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博物館浴(東京都美術館 「ボストン美術館の至宝展」)

2017-08-12 13:31:44 | イベント
 東京都美術館では、7月20日から10月9日まで「ボストン美術館の至宝展 東西の名品 珠玉のコレクション」が開催されている。





 ボストン美術館は、1870年に地元の有志によって設立され、アメリカ独立百周年にあたる1876年に開館した。王室コレクションや大富豪のコレクションが元になった美術館と異なり、ゼロからスタートし、民間の組織として運営されてきた。所蔵品は50万点を数え、「古代」、「ヨーロッパ」、「アジア、オセアニア、アフリカ」、「アメリカ」、「現代」、「版画、素描、写真」、「染織、衣装」および「楽器」の8部門に分かれる。エジプト美術、フランス印象派絵画などが特に充実している。

 今回の展覧会は、ボストン美術館の「古代エジプト美術」、「中国美術」、「日本美術」、フランス絵画」、「アメリカ絵画」、「版画・写真」「現代美術」といった主要部門の作品80点が展示されている。

 第1章 古代エジプト美術
 ギザで発掘された王の頭部や、墓からのレリーフ、ヌビアの王の立像、ジュエリーなど、ボストン美術館とハーバード大学による共同発掘調査の成果を中心に展示されている。

 第2章 中国美術
 中国美術コレクションは幅広い年代の絵画、陶磁器、彫像、装飾品などのなかから、ボストン美術館が誇る北宋・南宋絵画の名品が展示されている。

 第3章 日本美術
 約10万点に及ぶ日本美術コレクションはモース、フェノロサ、ビゲローら日本を愛したコレクターたちが大きく貢献した。今回はあ江戸美術の優品が展示されている。
 特に、幻の涅槃図といわれる英一蝶(1652~1724)が描いた釈迦の入滅の様子を描いた《涅槃図》は一蝶による仏画の大作であり、江戸時代の仏画の代表作だ。画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及ぶ。涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを鮮やかな色彩で大画面に描いており、一蝶の力の入りようが伝わってくる。1886年(明治19年)以前にフェノロサが購入してからはボストン美術館で収蔵されてきた。品の大きさと経年による劣化ゆえ、ボストン美術館でも25年以上にわたり公開が実現できなかったが、今回の公開に合わせて、画面の折れや亀裂、汚れ、糊離れなどを改善するために、約170年ぶりに本格的な解体修理が行われ、その様子が映像等で紹介されていた。

 第4章 フランス絵画
 19世紀フランス絵画のコレクションであるバルビゾン派、印象派、ポスト印象派の絵画が展示されている。

 第5章 アメリカ絵画
 ボストン美術館の天井画も手掛けたサージェントの作品やアメリカ印象派の絵画など、18世紀から20世紀半ばまでの作品が展示されている。

 第6章 版画・写真
 19世紀半ばから20世紀のアメリカを描いた収集作品から、アメリカを代表する芸術家ホーマー、ホッパー、シーラー、アダムス4人がとらえた、人々の暮らしや自然の美しさを映す版画と写真が展示されている。

 第7章 現代美術
 充実しつつある現代美術は、ウォーホル、村上隆をはじめ、ホックニーの色鮮やかな風景画、テイラー=ジョンソンの映像作品などが展示されている。
 

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