ハナニラ。前篇。

2015-05-20 11:00:00 | 
まあまあのお天気です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。

私はと言いますと、しつこいものもらいの
治療中です。早く治らないかなあ。
目って、大事です。。ホント…。

それはさておき、もう少しで我が家に
車がやってきます。
どうしても必要になって、手に入れたものです。
軽自動車ですが、よく走ってくれると
信じて、楽しみに待ちたいと思います。











それでは、いつものようにいつもの言葉を。









相変わらずの、
妄想なあたしの世界です。
妄想な世界なんて、と思う方は、
お読みになりませんように。


そして、
クレーム、苦情、ツッコミなどは、
ご遠慮下さいませ。

お互いに、
いい気分にはなりませんし、
私も凹みますから。。。
ご勘弁下さいませ。













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ハナニラ〜別れの悲しみ。愛しい人。













あたしは、会社の花壇の花に
水をやっていた。

ハナニラ。。。
花言葉は、別れの悲しみだっけ。
この季節になるとあの頃を思い出す。。

いかんいかん。
もう、過去のことじゃない。
あたしは、もうあの頃のあたしじゃない。

只の中規模な会社の真面目な事務員。

「牧野さん。おはよう。」
「多部課長、おはようございます。」
「毎朝、ご苦労様。」
「いいえ。」

ニッコリ営業スマイルをして、やり過ごす。

さてと、あたしも中に入らないと。
じょうろを片付けて、干しておいた
台布巾を取り込み、それから給油室へ。
台布巾を元の場所へ戻し、
自由に飲めるように、電気ポットに
水を入れて、沸かしておく。

コレでよし。

あたしは、自分の席に戻った。


*******


真面目一辺倒な地味な事務員として
働いて3年。
就業時間を過ぎると、区切りのいい所で
仕事を切り上げる。
残業は、締めの季節のみ。

「お先に失礼します。」
「お疲れさん。」

というのも訳がある。
2年前から、京料理のお料理教室へ
通っているからだ。

最近は、大分包丁さばきが良くなって
来たねって言われたばかり。
嬉しいったらあやしない。

その前に今日は、お茶を買いに、
丸の内にあるお茶屋さんへ行く。

抹茶と玄米茶、それから玉露を買った。
鞄に仕舞いこむと、急ぎ足でお料理教室へ
向かう。

「こんばんは。」

ドアを開けながら、店に入っていく。

「いらっしゃい。」

いつもの場所に荷物を置き、
鞄からエプロンを取り出す。
この教室に来始まって、お料理が
楽しくて仕方がない。

先生には、それがわかるらしく、
教え街があるとおっしゃってくれて、
真剣に教えて下さる。

1時間半過ぎた頃、

里芋の煮物。
お吸い物
炊き込みご飯
鴨のロースト

が出来上がって、生徒さんたちと
試食が始まった。

「牧野さんって、食べ方が綺麗よね。」
「そうですか?」

内心、ドキッとした。
こんな所にも、出てしまうんだなって。

「ええ。とっても良いと思うわ。」
「ありがとうございます。」

ちなみに、今話していたのは、
どこぞのお嬢様。。
何やら、許嫁がいて、来年の春
結婚することになっているので、
花嫁修業に来ているそうだ。

「私、こんなでしょ。だから、
お友達があまりいなくって。」
「牧野さん。お友達になって
くださらない?」
「へ?あたしですか?」
「ええ。私と合いそうなんだもの。」
「そうですか?」

内心、勘弁して〜と思ったが、
お嬢様という部類の人は、ま〜、
なんでかじっとりとしていることが
多いときているから、さらっと、
流すことにした。

「ね。今度、お茶をしに我が家に、
いらしてくださいな。」
「ええ。機会があれば。」

このお嬢様といたら、あたしは、
あの人たちのことを思い出してしまう。
だから、あまりそばにはいたくないん
だけれども。

調度良く、先生から片付けの指示が
出たので、あたしは、さらりと立ち上がって、
片付けを始めた。

「お疲れ様でした。」

あたしは、あのお嬢様につかまらないよう
気配を消して、お店をあとにした。。

ふぅ。さてと、帰ろう。

お店からは、40分ほどの、アパートに
あたしは、とりあえず帰ることにした。


*******


携帯で撮った写真と、レシピを、
ファイルに挟んで、ストックする作業を
しているうちに、炊き込みご飯の味を
思い出して、フッと笑った。

美味しかったなぁ。
今度からは、あの味だね。
里芋の煮物も、あの味。

あのお嬢様さえなんとかなれば、
もう少しあのお料理教室に通いたいな。
上手く付き合っていくしかないよね。。。
は〜。
考えてもしかたがないか。
お風呂入って寝よ。


********


朝、出かける準備をしていたら、
固定電話に、知らない番号から、
電話がかかってきた。

無視したほうがいい気がする。

パッと5回鳴ったところで、
留守電に切り替えた。

「牧野さん。お料理教室の斉藤です。
お茶会のことでお電話しました。又お電話します。」

で、でなくてよかった。。。。

戸締まりをして、会社に行く。

さてと、どうしようかな〜。
一度は行かないと、諦めてくれない
だろうし。
は〜。

「牧野さん。おはよう。」
「多部課長。おはようございます。」
「何かあったの?」
「え?どうしてですか?」
「すごく難しい顔してるから。」
「あ。はい。ちょっと考え事をしていまして。」
「そうか。それは邪魔しちゃったね。」
「いえ。そんなことはありません。」
「じゃ。」
「はい。」

あのお嬢様が悪いわけじゃない。
誠意を持って、お付き合いしないと。。。

つくしは、次の電話にでる決心をした。


********


夜20時すぎ、固定電話が鳴った。
つくしは、は〜と溜息をついてから、
電話にでる。

「はい。牧野です。」
「牧野さん。斉藤です。」
「朝は失礼しました。早く出勤日だったもの
ですから。」
「いいのよ〜。私も悪いのだから。早速
だけれども、お茶会のお話なのだけれど。」
「はい。」
「今度の土曜日なんていかがかしら。」
「大丈夫です。」
「本当に?」
「本当です。」
「では、土曜日の14時に。」
「あの、服装に指定はありますか?」
「指定は無し。親しい友人だけだもの。」
「わかりました。」
「では、私の家の来かたをお教えします。」
「はい。」

案の定。偉い金持ちさんが住んでいらっしゃる
お宅だった。。。

「では、土曜日の14時にいらしてね。」
「はい。伺います。」
「では、おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」

は〜。何を着て行こう…。
一番、悩むよな〜。
あのワンピースにお世話になろうかな。
あれしかないよね。。。

つくしは覚悟を決めた。
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