酒の三幸

閉店後もこれまで温かく支えてくださったお客様と繋がる場所として、ブログを継続させて頂きます。その後の生活やワイン情報等。

第37回三幸ワイン会のご報告☆

2018-08-28 17:08:26 | ワイン

前回5月開催のワイン会から、あっという間に3か月の月日が経ってしまいました。

次なる構想は練っておりましたが、それに付随するワインやチーズのセレクトに行き詰っておりまして。。。

そんな中、いつも参加してくださる方々が、ご自分のストックワインの中からご紹介くださったり、おすすめ日本のナチュラルチーズを調達してくださったりと、皆さんが手を差し伸べてくださって、今回のワイン会開催の運びとなりました。

お陰様でいつも以上に盛り沢山の内容で、参加者の皆様と楽しく幸せなひとときを過ごすことができました

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2018年8月23日(木)午後7時半より 粕谷プリモピアットさんにて、

テーマ:「夏に美味しいワインでイタリア料理を楽しもう!」

まずは、暑さを凌ぐ爽快感を求めて、スパークリングワインで乾杯

皆様との出会いに感謝して、また皆様のワインライフが益々楽しく豊かになりますように

スパークリングワインは、

<アルザス>シャルル・スパー・クレマン・ダルザス・メトド・トラディショネル・ブリュット

 

 生産者来日の折にちょうどショップに立ち寄り、サインボトルをゲット! が、乾かないうちにお店のスタッフさんが指でこすってしまって、名前が。。。  まっ、ドンマイ 美味しかったので~ 

ピノブラン100%使用。輝きのあるグリーンイエローの色合いも印象的でした! 熟したレモン、洋ナシ、蜜のような上品な果実風味にハーブのニアンス、ミネラル感もあり、キメ細やかな泡立ちとともに喉越しのキレの良さも魅力的

合わせるお料理は、「本日の鮮魚と果実とハーブのサラダ仕立て」

スパークに感じられる要素を盛り込み、尚かつ泡のプチプチ感がパイ生地のサクサク感と合う(と、あるワイン会に参加して学んだので、早速取り入れて頂きました)ので、パイ生地の上にフルーツをベースにしたサラダとサーモンが盛ってあります。パイ生地も軽やかで食材の風味と調和し、スパークとの相性もピッタリ

 合わせるチーズは穏やかな風味でもっちりとした食感のセミハードタイプ「大地のほッペ」(北海道・チーズ工房NEEDS)

 

写真お皿の一番上のチーズです。真ん中は、後半の赤ワイン用に、同じ生産者の熟成の長いハードタイプ「槲(かしわ)」、一番下は、副食材の梨とイチジクのグラッセです。先日家族旅行に行った際、高速道路のサービスエリアで見つけてゲットしました。スパーク、白ワインにはナシが、ロゼ、赤ワインには、イチジクが合います。

 

さて、次のワインは、白とロゼを同時にご紹介しました。

まず口をリセットして、味わいの違いと共通点を探って頂きました。

特に今回感じて頂きたかったのは、どちらも果実味にボリューム感があり、アフターにチリチリ、ピリピリするスパイスのニアンスや、ロゼにおいては、微弱ながら渋味を感じる、という点。いずれも強さも持ち合わせたワインであること。

今年の夏は特に、売場で「いつも赤しか飲まないけれど、こう暑いと白も飲みたくて。。。」というお客様の声が多くあります。そんなご要望にご提案させて頂くワインの例としてセレクトしたのが、ドイツの若手譲造家による新しいスタイルの辛口白ワインです。スッキリし過ぎず、ほどよいボリュームがあり、インパクトのあるワインです。

<ドイツ・ラインヘッセン>フレイ・ハンゲン・ヴァイスハイム・シルヴァーナー2015

地球の温暖化で充実したブドウが収穫できるようになった今、ドイツでは、辛口ワインが盛んに造られるようになりました。また国際的視野に立ち、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、カベルネソーヴィニヨン、メルローなどのインターナショナルな品種への取り組みもされています。特にライヘッセンは革新的な造りに情熱を注ぐ若手醸造家の活動が顕著な地方です。フレイも父から受け継ぎふたりの兄弟(パンフ中央のイケメン青年達)が頑張っている生産者のひとつです。

シルヴァーナーは、ドイツ白ワインの主要品種のひとつ、上品な花、熟した柑橘系果実、蜜のような香りに程よいボリュームの果実味、アフターは白コショーを思わせるスパイシー感とアルコール感もやや高めで(13.5度)力強い印象。

合わせるお料理は、前菜よりややボリュームアップし、焼きを入れたお料理、

「ホタテのパルメザンチーズ焼きと蒸し焼き野菜」

  

ワインに感じるスパイシー感もお料理に味付けするイメージでとらえると、焼きホタテ、蒸し焼き野菜とのマリアージュもより素晴らしく感じます

 

ロゼは、なかなか日本では浸透していませんが、私の経験上、単体で楽しむより、お料理と一緒だと良さが発見でき楽しめるワインだと思います。

今回は、スペインのカベルネソーヴィニヨン&メルローのしっかりめのロゼでお肉と合わせて頂きました。

<スペイン・カタルーニャ>ライマット・クラモール・ロゼ2017

白、ロゼの比較テイスティングで、把握して頂いたようにロゼでも微弱ながら渋味の要素も感じられ、また程よい酸味とともにお肉の脂をサッパリさせてくれる働きがあります。しっかり赤の代用を果たしてくれます。逆にしっかり冷やすと白の代用にもなります。

そこで合わせるお料理は、「鴨のロースト、夏野菜のマリナータ添え、ブルーベリーソース」

   

ブルーベリーソースに醤油が使用されていて、ベリー感もそんなに強く残らずら上品で甘酸っぱい味わいが、ワインにも自然に馴染んで美味しかったです

 

さてさて、次がドキドキの今回の山場を迎えまーす 20歳のブルゴーニュ・ピノノワール登場です

夏向きのワインでメインとなると、エレガントなスタイルでも深い余韻のあるもの、ということでご紹介に預かったブルゴーニュ・ピノのオールド・ヴィンテージです。

オールド・ヴィンテージの怖い点は、まず、古いコルクの抜栓がうまくいくか?次に味わいが健全か?

このコルクの色からも20年の年月を感じますよね、

では、いざ!抜栓

  

ふー! なんとか無事に抜けました

次に、コルクの香りは。。。どう

OKOK よかった

さーて、次は、2本のワインの味わいチエック 

味わいに、瓶差もさほど無く、ホッと一安心

ワイン名は、アンドレ・ゴワショ・ブルゴーニュ・ピノ・ノワール1998

 

ワイングラスの縁(エッジ)が、褐色を帯び、熟成による色合いが感じられます。香りはとても複雑!果実本来の果実の香りよりも、熟成により生まれた香りの要素が多く、腐葉土、革製品、紅茶、ゆで卵の黄身など、皆さんも様々な表現で語ってくれました。アニマル香、獣臭と言われる熟成香も初めて知った方も多かったことと思います。味わいも旨味がアップしまろやか、酸もシャッキリからしなやかで柔らかい印象。余韻も深い!

ワインを紹介してくださった方が合わせるお料理もイメージしてくださって、そのアイディアを生かして作ってくださったのが、「ブリーチーズのリゾットと牛肉のタリアータ、ブラウンマッシュルームのラグーソース」

 

アニマル香にはシンプルに焼いた牛肉風味が、腐葉土香にはブラウンマッシュルームのソースが、旨味アップのワインのまろやかさとチーズを溶かし込んだリゾットがマリアージュ 牛肉は、ワインのぶどう粕を加えた穀物飼料で飼育された「葡萄牛」使用。旨味に優れた肉になるそうです。リゾットのお米の硬さもちょうどよく絶妙な食感!

こんな貴重なワインをしかも健全な状態で堪能でき、至福のひとときでした

熟成の長いワインには、熟成の長いチーズとの相性がよいので、先ほどご紹介のハードタイプ「槲」に合わせてもグーツ

 

シメのデザートは、ワインで楽しみました~

<ドイツ・ラインヘッセン>フレイ・アッサンブラージュ2015

 白ワインでもご紹介しましたが、同じ生産者の革新的なドイツの赤ワインです。

カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローのブレンドワイン。フレンチオーク(新樽と古樽)で14ヶ月熟成、ノンフィルター。ドイツとは、思えない濃くて鮮やかな紫色。ダークチェリー、プラムのほどよい酸味をもった豊かな果実味に、オーク由来のバニラ、ダークチョコ、タバコ等の風味が融合。タンニンはシルキーで滑らか、喉越しも色味から想像するよりエレガントでやさしい印象。しっかりとしたボディを持ちながらエレガントさも兼ね備えている点で、夏に楽しめるワインの位置づけに。

合わせるデザートは、オーク由来のナッティな風味から導き出して、「アーモンドとクルミのケーキ」

チーズも熟成するとナッツの様な風味が生まれることから、ワインとチーズ「槲」、凝縮した果実感とイチジクのグラッセも相性がよいですし、付け合わせの赤ワインと紅茶で煮たプルーンともマリアージュ、グーッ でした。

ここで、サプライズワインの登場です。

同じカベルネソーヴィニヨン&メルローブレンド、

<カリフォルニア・ナパ>ハイド・ド・ヴィレーヌ・ベルクジーヌ 2010

こちらも参加者の方のストックワインを使用させて頂きました。

DRCの共同経営者オーヴェル・ド・ヴィレーヌと彼の妻の従妹でカリフォルニアでワイナリー「ハイド・ヴィンヤード」を経営しているラリー・ハイドのコラボ企画で生まれたワイン。地球環境にやさしいブドウ栽培。フレンチオーク100%(新樽50%)、セパージュ毎に6ヶ月熟成、ブレンド後さらに15か月熟成。

フレイ・アッサンブラージュと比較すると、

 

 右が<ナパ>ハイド・ド・ヴィレーヌ、左が<ドイツ>フレイ・アッサンブラージュ、

ヴィンテージの差が5年ですが、左のドイツの方が、鮮やかな紫色で若さを感じます。対して右ナパは熟成により、エッジから全体にかけて赤らんだ色調、同じ濃厚さはあるものの、ここでも熟成期間による違いがわかります。

次に香りですが、共通の香りの他、ナパの方がより果実が熟しているようなニアンス、出しのような旨味成分を思わせる複雑な香りもします。大きな違いは、口に含んだときの触感、ドイツは活き活きとしたフレッシュ感が先行、アフターに感じる酸にも爽やかさがある。一方、ナパは熟成により旨味アップでまろやか、丸い口当たり、酸も和らぎ、喉通りがやさしく、余韻も深い。

お値段にも大きく差があり(ちなみにナパは1万円相当)、比較の対象にならないかもしれませんが、熟成するとワインがどう変化するのかという点で、ブルゴーニュ・ピノと同様、皆さんには、把握できるよいチャンスだったと思います。

右から左へかけて、熟成が長くなります。右ドイツ、真ん中ナパ、左ブルゴーニュ

 今回は有難いことに参加人数も多く、ワインの量が皆さんにご満足頂けたか心配で、予備ワインを用意しておいたので、そちらもご紹介させて頂きました。

<イタリア・ヴェネト>ラ・カセッタ・ヴァルポリチェッラ・リパッソ・スーペリオーレ・クラシコ2014

イタリアを代表する銘醸赤ワインのひとつアマローネの搾りかすと再発酵させた凝縮度の高い、干しブドウを思わせる甘味を伴う豊かな果実味が魅力のワインです。渋味は比較的穏やかですが、スパイシー感がアクセントになっています。デザートにもとても合わせやすいです。

 

最後に今回楽しませてくれたワイン達、さんきゅー 

 

そして、至福のときを共有させて頂いた参加者の皆様とご一緒に、イェ~ィ 

 

 

盛り沢山のメニューも、スタートしたらあっという間に終わりを迎えてしまった感じですが、

先を急ぎ、私が早口になってしまったり、本番になってみないとわからないことも多々ありで、進行がスムーズにいかない場面もあったかと思いますが、皆様が少しでも今後のワインライフに生かせる何かを発見してくださったり、楽しんでくだされば、幸せに思います。

 今回は、ほんとうに良き仲間に助けて頂いたお蔭で素晴らしい会となりました

お集まり頂きました参加者の皆様、お手伝いくださった方々、定休日にもかかわらず我儘な要望に応えてくださって、素晴らしいお料理を提供してくださったプリモ・ピアットさんに心から感謝申し上げます。

ありがとうございました

 

 

 


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