★愛知県田原市・・・人口:64,184人、世帯数:22,001世帯
◆「家庭教育支援における訪問型アウトリーチ支援事業」について
①事業目的
家庭をめぐる環境が複雑化し、不登校・ひきこもり・ニートなどの社会生活を円滑に営む上で
困難を有する子ども・若者の問題は深刻な状況にある。
安心して家庭教育を行うことが出来るよう、サポートや支援をコーディネートし、ネットワークを形成して、
効果的かつ円滑に若者等を支援する。
②対象
40歳未満のひきこもり・不登校・ニートなど困難を有する若者とその家族
3家庭支援の連携・協働体制
子ども・若者支援地域協議会
構成員・・・田原市・田原市教育委員会・田原警察署・保護司会・更生保護女性会
高等学校・中学校・小学校・社会教育委員・PTA・民生委員・保健所
社会福祉協議会・地域コミュニティ連合会・青少年健全育成推進協議会
健康福祉部・子ども会連絡協議会・スポーツ少年団・青少年健全育成活動団体
④課題
・中学校を卒業した若者支援の場所が不足していた。
・市外の高等学校へ入学すると、支援が途切れてしまっていた。
・子どもだけでなく、家族への支援が必要な家庭が増加している。
・家族が高齢になり、長年ひきこもっている若者の就労支援が深刻化している。
・親子関係、生活困窮、障害、精神疾患など複合的に問題を抱えた若者が多く、
支援が困難化している。
⑤取組
・中学卒業後、支援が途切れないように学校との情報交換を行い、支援していく体制を構築。
・市内外の支援機関と連携し、総合的、包括的に支援していくネットワークを構築。
・情報収集やアセスメント(課題の分析と把握)を行ったうえで、ケース検討会や支援会議を
実施し、解決に向けての支援体制を構築。
・訪問型アウトリーチ家庭教育支援チームによる就労資料収集やハローワーク等への
誘導、案内など自立支援の実施。
・訪問型アウトリーチ家庭教育支援チームのスキルアップのための研修会を実施。
⑥相談実績
・アウトリーチ家庭教育支援チームのスキルアップのための研修会を実施。
「子ども・若者総合相談窓口」 週4日開設の相談 相談員2名
年間 相談件数:568件・相談人数:214人
年齢別では、15~19歳が、313件 合計568件
相談内容 ひきこもり:265件、学業・進路:175件、就労支援:152件、親子関係:124件など
⑦成果
・学業不振でひきこもりとなったケースでは、高等学校と連携し退学せず転学の支援を行うことが出来た。
・高等学校訪問によって、不登校やひきこもりの心配のある若者、家族への支援ネットワークが充実してきた。
・ひきこもりの子どもを抱えた子族の支援を丁寧に行うことで、家族が安定し、本人の意欲を引き出すことが出来た。
・長い期間ひきこもりのため、様々な問題が派生している場合、他機関と連携してひとつずつ問題を
解決することによって、就労支援に結びついた。
・市内外の支援機関との連携が不可欠なケースでは、それぞれの機関が強みを発揮し、
本人と家族を支援することができた。
・広報、チラシ、ユースアドバイザー講習会等のPRにより周知され始め、相談が増加した。
◆相談件数から対象者は、90人であるが、推計では400人以上とのことである。
◆20歳以上では、男性がはるかに多いとのこと。女性の場合、親が隠すそうである。
◆子どもの問題で、母親が自殺したケースもあるとのことでした。
◆親が高齢化し、問題が複雑化深刻化しているとのことです。
大変深刻な問題であり、視察報告が大変遅くなりました。