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セロ弾き 呑み鉄 蕎麦打ち~趣味とともに楽しく過ごしたい今日この頃

御馳走帖(内田百著)

2016-03-20 13:17:07 | 雑感
 内田百著「御馳走帖」

  

 百鬼園先生は、夕餉は「お膳」でなければならない。お膳につきものはお酒、麦酒。節目に人を招いて、お膳で酒宴をする。

 「昭和十九年ノ夏初メ段段食ベルモノガ無クナツタノデセメテ記憶ノ中カラウマイ物食ベタイ物ノ名前ダケデモ探シ出シテ見ヨウト思ヒツイテコノ目録ヲ作ツタ」
 まさに、戦中、食糧難になったとき、思い出した酒肴の一覧が「餓鬼途肴蔬目録」に記載されている。肉、魚、果物、駅弁、デザート。

 戦争が終わってから、「食べ物が不自由になった戦前から戦争中、戦後にかけて、当時は非常にうまかった物が今となってはつまらない物もある。」「世の中が次第に元に戻った今は決してさう思はない。たまに口にする事があっても、なぜこんな物をうまがったかと思ふ。」

 「列車食堂」の項では、「阿房列車」を思い出す記述もある。「用事はなかったけど、大阪へ行って来た」、まさに、「阿房列車」の冒頭である。そして、いつも同行しているヒマラヤ山系君や甘木君も登場してくる。

 
 これまで「阿房列車」「百鬼園随筆」を読んできたが、「御馳走帖」で、改めて百鬼園先生の食(酒を含めた)に対する思いが伝わってくる。また、こだわりもあり、例えば「鰻」となれば、月に28日「鰻」を食したりしていたそうだ。
 
 「鹿肉」をもらったときに、「馬肉」を買って一緒に鍋に入れる。「馬鹿鍋」?しゃれっ気もある。

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