全国の65歳以上高齢者の孤独死数の推計(死後4日以上経過)を 15,603人(男 10,622人、女 4,981人)とした、2011年3月に株式会社ニッセイ基礎研究所が公表した「セルフ・ネグレクトと孤独死に関する調査研究報告書」があります。
三田市は、急激な高齢化を迎えるまちとして、避けて通る事のできない問題であり、現に昨年12月フラワータウン他で、お二人の高齢者がお亡くなりになってから4日以上経ってから、発見されたと聞き及びます。
◆超高齢化と少子化社会とは、
高齢化率の上昇と少子化により社会がゆがむ。
①社会秩序が崩れていく
②日本社会の経済成長に影
③社会保障の支え手がいなくなる
④労働力不足が深刻化する
⑤要介護者が増え介護離職者が多くなる
⑥少子化により個人主義が強くなる
◆圧倒的に男性が多い孤独死。
「孤独死」は社会全体の問題であるものの、とりわけ中高年男性にとってみれば、切実な課題なのかもしれない。
何十年、仕事ばかりに励み続け、ついに定年になったら熟年離婚。財産は、妻と分かち合って、多少残ったとしても、頻繁に多くの人々とのつながりを意識していないと、「孤独死」になりかねない。もちろん、死別やその他の要因で、独居生活となっても、状況としては同じであります。
◆要介護(支援者)高齢者は 500万人
・2010年度末時点での要介護認定者数が前年度より 22万人増え、506万人になった。
・65歳以上人口は、約3,000万人であるため、6人中一人は要介護(支援)高齢者である。
・介護保険制度を導入した2000年度の約2倍。
・第1号被保険者に占める要介護認定者の割合は、16,9%。
◆認知症の高齢者が昨年の時点で 300万人を超え、平成14年時点の149万人から10年間で2倍に増加している。 65歳以上の10人に1人が認知症を患っている。
このような状況にある現在、『見守り』についてしっかり考えなければならないと考えます。
◆『見守り』を『縁』というもので考えると、
①家族(独り暮らしの急増)
②地縁(近所付き合い)
③社縁(退職するとなくなる)
④友人(年齢を重ねると減る)
◆②地縁の課題
・自治会加入率の低下
・民政・児童委員さんの成り手の減少
・コミニティの再生の問題
・そして、「個人情報保護法」との問題
◆先進地事例
①東京都足立区
「孤立ゼロプロジェクト推進に関する条例」
高齢者の孤立化や孤独死を未然に防ぐため条例案を可決した。自治会などに対し、区が持つ高齢者情報の提供を可能とした。単身高齢者らの全世帯調査を進め、地域での見守り活動を強化することが目的。
具体的には、住民基本台帳を自治会や町会役員、民生委員らに、70歳以上の単身世帯と75歳いじょうの高齢者のみの世帯の住所、氏名、年齢、性別情報を提供する。
約3万3,500世帯が該当。
②千葉県松戸市
診療所における「あんしん電話」
③長野県がガイドライン策定に着手(2012年3月11日信濃毎日新聞)
などがあります。
三田市も先進地事例を参考に、積極的に取り組む事が必要であると考えます。