いたワイン名を、シャトー・マルゴーのセカンドワインの

     パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴーの2006年

     と和音さんが答えたのなら、正解として下さい。

     私は、写実の魔術師と呼ばれていますが、今回初めて女性が

     飲んだワインと違うワインを描きました。

     ソムリエが注いでいる絵のワインは、本当はシャトー・マルゴー

     の1990年だったのです。
 
     もし和音さんがこのことに気づいたのなら、私は写実の魔術師の

     称号を返上します。そして画風も変えないといけないですね。

     和さん、どうして判ったのですか?

和音   彼は、なぜ写実の魔術師と呼ばれているのでしょうか?

     人物や風景をただ忠実に描くだけではなく、内面を強く表現して
     
     いるのです。 

会長   人物や風景の内面を自分に取り入れ、それを描き出していると

     評論する人もいます。

和音   そうでしょう。

     しかし、この絵のワインには、画家の気迫があまり感じられなかった

     のです。だから女性の飲んでいるワインを描いていないのではと

     感じたのです。

会長   そうでしたか?

     残念ですが、先生にこのことを伝えないといけません。