酒の三幸

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第20回三幸ワイン会のご報告パートⅠ~テイスティング~☆

2014-03-22 18:49:39 | ワイン

お待たせいたしました! 3/12(水)午後7時より自宅キッチンにて開催のワイン会のご報告です

今回のテーマは、「ローヌワインの魅力探ろう!」です。

今までのワイン会で触れていなかったフランス・ローヌ地方の力強いワインの魅力に迫りました。

まず、いつもの通り、資料に基づきローヌワインの特徴についての説明を。

ローヌは、ボルドー、ブルゴーニュと並ぶフランスワインの三大銘醸地のひとつです。他の二つの地方に比べ知名度的に影の薄い存在ではありますが、フランスではボルドーに次ぐAOC格付けワインの生産量で、近年リーズナブルなクラスにおいてラングドック・ルーション地方とともに南仏のカテゴリーの仲間として日本にも多く出回ってきておりますし、南半球国、カリフォルニアなど新世界と呼ばれる国々でもローヌタイプのワインは多々造られており、実は皆さんのデイリーワインの中で意外と身近な存在なのです。

ローヌ地方はフランス南部に位置し、赤、白ともに太陽の恵みを受けた凝縮感のあるアルコール度数の高い力強い味わいのワインを産します。

北部と南部では気候、地形、品種において特徴が異なります。北部は寒暖の差が激しい大陸性気候、急斜面の段々畑にてブドウ栽培、主要品種は、赤がシラー、白がヴィオニエと単一。これに対し、南部は年間を通じて温暖な地中海性気候、なだらかな丘陵地にてブドウ栽培、赤品種はグルナッシュを中心にシラー、ムールヴェードル、サンソー、カリニャンなど、白品種はルーサンヌ、マルサンヌ、クレレット、グルナッシュ・ブラン、ブール・ブーラン、ピクプールなど多種多様。北部の急斜面でのブドウ栽培はほとんど手作業で手間がかかることや、銘醸ワインのの生産地でもあり、比較的高価なワインが多いのに対し、南部は価格帯も高価格のものから低価格のものまで幅が広いです。

テイスティングは、北部と南部の代表的なものを比較いたしました。

まず白から、

左から、

①<南ローヌ>ドメーヌ・ド・ラジャナス・コート・デュ・ローヌ・ブラン2012 ¥2,480

ローヌ地方は、人工的に手を加えなくても自然の恩恵を受けて、健全にブドウが育つ環境が整っており、自然派の造り手が多いのも特徴のひとつです。こちらのドメーヌも限りなく自然派に近いブドウ栽培、味わいは繊細で美しいスタイルを追及しています。

柑橘系果実、洋ナシ、白い花、蜂蜜などの香に、リースリングにも似た鉱物的なミネラル香、豊かな果実味にミネラル感が調和し、繊細な印象もあり、フレッシュな酸味とスパイシーな余韻がが心地よいです。南部でありながら、果実感がぼってりとした厚みだけを強調したものではなく、土壌を反映させたローヌのエレガントスタイルを表現しています。アルコール度 13.5°

使用品種:グルナッシュ・ブラン50%、クレレット15%、ブール・ブーラン15%、ヴィオニエ10%、ルーサンヌ10%

 

②<北ローヌ>ドメーヌ・レ・ブルイエール・ヴィオニエ 2012 ¥2,990

ヴィオニエの品種特性を把握するには、もってこいのアイテムでした。品種特性を素直に表現した味わいです。やはり、写真ではわかりにくいのですが、①、②ともに色づきは良いのですが、②のほうが若干濃い、輝きのあるグリーンイエローでした。ヴィオニエは芳香性に富んだ非常にボリューム感のある果実味が特徴です。

こちらも自然派の造り手。アプリコット、パイナップル、蜂蜜バターのような甘味のある濃厚な果実の香にフローラルな香が加わります。まろやかでコクのある果実味、豊かな果実味から想像するのと違い、はじめはアフターがしっかり辛口!で意表を突かれた感がありましたが、時間の経過とともに味わいもバランスが整ってきました。ジャスミンティのニアンスも感じられ、エキゾチックなニアンス、アルザスやドイツの主要品種ゲヴェルツトラミネールと共通項を感じました。またアフターに苦味を伴うのもヴィオニエによく感じられる特徴のように思います。アルコール度 14°

 

次は赤ワイン、

左から、

③、④が南ローヌのグルナッシュ主体のもの、⑤が北ローヌのシラーです。 写真でお分かりの様に、③、④と⑤の色合いがはっきり違いますよね、グルナッシュ主体の方が赤味を帯びていて、シラーは黒味を帯びた濃い色合いです。この色合いからも風味の果実感の違いが想像できるかと思います。 

グルナッシュは、赤いベリーを基調にしたジャミーなニアンス、フルーツキャンディを思わせるようなフルーツのいっぱい詰まったような凝縮感が特徴です。スペインでも収穫量の多い品種でガルナッチャと呼ばれ、近年その品質も向上し、注目度の高い品種のひとつでもあります。若干酸味が弱いとされ、補助品種とブレンドされるケースが多いです。

シラーは、色合いの濃さからもお分かりの様に、豊かな黒系ベリー主体の風味とスパイシー感が特徴です。グルナッシュにもスパイスのニアンスがありますが、微妙にその風味ガシラーと異なります。ほどよい酸味もあります。

③<南ローヌ>ドメーヌ・ド・ラ・ジャナス・コート・デュ・ローヌ・ルージュ 2011 ¥2,310

白で採用したドメーヌの赤バージョンです。やはりこちらも力強さの中にもエレガントさを兼ね備えたスタイルのワインです。杏、赤黒ベリー、チェリー、ヴァニラなどの香、煮詰めた果実のような甘酸っぱい果実風味に、ミネラルやスパイスのニアンスが味わを引き締め、洗練感をアップさせています。アルコール度 14°

使用品種:グルナッシュ50%、シラー20%、ムールヴェードル10%、ヴユーカリニャン15%、サンソー5%

 

④<南ローヌ>ラ・グラナッチャ・コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・シニャルグ V.V.2010 ¥1,940

ワイン名にある「V.V.」とは、古木の意味。樹齢50~100年のグルナッシュ90%と、樹齢40年のムールヴェードル10%使用。ワイン用ブドウは痩せた土地で栽培されるので、根が栄養分を吸い上げようと樹齢が増すごとに地中深く伸びていきます。樹齢の高いブドウには、深い地中から根が吸い上げたいろいろな成分が反映され、ワインがより風味豊かで深みのある味わいとなるわけです。

ヴィンテージは若いながら、やはり古木使用ということも影響しているでしょうか、フレッシュな果実風味にも落ち着きが感じられます。熟したベリー系の香の他、ミントやグリーンハーブ系の香、また樽由来のスモーキーなニアンスやタバコや枯れ葉のニアンスも感じられます。甘味、酸味、渋味のバランスがよく、③よりもパワフル感が感じられます。南ローヌ赤ワインの典型的なスタイルです。アルコール度 15.5°

 

⑤<北ローヌ>ドメーヌ・レ・ブルイエール・クローズ・エルミタージュ・ジュレ・クロワ 2011 ¥4,240

ローヌを代表するAOCワインのひとつです。ドライプラムやスパイス、コーヒー豆、インク、ハマキ、アニマル、甘草などの豊かで深い香、濃厚で目の詰まった果実風味と酸味のバランスがよく、タンニンも細やかでなめらかな口当たり、濃いけれどグラスが進むような味わい。 アルコール度 13° 使用品種:シラー100%

                       

今回は、じっくりと時間をかけてテイスティングができ、時間の経過による変化もしっかりと感じとれ勉強になりました。

アルコール度も高いものが多いのですが、バランスがよい味わいのため、アルコールの強さが突出せず、風味と馴染んでいました。

さて、このあとは、お楽しみ懇親会に入ります 今回は20回記念ということで、特別なワインもお出ししました

その模様は、次回ブログにてご報告いたしますね~                                                                                                                                                                                                                                 

  

 

 


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