齋藤大悟 : Daigo Saito

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シャクヤク(芍薬)

2024年06月14日 | 山の麓


シャクヤクが庭に咲いている。艶やかで気品にあふれている。苗は10年ほど前に伯母からいただいたもので、土が合わないとすぐに死んでしまうと言われたが、植えてから数年後に花を咲かせ、以後、毎年咲き続けている。伯母はもうすぐ80歳になる。4月に死の淵をさまよい三途の川まで行ったようだが、どうしても向こう岸に渡れず、気が付けば病院のベッドの上にいたという。先月、その伯母をはじめ、母の兄弟姉妹が一同に集まった。遠く関西から駆けつけた伯父とは約40年ぶりに再会し、「大ちゃん、いいおっちゃんになったな!」と握手を交わしながら声を掛けてくださった。伯母の元気な姿もあり、総勢5人の兄弟姉妹の中に甥っ子の私がお邪魔をするという形で、お墓参りから会食までご一緒させていただいた。そして5人の実家で、青空に映える鳥海山を背景に記念写真を撮った。
何でも言い合える5人の仲は陽気なうえ活力に満ちていて、一緒にいるこちらまで元気になる思いがした。どんなに苦労を重ねてもどこまでも前向きな姿勢がうかがえた。伯母の退院を機に集まったわけだが、「集まるのはこれが最後」という思いは、別れ際には「また会おう」という思いに変わったようである。いくつになっても「兄ちゃん、姉ちゃん」と呼び合える仲に不思議な心地良さを感じた。そして私はいくつになっても「大ちゃん」であることを実感した。だからこのシャクヤクは、美しさと共に「つながり」というものをずいぶんと感じさせてくれるものになった。伯母の一件や先日の再会のせいなのだろう。見えてくる景色というのは心情と共にあることを思う。心から感謝したい。

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