里山人雑記

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睡眠不足のせいにしてしまえ

2022年01月23日 14時31分01秒 | Field Note<観察>
「睡眠不足は良い仕事の敵だ」とはよく言ったものです。さすがマルコ・パゴット。じゃなくてポルコ・ロッソ。
イタリア語の語感まではわかりませんが、よく考えたらポルコ = 豚、ロッソ = 赤ですね。文字通り「紅の豚」。
昔から大好きな映画ですが、時代背景や機械に関する知識がちょっと増えた今見ると、さらに楽しい作品でした。噛めば噛むほど美味しい良い作品だと思います。

さて、話がそれました。今回は、先日ちょろっとフィールドに出たときのお話を。
川沿いの鳥たちを見ながら歩いていると、遠い川下から、上流に向かって飛んで来るクロツラヘラサギが。
私の横を通るまでの時間は充分。光は半逆光で翼を透過させるのにちょうどよく、背景も申し分なし、飛んでいる高さもまずまずです。
これは相当に良いシーンが撮れるのではと、余裕をもってカメラの設定を調整し、あとは撮るだけの状態で到達を待ちました。
そして、狙っていたポイントに近づいたとき、私はカメラのファインダーをのぞいた…はずが!!

↑なんとカメラがこの状態(↑写真は再現)。カメラを持ち上げた瞬間にファインダーにストラップが引っかかってしまったのです(笑)
ちょちょちょちょちょっっと待ってもう来ちゃう待って…!!!
「あーっっちょっっっとちょーっとそれはない待ってえー…っておい、まじかぁぁぁそんなぁぁぁぁー…」とひとり嘆く私をよそに、目の前を優雅に飛び去るクロツラヘラサギ。
その光景のなんと幻想的なことか(笑)
急いでストラップをどけようとするも、なかなかガチガチに引っかかっており後の祭り。ようやくファインダーをのぞいた時にはもう…

クロツラヘラサギ Platalea minor
背景も抜けてしまい、もともと想定していた場所の設定では背景含めいろいろ真っ白に。このっド素人がっ…笑
ちなみに細かい齢まではわかりませんが、この個体は比較的若い個体のはずです。
若い個体は基本的に、初列風切を含めた翼の先の方に黒い模様があり、嘴には薄ピンク色に見える範囲が広いなどの特徴があります。
この個体にはそのような特徴が見られるため、若い個体と判断できるわけです。

↑それにしてもクロツラヘラサギって、名前も面白いですよね。このブログではしょっちゅう言っていますが…
名前の由来は、目元が黒い、つまり"ツラ"が"クロ"い、嘴が"ヘラ"状、"サギ"みたいということです。英語名も、Black-faced spoonbillで、ほとんど同じ意味と言えますね。
サギみたいと言いましたが、サギという名前は付くものの、クロツラヘラサギはサギよりもトキに近い仲間。実はサギではないのです。もはや詐欺…いやなんでもないですごめんなさい寒い寒い。
そうそう、この嘴を巧みに使った捕食行動もなかなかに面白いんです。
1個体の行動を順光で拡大したものではありませんが、以前YouTubeに、捕食行動の様子を遠くからシルエットで観察したものをアップしています。
こんな感じ。

↑待ち伏せして1匹1匹をピンポイントに捕えるのではなく、嘴を水に差し込んだ状態で首を左右に振って、嘴に触れた魚などを捕えるんです。
設定で高画質にするか、YouTubeのページで見るもう少し綺麗に見えるかと思います。

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しかしまったく、何という残念なミスでしょう。読み通り良いシーンだったのに。
実はそのあとも、モズの良いシーンを捉え損ねたんですよね。読めてたし見ていたのに。
考え出すと嘆かわしくなってくるだけなので、もう全部睡眠不足のせいにしてしまいましょう。
ありがとうポルコ・ロッソ。睡眠不足は良い仕事の敵でした(笑)

あー、それにしても「紅の豚」って良い作品だなぁ。
人物に時代に機械の描写に背景に…見れば見るほど面白いんですよ。
ひとときも目を離せない。音楽も非常に良い。昔紅の豚がきっかけで、加藤登紀子さんのアルバムもいくつか聞いたものです。
さ、録画したし、もう何回も見よう。