そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

いつか眠りにつく前に

2008年11月30日 | ラブロマンス/青春

2007年 アメリカ/ドイツ 117分
■原題「EVENING」
■2008.11.28 DVD
■監督 ラホス・コルタイ
■出演
   クレア・デインズ(アン・グラント)
   トニ・コレット(ニナ)
   ヴァネッサ・レッドグレーヴ(アン・ロード)
   パトリック・ウィルソン(ハリス・アーデン)
   ヒュー・ダンシー(バディ・ウィッテンボーン)
   ナターシャ・リチャードソン(コンスタンス)
   メイミー・ガマー(ライラ・ウィッテンボーン)
   アイリーン・アトキンス(夜勤看護師)
   エボン・モス=バクラック(リュック)
   バリー・ボストウィック(ウィッテンボーン氏)
   メリル・ストリープ(ライラ)  グレン・クローズ(ウィッテンボーン夫人)

 《story》

「すべての女性の人生が、美しい一瞬を持っている」
「死の床にある母が語った物語は、娘達が知らない40年前の愛の記憶」


思い病気にかかり、死を前にしたアン。長女のコンスタンスと次女のニナは、母の混濁した意識の中から、今まで聞いたことのない「ハリス」という名を耳にする。それは、アンがだれにも話したことのない40年前の日にさかのぼる。歌手としての夢を追って暮らしていた頃、親友のライラの結婚式で歌ってほしいと言われ、故郷に戻った。ライラの弟のバディに迎えられ、ハリスを紹介される。ライラはハリスに思いを寄せていたが、ハリスの心はライラになく、愛される道を選ぶことを決意する。リハーサル・ディナーの夜、アンとハリスはふときっかけで口づけをかわす。しかし、それは二人の心に永遠の明かりを灯した。結婚式の夜、以前からアンに思いを寄せていたバディは、二人切りになった夜、その想いを告げる。しかし、アンは、友人としか思っていないことを伝え、バディをなぐさめる。その夜、アンとハリスは、森の中の小屋で一夜を供にする。同じ頃、自暴自棄となったバディが酔って車に跳ねられる。バディは死に、アンとハリスは別れ別れとなる。あれから40年、死の床にあるアンの元にライラが訪ねる。

 一人の人間として

思い出されるのは、かつて愛した人。それは青春の真っ只中であり、燃えるような情熱が残した強く深い残像。決して今の夫を愛していないわけでない。でも、きっとあの頃のことが一番心に濃く刻まれているのだ。だれもが体験するであろう青春の日々。それは死を前にして、その人間の心の湧き出る泉のようなもの。だれもそれを止めることはできない。そして止める必要もない。でも・・・自分たちの父親以外の名前が、母親から出てきたとしたら・・・姉妹とも父親がちがうのだから、それほど気にはならないのかもしれない。ただ知らなかったことが、姉妹の不安をかりたてたのだろう。でも、日本ではないからか、それとも私が古いのか、そばにいる者として、知らない人の名前がでることを素直に受け止めることができるだろうか。人を愛すること、家族を作ること、家族と生活すること、人と生きること、どれもそう簡単には進んでくれない。いくつもいくつも登ったり下ったり、曲がったり、ときには立ち止まったり、ちがう道を進んだり、人生はだれもが楽しいばかりではない。一人の人間として、死を前にして、私は何を思い出すのだろう。

 公式サイト「いつか眠りにつく前に」

 大学の下宿。ある友達の下宿も、農家の一室だった。部屋に入ると、真ん中に布団が敷いてあった。その周りに脱いだ服やズボン、炊飯器、茶碗、本、雑誌など様々なものが置いてあった。それは座る場所がないくらいだった。その友人は昔の日本男児のような雰囲気をまき散らし、日本刀でも振り回すのではないかという怖さもあたった。愛国心いっぱい、天皇賛美、今まで出会ったことのない種類の人間だった。何度か付き合ったあと、姿が見えなくなった。また、ある友人は、昔マンガで読んだ「おぼっちゃまくん」のような人だった。ついついからかいたくなるキャラで、議論と称してつまらないことを言って困らせてしまった。パニックになりかけた。悪いことをした。また、1年目の下宿の隣にいた先輩は、何とか言う宗教の信者だった。坊主頭の先輩、身の回りの世話をしている女性の先輩、同級生の男子2人と知り合った。みんな人はいい。あったかい人たちだった。町の案内もしてくれた。さまざまな相談ものってくれた。誘われて集会にも行った。校内で開かれる講演会の手伝いもさせられた。本当にいい人たちだった。でも、天皇賛美、宗教にはこりごりしてただけに、その場から早く立ち去りたかった。1年で下宿を変わったのもそのためもあった。今なら、もっとちがった付き合い方ができたかもしれない。もっとちがった方法で、人との関係を作ることができたかもしれない。いやいや、あの当時と今も、私は変わっていないのかも。

テラビシアにかける橋

2008年11月30日 | ファンタジー/アドベンチャー

2007年 アメリカ 95分
■原題「BRIDGE TO TERABITHIA」
■2008.11.24 DVD
■監督 ガボア・クスポ
■出演
   ジョシュ・ハッチャーソン(ジェス・アーロンズ)
   アンナソフィア・ロブ(レスリー・バーク)
   ズーイー・デシャネル(エドマンズ先生)
   ロバート・パトリック(ジャック・アーロンズ)
   ベイリー・マディソン(メイベル・アーロンズ)
   ケイト・バトラー(メリー・アーロンズ)
   デヴォン・ウッド(ブレンダ・アーロンズ)
   エマ・フェントン(エリー・アーロンズ)
   グレイス・ブラニガン(ジョイス・アーロンズ)
   レイサム・ゲインズ(ビル・バーク)

 《story》

「この橋を渡れば、またきみに会える」
「目を閉じて、心の扉を開いて」
「空想の王国(テラビシア)で、僕たちはかけがえのない時間を過ごした」


ある田舎町の11才の少年ジェスは、女の子の姉妹の中で、スニーカーも買ってもらえず、姉のお古を使わざるをえない生活だった。学校ではいじめられ、両親も自分をわかってくれず、慕ってついてくる妹も鬱陶しかった。ある日、隣に引っ越してきたレスリーに、かけっこで一等を奪われる。レスリーは、誰にも媚びることなく、自分の信念で行動していた。ジェフは、そんな彼女に惹かれていった。二人は、裏山の川にかかるロープで、その小川を超え、森深く入っていった。そこで、空想の王国を作りあげていた。灰色だったジェフの生活が、レスリーとともに明るくなっていった。休日、ジェフの絵画の才能を感じていた音楽教師に美術館に誘われ、レスリーのことを気にしながらもジェフは出かけていく。帰宅したジェフに、レスリーが小川に落ちて亡くなった知らせが届く。

 死で終わるのは・・・

確かにかけがえのない時間だと思う。ジェフの生活が一変した。きっとレスリーの生活もそうだと思う。ここに引っ越してくるまでのレスリーも、友達のいない仲間はずれの女の子。この森が二人を変えた。二人の波長があった。空想の世界は、ただそこにあるだけでなく、心地よい戦いを体験させてくれた。それは、今までの投げやりな自分との戦いでもあったのかもしれない。苦しい戦いではなく、レスリーとともに力を合わせるわくわくするような冒険だ。しかし、この二人で築いた空想の物語が、「死」で終わるのは何とも悲しい。ジェフにとっては、今までいつの間にか二人で身につけた成長を、今度は自分一人で試す時間。それは、妹との体験、守るべき人との空想の体験に変わっていった。ジェフにとっては、レスリーの死は乗り越えなければならない試練であり、新しい物語を作るスタートとなった。でも、レスリーにとっては、ただの死。それは悲しくつらいだけ。二人でもっとこの森で楽しく遊びたかったろうに。「死」はあくまでも「死」でしかなく、それが人生の苦難であれば、それはジェフだけに言えることで、レスリーにとっては人生の終わりに過ぎない。

 公式サイト「テラビシアにかける橋」

 「死」それは必ず身近にやってくるものである。ここ数年間はその影を感じない。感じてはいないけど、いつもそばにある。できれば見たくない。いつまでも影のままで、表には出てこないでほしい。東京にいる息子のことも心配だし、バイクに乗る息子のことも、妻や親や、さまざま人の死が目の前にこないでほしいと、いつも願っている。それらの死が来るのなら、それよりも自分の死が早くくればいいとさえ思っている。映画を見ていても、「死」の場面は敏感に感じてしまう。映画の中で、あの人はこのあと死ぬんだなとわかっていても、やっぱり涙が出てしまう。同じ場面を何度見ても同じ。これは年を取ったからなのかも。涙腺がゆるんでいるのだろう。できるだけ、たとえ映画の中でも簡単に人を殺さないでほしい。意味不明な考察になってしまった。

ハッピーフライト

2008年11月30日 | コメディ
 
2008年 日本 103分
2008.11.24 TOHOシネマズ緑井
■監督 矢口史靖
■出演
   田辺誠一(鈴木和博)  時任三郎(原田典嘉)
   綾瀬はるか(斎藤悦子)  吹石一恵(田中真里)
   田畑智子(木村菜採)  寺島しのぶ(山崎麗子)
   岸部一徳(高橋昌治)

 《story》

「ヒコーキ、飛ばします」

たくさんの人が出入りし関わっている空港。ある日のホノルル行きの便もそうだった。機長の昇格テストを受ける鈴木、教官の原田。初めての国際便となる斉藤、チーフの山崎、グランドスタッフ、管制塔、整備士、バードパトロールなど。安全な快適な飛行を目指して人々は働いていた。しかし、整備の工具が一つ行方不明。空港内ではかばんの取り違え。キャビン内では、飲みのを取り違えた、りデザートがなくなってその場で作ったり。そして鳥の衝突により器機の損傷。引き返すことになったが、台風が近づいていた。管制塔では、風の向きと強さを考え、着陸場所と時間の計算。模擬訓練では、飛行機を墜落させた鈴木の腕に、乗客の命は預けられた。

 ほのぼのしている映画がいいよね

月曜日のメンズデー1000円。前の日にインターネットでチケット予約をしていてよかった。カウンター前では長蛇の列。ロビーをはみ出てエレベーターの近くまで並んでいた。私は、そばのチケット発券機ですぐにチケットを手に入れ、椅子で一休み。毎日ストレスを抱え、潰れそうになれながらも働いている人にとって、こんまほのぼのとして、楽しく笑える映画は最高だ。ギスギスしていた心があったかくなって、どんと構える強さと、今まで受け入れられなかったものを正面から軽く受け取る勇気と優しさが、いつの間にか自分に安心をもたらせてくれる。みんな一生懸命に働いている。命に関わる仕事だけど、緊張も大事だけど、心にゆとりのない業務は、反対に大きな失敗を招き、失敗に対処できなくなる。多少の失敗は多めに見て、「こんなときは、ははは、って笑おう」

 公式サイト「ハッピーフライト」

 小心者の私は、飛行機は苦手だ。じゃあ乗りたくないかと言えばそうではない。乗りたい。でも怖い。今までそんなに乗ったことはない。大昔ニュージーランドに行った。夜出発、朝着いた。向こうでも飛行機で移動。プロペラ機にも乗った。雨が降っていて、上下に大きく揺れた。セスナにも乗った。氷河の上に着陸した。最近では数年前に沖縄に行った。慣れればこわくないのかもしれない。たまに乗るからこわいのだろう。怖いけど、飛行機の旅をしたいものだ。今はそんな余裕はないけど。