お待たせいたしました!
6月17日(水)午後7時より開催の最後の「三幸ワイン会」のご報告です。
今回は、当店の近く「やおまんキッチン」さんにて、野菜たっぷりヘルシーお料理とワインのマリアージュを楽しみました
やおまんキッチンさんは、八百屋さんが経営しているカフェで、新鮮なお野菜たっぷりのランチメニューが充実している人気店です。(祖師谷4-1-21 ☎03-3483-0788)
シェフの島田さんとベジタブル&フルーツマイスターの安藤さん(やおまんさんの若奥様)
今回は無理を聞いて頂いて、夜の部でワインに合う美味しいお料理をたくさん提供して頂きました!
今回のテーマは、前回に引き続きヨーロッパとニューワールドのミックスという大まかな枠の中で、最後の会ということもあり、ちょっと高めのプレミアムワインをセレクトいたしました。
まずはじめにスパークリングワインで乾杯です
1.<イタリア>サンタ・マルゲリータ・プロセッコ・スペリオーレ・ヴァルドッビアーデネ・ブリュット
当店でも人気のヴェネト州で造られるグレラ種主体のスパークです。柑橘系果実、洋ナシ、白桃、リンゴや白い花などの非常に上品な果実風味と細やかな泡立ちとの調和が素晴らしく、キンキンに冷やすと喉越しのドライ感がアップ、少し温度が高まると泡立ちが柔らかくソフトでやさしい印象の魅力的な味わいです! 春から夏にかけて最適なスパークです。
これからも皆さんが健康でありますように!
そして美味しく食べれて美味しく飲める幸せなひとときがこれからもたくさんありますように!
かんぱーい
フルーツの盛り合わせと人参のマリネ
次に白ワイン、
2.<オーストラリア>ミスター・リグス・ウォーターヴェイル・リースリング2013
木々の緑や花々の美しい季節におすすめのリースリング、単なる果実風味にとどまらず様々な要素を持ち合わせているキャラクターが魅力! まずリースリング特有のオイリーなミネラル香が、続いて次に生き生きとしたライム、レモンなどの柑橘系果実の香、少し温度が高まると花、蜜などのニアンス。冷涼気候らしい繊細な果実風味に清々しいミネラル感が味わいを引き締め、スッキリと爽快なアフターへと誘います。リースリングの産地として有名な南オーストラリア・クレアヴァレー産。
ここで、参加者さん差し入れのドイツのリースリングと比較してみました~!
<ドイツ・モーゼル>ザンクト・ニコラウス・ケストナー・パウリンスベルク・リースリング・カビネット2014
2のオーストラリア産と比べると上のグラス右のドイツ産の方がほんの少し黄色が濃いめですかね、ドイツの方がミネラル香がやんわりとしていて、果実や蜜のニアンスが強め、酸も柔らかくアルコール度もオーストラリア産が11度台に対し8度台と弱めで、全体的にやさしい感じです。
ほのかな甘味があることで口中で丸く広がりを持ち、フレッシュの素材を生かしたお料理はもちろんのこと、クリーミィなものにも相性が良いです。たとえば、
アボカド&ポテトサラダ
次の白ワインに合わせて作ってくださったサラダですが、このアボカドや和えたソースの食感が 柔らかくふくらみのあるリースリングにもグーッ!
さて、次なる白ワインをご紹介しましょう
3.ドメーヌ・トマ・モレ・ブルゴーニュ・シャルドネ2013
リースリングは、オーストラリア産もドイツ産も樽不使用のフレッシュタイプでしたが、こちらは樽熟成タイプのシャルドネです。色合いもやはり前の2アイテムよりもゴールド色に近く濃いめですね。
樽熟成タイプのブルゴーニュ白の魅力は、フレッシュで繊細な果実味と上品な樽のニアンス、そして快活なミネラルの3つの要素が絶妙なバランスで調和している点にあると思います。
こちらのアイテムもヴィンテージが若いながら、非常にバランスに優れ、余韻も深く飲み応えもあるので、参加者さんの中でも好まれる方が多かったようにお見受けしました。
樽熟成をしていると、トーストやヘーゼルナッツなど香ばしい香がしますが、これがお料理の焼き風味に通じますし、口の中にまろやかにふくらむリッチなボリューム感は、クリーミィなものと相性がよくなります。
ここでやおまんキッチンさんご自慢の手作りポップオーバーの登場です!
ポップオーバーとは、卵をふんだんに使った生地を高温で焼き上げたアメリカ発祥のデニッシュの一種。中味は空洞で、シュークリームのシューのようなビジュアルです。食感は外側がサクサクしていて、内側はモチモチ。この内側の空洞にさきほどのアボカド&ポテトサラダをのせていただくと、ポップオーバーの香ばしい香とサラダのクリーミィ感が、スモーキーでまろやかな樽熟シャルドネになじみまーす
さらに、焼き野菜をチーズディップとバーニャカウダソースで、
ちょっと香ばしく、野菜の素材の風味とソースが口中でミックスされて、豊かなハーモニーを奏でます
樽熟成白とお料理のマリアージュを考えるときは、焼き風味とホワイトソースのクリーミィ感を思い出してくださいね この焼き野菜は、次の赤ワインとも相性が良かったです
4.<ブルゴーニュ>ドメーヌ・パラン・ブルゴーニュ・ピノ・ノワール2011
コート・ド・ボーヌに位置するポマール村の銘醸家が造るブルゴーニュAC。ブルゴーニュ赤ワインを学ぶ上でベーシックでお手本となるようなピノ・ノワール!ピュアな果実風味が最大限に引き出されています。フレッシュなチェリー、ラズベリーの香の奥にほんのわずかに樽由来のスモーキーなニアンスがアクセントになっています。ボーヌより北のコート・ド・ニュイの華やかで冴えた酸味ベースの果実感に比べると、色づきもやや濃いめでほのかな甘味を伴い、タンニンはシルキーでなめらか、トータルでチャーミングな印象。花々の美しい季節にマッチするピノです。
赤ワインに入り、ボリュームのあるお料理の登場です
スズキ イチジクトマトソース
淡泊なスズキにイチジク、トマト、その他の野菜をソースにからめることで、赤ワインとの相性がグーンとアップします。
フレッシュタイプのピノは軽快な味わいですので、このくらいのやさしいソースがなじみます。
ここで、ちょうど参加者さんから貴重なブルゴーニュ古酒2本差し入れがあり、比較のために開けさせて頂きました。まず1本目は、
<ブルゴーニュ>ラウル・クラージェ・ポマール1994
さきほどご紹介したピノの生産者パランの拠点となるポマール村の格付けピノです。1994年ということは、熟成期間が21年、まず抜栓で苦労しました
このくらいの古酒となると、コルクもかなり柔らかくて脆く割れやすいので、ソムリエナイフも慎重に扱わなければなりません。しかし、やってしましましたー
途中で割れてしまい、再度恐る恐る回して、無事に抜栓成功
先ほどのパラン・ピノと比較すると、色合いが全く違うことが分かります。
左がパラン、右がポマール古酒です。パランは若いので色合いも鮮やかですが、古酒はオレンジを通り過ぎ褐色を帯びています。澱も見えますし、グラスを傾けると粘性(粘り気)もかなりありました。熟成が進んでいることがはっきりとうかがえます。
まず最初に飛び込んできた香はアニマル香、動物の皮を思わせる香です。続いてスパイス、奥にドライフルーツのニアンスが感じられます。口にふくむとイチジクや杏などのドライフルーツの果実風味に紅茶、タバコなどの枯れた植物のニアンス、紹興酒を思わせるような複雑な風味を感じます。粘性も強くでタンニンもシルキーで口当たりはまろやか、デキャンタージュしなかったので澱が少々ざらつきましたが、長い熟成を経て角のとれたエレガントさを感じつつも、ポマールらしい力強さは健在!「肉が食べたーい!」と思わせるワイルド感も印象的でした。
ポマール古酒とスズキのお料理では、古酒が勝ってしまいますが、ソースのイチジクを多めに付けていただくと、意外と相性が良かったです。お料理もソースとのバランスで相性が変わることを学びました!
このあとも魅力的な赤ワインが続きますが、この続きは次のブログでご報告いたしましね~