小春奈日和

赤ちゃんは、人間は、どのように言葉を獲得するの?
わが家の3女春奈と言葉の成長日記です。

サイン談義

2016年08月19日 00時57分53秒 | 日記
2013年4月12日(金)(5歳0か月)
 
 
 そう言えば最近サインをしたことがないなあ。
 
 ここで言うサインとは、芸能人やスポーツ選手が色紙などに書く、
名前を知っていても何て書いてあるのか読めない、あのサインの
ことだ。
 
 なんてことを言うと、「芸能人でもスポーツ選手でもない一般人が
サインなんて持ってるわけないやろ」と言われてしまうかもしれない
けど、いやいや、そんなことないよ?
 
 ただ、そうは言っても日本人の場合サインを書く機会なんて皆無
なのもまた事実だと思う。
 
 だから、芸能人やスポーツ選手以外なら大半の人がサインを
持っていない。
 
 じゃあ、僕らがどんな時にサインを書くのかというと、契約の時で
ある。
 
 たとえば、海外に旅行に行こう、と思ったとする。
 
 旅行会社のパックを利用するのではなく個人旅行である。
 
 まず宿泊するホテルを予約する。(個人旅行の場合、宿泊する
ホテルを決めていないと入国を拒否される場合があるから。もっとも
日本人は信用があるのか、実在のホテルの名前を口に出せば予約
していなくても確認も取らずに通してもらえたりもするけどね)
 
 最近はネットで予約できるけど、ほんの少し前まではファックスが
幅を利かせていたので、何月何日に宿泊したい、とホテルにファッ
クスを送る。
 
 すると、ホテルから「その日なら空き部屋があるよ」とファックスが
返っている。
 
 で、あらためて「予約します」とファックスを送り直す。(これは鉄則。
最初のファックスはあくまで「問い合わせ」と取られるため、あらためて
申し込む必要がある)
 
 それで、このファックスのやり取りで、ホテルの人も、申し込むお客も
それぞれ自分の名前を書いて、その横にサインを書くのである。
 
 僕の場合もサインを書くのはこのようにホテルの予約をする時とか
だった。
 
 
 僕がさっき「日本人の場合サインを書く機会なんて皆無」と言ったのは、
実際のところ日本人が個人で外国の会社などと取引をすることがない
からだ。
 
 今例に出したホテルの予約だって旅行会社が販売するツアーに申し
込む人がほとんどなので自分でやる必要はない。
 
 
 おもしろいのはサインもまた文字であるということだ。
 
 文字とは相手に伝えるものであり、また相手の言葉を読むために存在
する。
 
 そのためには誰もが書けて誰もが読めることが絶対条件になる。
 
 ところがサインは本人しか書けないし読むのも難解だ。
 
 文字が本来持っている機能と真逆なのである。
 
 もちろん契約書の偽造を防ぐために存在するからなのだけども。
 
 だけども、契約書という重要書類に世界でひとりだけが持つ文字が
使われる、というところが何とも言えない面白味を感じてしまう。