そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

となり町戦争

2008年11月22日 | ラブロマンス/青春


2006年 日本 114分
■2008.11.15 DVD
■監督 渡辺謙作
■出演
   江口洋介(北原修路)  原田知世(香西瑞希)
   瑛太(智希)  菅田俊(舞坂町-町長)
   飯田孝男(前田善朗)  小林麻子(本田)
   余貴美子(室園絹)  岩松了(田尻)

 《story》

「今、一線を越える」
「町対町、役所対役所、上司対部下、そして男と女」


舞坂町のツーリストに勤める北原は、町内で発行されている広報誌をふと見る。そこには、隣町の森見町との戦争告示の記事が小さくあった。戦争開始予定日、戦争終了予定日まで書いてあった。北原がいつも通う舞阪町への通勤路。戦争開始日が過ぎても変化はない。ある時、森見町役場の香坂という女性から電話が入る。偵察業務依頼だった。辞令を受け、毎日舞阪町の様子を報告する。そして、香坂さんと夫婦となって舞阪町への潜入捜査業務を行うことになる。香坂さんは、まるでロボットのように仕事をこなす。町は相変わらず変化はないが、広報誌での死亡者数は増えている。本当に戦争は行われているのか。香坂さんから緊急の連絡が入り、舞阪町を脱出することになる。下水路を通るが、そこには死体が・・山道で襲いかかる、敵の兵士となった会社の上司。そして、案内役をしてくれた香坂さんの弟の死・・。無事脱出ができ戦争は終わった。業務にもどろうとする香坂さん。北原は呼び止める。

 うーん、本の方がいい

これは本を先に読んだ。自分の頭の中だけでイメージを作るから、平和な町の隠れた戦争場面がリアルに描けたが、映画は他人が作り出したイメージ。違和感があった。私の受け取り方がおかしいのかもしれない。戦争のリアルさを追求しているのではなく、それをまともに遂行することのおかしさなのかもしれない。えーっ、戦争? と思うことのまともさ、いつもはおもしろい上司でありながら、戦争で狂気に殺人者に変身することの異常さ、そして一般市民の無関心さがそこに描かれているのだ。何も考えず、言われたことをこなすだけのロボット人間の感情のなさ、というより感情を出してはいけない、隠さなければならない、悲しさ。そして感情を出せなくなった悲しさがある。「戦争? おかしいよ」という呼びかけに、「そうだよね」って答えられる、感情を素直に表現できることの素晴らしさ、それは愛することに通じる。

4畳半の下宿。月1万円。共同の流し。共同のくみ取り便所。風呂は大家さんのところで入れてもらう。もちろん昼に入ることはできないし、夜遅くなるとだめ。9時頃に行くと湯が少なくきたない。五右衛門風呂で、当たりは暗くて不気味。洗濯は、外に老いてある洗濯機でする。干すところは外にあるが、共同なので使い勝手がよくない。だから部屋の中に干す。押入に小型の冷蔵庫。ビールのケースで作ったベッド。小学校から使っている机。バイトで買った大型のスピーカーにアンプ、カセットデッキ。14型の小型のテレビ。田舎なのでチャンネルは4つ。NHK総合と教育、民放が2つ。この部屋で2年間、階段を上った左手の汚い部屋で1年間暮らした。遠くの町の田舎、大学生活下宿。

 公式サイト「となり町戦争」


悲しき恋歌

2008年11月22日 | その他

■2005年 韓国ドラマ MBC
■2008.11.10 with r
■出演
   クォン・サンウ(ソ・ジュンヨン/チェ・ジュンギュ)
   キム・ヒソン( パク・ヘイン)
   ヨン・ジョンフン(イ・ゴンウ)
   キム・ヨンジュ(チャ・ファジョン)
   ホン・ソクチョン(チャーリー)
   チン・ヒギョン(イ・ミスク=オードリー)

 《story》  

第1話 悲しき出会い
第2話 引き裂かれた愛
第3話 運命のライバル
第4話 はかなき再会
第5話 母との決別
第6話 運命の出会い
第7話 ファジョンの策略
第8話 絶望のへイン
第9話 悲しき献身・・・
第10話 愛と友情のはざま
第11話 もう一度会えたら・・・
第12話 こぼれる想い
第13話 涙の決心
第14話 忍びよる罠
第15話 明かされた真実
第16話 ゴンウの豹変
第17話 命つきても
第18話 希望への闘い
第19話 新たなる友情
第20話 悲しき恋歌

ジュンヨンは、アメリカ街で水商売をしているソ・ヒャンジャの10才の一人息子。ある日、その店に盲目の10才のヘインと叔母が働きにやってきた。ジュンヨンとヘインは秘密の小屋で歌を作るなど、愛し合うようになった。しかし、高校生になったとき、ヘインたちは店を追い出されてしまう。反抗的になったジュンヨンも、別れた父の元にジュンギュと名前を変えて行かされる。そこで親友でありいつかライバルとなるゴンウと出会う。ジュンギュはヘインと再会するが、叔母の結婚のためアメリカに渡ることになる。しかし、叔母の結婚相手は変貌し、二人は路頭に迷う。そこで出会ったのが、留学をしていたゴンウだった。ヘインとジュンギュの続いていた手紙が、ファジョンも企みで途絶える。しかも、ヘインにジュンギュは死んだとペンダントを送りつける。悲しみのヘインは交通事故で入院し、自殺を図ろうとするがゴンウに助けられる。数年後、ゴンウが彼女を連れて戻る。ジュンギュは驚く。その彼女は探し求めていたヘインだった。目の手術で見えるようになったヘインは、ジュンギュに気づかない。ゴンウとヘイン、そしてジュンギュの悲しい関係が始まる。

 なぜ引き込まれてしまうのだろう

1話の冒頭では、暴力シーンが突然始まり、おもしろくなさそうという雰囲気だった。いつもの子ども時代の不遇。そして別れ。2話まで見てそのまま間だがあいた。3話を見て続けて見るかどうか決めようと思った。しかし、そこからがおもしろかった。毎度おなじみのパターンなんだけど見てしまう。子ども時代の不遇から、別れ、病気、三角関係四画関係、意地悪をする身近な人物。そして難関を乗り越え結ばれのだが、死が永遠の別れを。
今回のクォン・サンウの演技がいい。じっとがまんの切なさがにじみ出てくる。雪合戦の後の、涙をこらえるシーンは、いかにもわざとらしくは見えるけど、どれだけヘインを思っているかが伝わってきて、胸が熱くなる。キム・ヒソンやその子ども役の目が見えないときの演技もいい。単純なのかもしれないけど、同じパターンでも、こんなドラマにはまってしまう。それでもいいと思う。

朝は吐き気、腹痛、頭痛・・・しんどい1週間。職場に行けば、物事は前進する。だれかの手助けがあるのかもしれないけど、それなりに達成感がある。でも、気持ちが嫌がる。縮こまる。これは・・・。
テレビで続always 3丁目の夕日を見た。ちょっとだけと思っていたのに全部見た。韓国映画と似ているのかも。単純でわかりやすい。みんな善人なんだ。世の中そんなに甘くないよと言うけど、求めているのはみんな善人。悪いことをしている人も、悪口を言う人も、本当はいい人なんだと思いたい。思いたいけど、裏切られるのが怖い。余計な心配かもしれないけど、茶川一家は、これから幸せに暮らしていけるだろうか。小説は売れるだろうか。淳之介は反抗することなく二人の接着剤になれるだろうか。ヒロミは貧乏な生活に耐えられるだろうか。未来はどうであれ、今この瞬間、これが幸せだと思えることが大切なのかもしれない。未来はどうなるかわからない。どうなるかわからない未来を心配して、今は不安に生きたって仕方ないんだ。あの夕日をみている姿ここそ、幸せな今。そして明日につながる今。

転々

2008年11月17日 | 人間/社会派ドラマ


2007年 日本 101分
■2008.11.9 DVD
■監督 三木聡
■出演
   オダギリジョー(竹村文哉)  
   小泉今日子(麻紀子)  吉高由里子(ふふみ)
   岩松了(国松)  ふせえり(仙台)  松重豊(友部)
    広田レオナ(鏑木)  津村鷹志(時計屋の主人)
   宮田早苗(福原の妻)  石井苗子(多賀子)
   横山あきお(石膏仮面)  平岩紙(尚美)
   ブラボー小松(ギターマン)
   末広ゆい(募金を呼びかける女子高生)
   渡辺かな子(募金を呼びかける女子高生)
   並木幹雄(助監督)
   明日香まゆ美(植物園のおばさん)  福島一樹(少年文哉)
   村崎真彩(少女尚美)  麻生久美子(三日月しずか)
   笹野高史(畳屋のオヤジ)  鷲尾真知子(愛玉子店のおばさん)
   石原良純(愛玉子店の息子)  才藤了介(駅員)  風見章子(お婆さん)
   岸部一徳(岸部一徳)  三浦友和(福原愛一郎)

 《story》

「歩けばわかる、やさしくなれる」

文哉は幼いとき両親に捨てられ、育ての親は刑務所、今は一人暮らしの大学8年生。84万円の借金の返済があと3日と迫っていたとき、借金取りの福原から、借金をチャラにする方法を提案される。それは、福原と一緒に吉祥寺から霞ヶ関まで歩くこと。仕方なく文哉は歩くことに。福原は、妻を殺してしまい、思い出をたどりながら、霞ヶ関に着いたら自主するという。二人は、福原の知り合いの麻紀子のところに寄る。福原と麻紀子は偽装夫婦の役をしたことがあり、麻紀子の姪と文哉と4人の偽装家族が誕生する。福原は文哉にとってただの借金取りではなくなりつつあった。

 ただでも歩くっていいことかも

車に乗って通り過ぎるだけなら見えないことも、ふっと目にとまり心に染みる。心に染みて心がしっとりすることが少なくなってきているようだ。自分の欲求を満たすことだけで1日が過ぎていき、人との関わりの中で町が作られ、つながっていることを忘れてしまっている。町にも人にも、さまざまな顔がある。ただ流れすぎて見える顔だけがすべてではない。裏にまわってじっくり見れば、そこには父親の顔があった。ただ歩く。でも、それはひとりじゃないよね。福原が文哉を誘ったのも、一人で歩いても、見えるものは限られていることを知っているから。語る人、それを聞く人、相づちをうつ人、ちがう意見や体験を語る人・・・話しながら歩くから、さまざまな面が見える。一人じゃ見えないし寂しいよね。文哉は、福原が出所してくるのを待つかな。

今日は、まだ生きているよなあって感じる日かな。朝から胃が痛むから薬を飲む。100万円もってどこかに行くとしたら、きっと一人で。車の中で寝るかな。だまって観光地を巡るかな。紅葉も見たいな。カメラを持って山道を歩くかな。撮った写真はどうしよう。だれも見ないから削除するかな。どこかの温泉でのんびり湯につかるかな。だれか声をかけてくれるかな。それとも自分からかけてみるかな。どんな話をしようか。景気の話・・。映画の話・・。明日は早く起きて散歩でもしてみるかな。

 公式サイト「転々」


休暇

2008年11月16日 | 人間/社会派ドラマ


2007年 日本 115分
2008.11.9 サロンシネマ1
■監督 門井肇
■出演
   小林薫(平井透=刑務官・看守部長)
   西島秀俊(金田真一=死刑囚)
   大塚寧々(美香=平井の妻)
   大杉漣(三島達郎=刑務官・副看守長)
   柏原収史(大塚敬太=新人刑務官・看守)
   菅田俊(坂本富美男=刑務官・副看守長)
   利重剛(池内大介=処遇部長・執行指揮者)
   谷本一(古木泰三=刑務官・副看守長)
   宇都秀星(達哉=美香の息子)
   今宿麻美(久美=金田の妹)
   滝沢涼子(南雅子=ブライダル・アドバイザー)  榊英雄(教誨師)
   りりィ(美佐子=平井の姉)

 《story》

「生きることにした。人の命とひきかえに。」

刑務官の平井は、子連れの女との結婚を控えていた。彼は有給休暇を使い果たし、新婚旅行に行けないでいた。彼の勤める刑務所に、死刑囚金田が収容されていた。金田の死刑執行が決定し、その任務分担希望が言い渡された。執行補佐をかってでれば1週間の休暇がもらえる。平井はその任務に立候補する。だれもが敬遠する仕事で、休暇ほしさに立候補した平井にみな白い目でみた。負い目をもつ平井は、旅行先でも心落ち尽きなく、連れ子の達哉ともすれちがう。仕事とはいえ、他人の命を奪ってもらった休暇で、幸せは得られるのだろうか。

  だれかがやらないといけない仕事

仕事以前に、まさに合法的に人を殺す、言い換えれば殺人の手助け。「死刑」だと言うのは簡単だけど、それを実際に行う立場では、そう簡単にできるきものではない。たとえ自分の肉親が殺され、その犯人を自分の手で殺してもいいよと言われても、手を下すことはできない気がする。できたとしても、きっと人を殺したことの重みがずっと心の片隅にいすわり続けるのだ。
けれども、死刑制度がある以上、だれかがそれを行うのだ。補佐役も、立候補するか割り当てられるかの違いだ。休暇ほしさに立候補をかってでること。幸せな時間ほしさに苦痛をかってでること。体を押さえる仕事も、ボタンを押す仕事も、入り口に立つ仕事も、何のちがいもない。だれもが、人を殺ししたのだと自分を責める。立候補することがいけないことなのか、わからない。

殺人事件の推理本を読むたびに思う。自分は人を殺せるだろうか。見つからないように、遺体をバラバラにできるだろうか。その後も平気で生活できるだろうか。衝動で人を殺す。車で人を跳ねる。それを隠すこと、そこから逃げること。私はどんな行動を取るだろうか。

 公式サイト「休暇」


オトシモノ

2008年11月16日 | ホラー

2006年 日本 94分
■2008.11.8 DVD
■監督 古澤健
■出演
   沢尻エリカ(木村奈々)  若槻千夏(藤田香苗)
   小栗旬(久我俊一)   浅田美代子(木村靖子)
   杉本彩

 《story》

「拾ってはいけない」
「消えていく。家族が、友だちが、恋人が、
              みんなはどこ・・・・・」

小学生の孝は、駅のホームで定期券を拾う。その後、奈々たちと出会ったあと、行方不明になってしまう。その後、今度は奈々の妹の範子が定期券を拾い、駅で孝を見たと携帯で奈々に知らせたあと行方不明になる。孝の家では、錯乱した母親の姿があった。一方、電車の運転手の久我は、トンネルの中で人が倒れているのを目撃し、列車を急停車する。しかし、そこには何もなかった。そんなことが何度もあり、落とし物係に回されてしまう。奈々と同じクラスの香苗のボーイフレンドは「やえこに気をつけろ」と言い残し、列車事故で亡くなった。彼を殺したと噂された香苗は奈々に励まされ親しくなる。二人は、真相を探るべく、落とし物係を訪ね、何度も書類に記入のある「やえこ」を見つける。香苗も行方不明となり、奈々と久我は、事故が多発しているトンネルに向かう。そこで見たものは・・・。

 意味がようわからんかった

行方不明になった人間が、またひょっこり出てくるのがようわからんかった。あの「やえこ」も、孝の母親の豹変も、何だか映画全体が素人っぽい感じがした。人が行方不明になったり死んでいるのに、世間が騒がないという違和感のある映画だ。世間と離れると異質になる。世間と交錯しながら進むホラーは、身近に感じるのではないだろうか。これは外れだった。奈々の沢尻が、苦労人に見えない。

私はよく写真を撮るけど、自分の写真を見るのはいやだ。鏡を見るのもいやだ。何て不細工なんだろうと悲しくなるし、自信のなさが大きく出てくるから。パソコンに入っている何年分かの写真には、ほとんど自分の写真はない。今、死んだら、遺影はどんな写真になるのだろうか。現在のひどい写真より、数年まえの少し若い写真ならいいかな。葬儀の話になるけど、密葬か何もしなくてもいい。「え、死んだん」で、通り過ぎてしまえばいい。影は影のまま・・注目されたくはないので、人に集まってほしくない。後でそうだったんだと軽く知ればいい。無になればそれでいい。忘れて欲しい。


 公式サイト「オトシモノ」

青空のルーレット

2008年11月15日 | ラブロマンス/青春

2007年 日本 103分
■2008.11.7 DVD
■監督 西谷真一
■出演
   塩谷瞬(福山タツオ)  貫地谷しほり(栗田加奈子)      
   嶋尾康史(萩原 聡)  忍成修吾(進藤勇介)
   脇知弘(工藤孝之)  川村陽介(中村一馬)
   市山貴章(店長)  木村啓介(山岸)
   松木秀樹(現場監督)  新大作(三浦純也)
   山本義夫(北条明弘)  中島薫(社長)
   福原忍(阪神タイガース選手)
   安藤優也(阪神タイガース選手)
   中島知子(シルビア)  高岡蒼甫(岸野太郎)
   平田満(奥田典之)  鈴木砂羽(萩原恵子)  
   仲村トオル(織田 昇)  石田えり(高峰 麗)  近藤芳正(北村高広)  
   遠藤憲一(高井誠一)  村田雄浩(宮口精三)  

 《story》

「金はないけど、夢はある」

ビルの清掃会社で働く彼らには夢があった。40才になる萩原は、仕事の合間に小説を書き応募していた。タツオと勇介は、仕事が終わると、キャバレーでバンド演奏を続けていた。デモテープで売り込んでもなかなか認めてもらえないけど、好きなバンド練習を地道に続け、ある日公園で野外コンサートも開いた。ほとんどお客はいなかったけど、耳の聞こえない加奈子が彼らの音楽に聴き惚れ、タツヤと親しくなった。二人のほのぼのとした交際が始まった。一馬はホステスのシルビアに一目惚れ。いつか彼女に認めてもらおうと必死だ。しかし、荻原、工藤と3人で組んだ作業中、一馬は転落事故で怪我をする。日頃、彼らをよく思っていない上司の奥田は、荻原らを責める。あまりの奥田の言葉に切れた萩原は、彼を殴ってしまう。首になった萩原に、清掃会社を立ち上げる話が舞い込んでくる。借金をしながらも準備を整え、大きな仕事で初日を迎える。しかし、来るはずの作業員が来ない。萩原をよく思っていなかった奥田の策略だった。落胆する萩原の前にタツヤがやってくる。作業場のビルを見ると、多くの仲間が駆けつけていた。 

 汚いことする人こそ

本当に心の底から夢を追う人は、曲がったことがいやだ。ずるをして夢を叶えたくないと思う。ずるをして夢が叶ってもうれしくない。夢って、一生懸命になって、素直な心で努力するところに大きな価値があるのだと思う。叶えることよりも、そこに向かう過程が大事なんだと思う。あの憎たらしい上司は、えらぶっているけど、夢を純粋に追いかける人に嫉妬しているだけだ。他人を陥れようなんて、人間のくずだ。萩原さんのために、かけつけた仲間たちの姿が、夢を追いかける者たちの心のつながりなんだ。原作を前に読んだ。読んでもすぐに忘れるほうだから、きっと覚えていないのかもしれないけど、耳が聞こえない女の子いたかなあ。

夢・・・私の夢って何だろうか。子どもの頃に抱いていた夢は・・・ウルトラセブンになること。私の夢は形のないふわふわしたもの。人のために尽くせたらと思うこともあるし、お金持ちになって贅沢したいと思うこともある。音楽ができるわけでもなく、スポーツで得意なものがあるわけでもなく、絵も文も、何の才能もない。しいていうなら、だれにも迷惑をかけないようにひっそりと生きることかな。影の薄い人。悪いことだけはしないでよ。

 公式サイト「青空のルーレット」

青の炎

2008年11月09日 | 人間/社会派ドラマ

2003年 日本 116分
■2008.11.3 DVD
■監督 蜷川幸雄
■出演
   二宮和也(櫛森秀一)  松浦亜弥(福原紀子)
   鈴木杏(櫛森遥香)  秋吉久美子(櫛森友子)
   中村梅雀(山本英司)  山本寛斎(曾根隆司)

 《story》

「こんなにも切ない殺人者が、かつていただろうか」
「17才の少年が望んだものは、
     平凡な家庭とありふれた愛。しかし、
         現実はそれさえ許さなかった。」


17才の秀一は、母と妹の3人暮らし。そこに、母が一度は再婚し、すぐに離婚した男が再び転がり込んできた。男は働くことなく、酒を飲んでは部屋に居座る。平和な家庭が崩れていく。母だけでなく、妹にも手を出そうとする。秀一は男を殺す決心をする。さまざまな医学書を読み、感電させて心臓発作で殺した。秀一を疑っていた刑事に、紀子は嘘をつき助ける。学校を抜け出したところを見ていた、不登校の友人が強請ってきた。コンビニ強盗に見せかけ、友人をも殺す。紀子は、追い込まれていく秀一を助けようとするが・・・。


 切なさが足りないよ

自分が鈍感なのか、仕方なく殺人に手を染めていく切なさを、あまり感じないのだけど。けっこう計画的に淡々と殺人をすすめているよな印象が強い。最初の殺人は衝動的に・・・そして隠蔽を緻密に。そして幸せになった家庭を守るために、さらなる殺人は冷酷に・・・笑顔の家族と対比的に・・・。キャッチフレーズには惹かれるのだけど、そのイメージが伴わない感じだ。きっと最後は自殺だなとだれもが思うのに、それを思わない刑事もおかしいよね。知っていてそう向けるとしたら。刑事のマウンテンバイクを買って練習する姿はいったい何なのか。彼の気持ちを探ろうとしているのか、それとも単なる気まぐれか。切なさは、怒りだけでなく、涙が止めどなくあふれる心のような気がする。しばらくして本を読もうと思う。活字と映像とどれくらい違うだろうか。

17才の自分は、あの頃何をしていただろうか。高校2年生。今と同じ写真が好きで、いろいろ撮っていたよな。カメラは親だのみ。バイトなんてできないから、小遣いで機材をいろいろそろえたなあ。白黒写真の焼き付け道具だ。今も押入に入っている。学校の暗室や家の部屋を真っ暗にして、フィルム現像から印画紙に写真を焼き付けていた。好きなことをしていちゃのだろう。科学系のクラブでキャンプにも行った。写真、昆虫採集、ほとんど遊びだけど。楽しかったと。全然上手じゃないけど、今もデジタルカメラで写真は撮っている。キャンプは行かなくなったなあ。行きたいのだけど、その時間も気力も、その条件も整わない。何とかしたいけど、時間ばかり経っていく。あの頃、殺人なんて考えなかっただけ、自分は幸せだのだろう。鈍感だったのかもしれないけどね。

まぼろしの邪馬台国

2008年11月08日 | 人間/社会派ドラマ

2008年 日本 118分
2008.11.3 TOHOシネマズ緑井  with h
■監督 堤幸彦
■出演
   吉永小百合(宮崎和子)  竹中直人(宮崎康平)
   窪塚洋介(佐々木一馬)  風間トオル(矢沢)
   平田満(和子の父)  柳原可奈子(玉子)
   黒谷友香(吉岡静香)  麻生祐未(和子の母)
   綾小路きみまろ(綾ばあさん)  
   不破万作(具雑煮屋)  大仁田厚(人夫)
   宮崎香蓮(和子=幼少時代)  岡本信人(村井)
   大槻義彦(学者)  草野仁(司会者)
   井川比佐志(吉川英治賞主催者)
   石橋蓮司(戸田亮吉=島鉄副社長)
   ベンガル(岩崎伸一=島鉄役員)  江守徹(江阪=有明銀行頭取)
   大杉漣(古賀=ラジオディレクター)  余貴美子(佐野明子)
   由紀さおり(克江=島月旅館おかみ)  

  《story》

「ふたりが歩いた旅路、8年。神話の中に見つけたものは・・・」
「二人の旅が、やがて日本中に旋風を巻き起こす」


昭和31年、長浜和子と宮崎康平は、NHK福岡ラジオ放送の番組で初めて出会う。目の見えない康平だが、和子を直感で気に入り、いつか島原に来るように言う。1ヶ月後、番組終了となった和子は、放送局を辞め、島原に向かう。やってきた和子に、康平は新しく始めた観光バスのガイドの養成講師を頼む。バス事業は成功し、たくさんの観光客が島原にやってきた。しかし、巨大台風の影響で、島原鉄道はずたずたになり、復旧工事のとき発掘作業に没頭する康平は社長の座を降ろされる。福岡に帰ろうとする和子に、康平は子どもたちといっしょにおってほしいと訴える。和子は、子どもたちの世話と同時に、康平の邪馬台国探しの調査を手伝う。大きな地図を作り、魏志倭人伝を読み、康平の目となって九州を歩く。そのときのことを描いた本が出版され、一躍康平は有名人となる。そして正式に和子は籍を入れることができた。邪馬台国探しで康平は小高い丘の発掘を始める。その途中で倒れ、帰らぬ人となる。

 活気あふれる人間模様

わがままワンマンな人間はあまり好きではない。自分の言うことに従っていれば間違いないと、周りの人間を渦の中に吸い込んでしまう人間はきらいだ。それは嫉妬からくるのかもしれないし、人に動かされたくないというただの負けず嫌いからかもしれない。この宮崎康平も同じだ。でも、和子さんは大好きだ。彼女がいたからこそ、康平の道も切り開かれたのだ。彼女ないでは、宮崎康平は存在しない。

邪馬台国探しは、大きなロマンがある。九州か奈良か・・・卑弥呼がそこにいたという証拠が出れば大騒ぎになることだろうなあ。卑弥呼という人間がどんな人間だったのか、あの新聞もテレビもない古代に、中国の記録に残されるほどの人間だから、さぞかし魅力があったのだろう。その彼女が治めた国だからこそ、どんなくにだったのか知りたいし、どこにあったのか見つけたくなるのだ。

けっこういい映画だと思ったんだけど、子どもはつまらなかったようだ。ちょっと残念。同じ映画を見て、同じような感動を覚えるって夢だね。人はみんな感じ方ちがうからね。でもだれかと同じ映画を見て、同じように感動して、こうだねああだねって語りたいよね。

 公式サイト「まぼろしの邪馬台国」

デジャヴ

2008年11月08日 | サスペンス/ミステリー

2006年 アメリカ 127分
■原題「DEJA VU」
■2008.11.2 DVD
■監督 トニー・スコット
■出演
   デンゼル・ワシントン(ATF捜査官ダグ・カーリン)
   ポーラ・パットン(クレア・クチヴァー)
   ヴァル・キルマー(FBI捜査官プライズワーラ)
   ジム・カヴィーゼル(キャロル・オースタッド)
   アダム・ゴールドバーグ
      (Dr.アレクサンダー・デニー)
   エルデン・ヘンソン(ガナース)
   エリカ・アレクサンダー(シャンティ)
   ブルース・グリーンウッド
      (FBI捜査官ジャック・マクレディ)
   エル・ファニング(アビー)  マット・クレイヴン(ATF捜査官ラリー・ミヌーティ)
   ションドレラ・エイヴリー(キャシー)  ドナ・W・スコット(ベス)

 《story》

「すでに起こった事件を、あなたは防げるか?
    すでに殺された女性を、あなたは救えるか?
    すべての答えは『デジャヴ』の中に・・・」


アメリカ、ニューオリンズ州。500人の海兵隊と家族を乗せたフェリーが爆破された。捜査官のダグは、現場で収容された女性クレアを見たとき、この女性を知っているというデジャブに襲われる。彼女の部屋を捜査したとき、残されたメッセージ、留守電から流れる自分の声に驚く。ダグは、政府の極秘組織「タイム・ウィンドウ」に誘われ、スクリーンに映される過去の映像を操作する姿に驚く。そこでタグは、クレアの自宅映像を要求。それはどこかで見た記憶であり、今回の事件を防ぎ、彼女を救うことができると強く思うのだった。ダグは、自分が過去に戻ることを決意。犯人に殺されかけていたクレアを救出。フェリーに仕掛けられた爆弾を爆発させないようにフェリーに向かう。しかし、そこで犯人に気づかれる。爆弾が積み込まれた車ごと、ダグとクレアは海に沈む。フェリー爆破は免れる。脱出したクレアも生きていた。しかし、ダグは車ともに海に沈んだ。桟橋で悲嘆に暮れるクレアの前に現れた捜査官は・・。

 結局タイムマシンだ

ひとつの時空のタグは死んだが、もうひとつの時空のタグは生きている。あのあとクレアとタグはどんな会話をするのだろうか。タイム・ウィンドウのメンバーとタグは接触することなく時は流れる。フェリーの大惨事は起きなかったのだから。時を越えるってややこしくてわからなくなる。ひとつの時間の世界に二人の自分がいるなんて変だ。自分にとってはそのもう一人の自分は他人だ。どちらかが死んでもいいなんて思えない。でも、そんな難しいことを考えなくても、おもしろくて楽しめる映画だ。

時を越えられるならどこにもどろうか。少年時代・・高校生のとき・・大学生・・いつがいいだろうか。もどって何かをやりなおせるだろうか。そして未来が変わるだろうか。それは自信がない。過去にもどっても同じ事を繰り返してしまうと思う。一歩踏み出せないところは、やっぱり二度目も踏み出せない。失敗したところは、同じように失敗する。こうすればうまくいかないという道を、もう一度同じようにたどるアホな自分がいる。二つに分かれている道を、そっちはだめだと分かっていても、進んでしまう自分。結局生きていく力強さがないのだろうね。自分で切り開いていくというエネルギーに欠けているんだろうね。

偶然の良いことと悪いことに左右される。自分で切り開こうとしないから、占いのような偶然の選択に大きく左右される。死に神が出れば憂鬱になって物事がうまくいかないし、大吉がでれば心が晴れて積極的に行動できてよかったり。昨日は心配事が一気に増え、一気に解決した珍しい日。気分はよかったけど・・・

 公式サイト「デジャヴ」

ブタがいた教室

2008年11月03日 | 人間/社会派ドラマ

2008年 日本 109分
2008.11.1 シネツイン2
■監督 前田哲
■出演
   妻夫木聡(星先生)  大杉漣(仁科教頭)
   田畑智子(池沢先生)  池田成志(小鷲先生)
   ピエール瀧(榎木伸哉の父)  
   清水ゆみ(音楽教師)
   近藤良平(太田雄馬の父)
   大沢逸美(松原菜野花の母)
   戸田菜穂(甘利花の母)  原田美枝子(高原校長)

 《story》

「“いのち”の長さは誰が決めるの?」
「本当に食べるの?」


1990年大阪のある小学校、6年2組で子ブタを飼うことになった。育てたあと食べるということだった。Pちゃんと名付け、子どもたちは校庭の隅に自分たちで小屋を作り、当番を決めて世話を始めた。残飯を持ってきたり、糞尿の始末をしたり、世話の大変さを感じながらの、Pちゃんと親しくなっていった。年が変わり、卒業が近くにせまってきた。Pちゃんを食べるのか食べないのか、教室で真剣な議論がはじまった。そこから、来年度も飼うことができないものかという議論、立候補のあった3年生が世話をできるのか、食肉センターに送るべきだ、など本気で子どもたちは話し合った。そして、3年生に・・13票、食肉センターに13票。結論は星野先生の1票に委ねられた。

 考えることが勉強

命を考えるすばらしい実践だと思った。さらに、映画の中で本気で真剣に議論している子ども達はすばらしい。星野先生は、食肉センターを選んだけど、私だったらそんな勇気はない。きっと生きてともに過ごす道を選んでしまう。3年生が世話をできるような方法を考える。生きられるまで生きてみたらいいんじゃないかなと思う。食べるために育て始めたんだけど、軟弱な私は、みんなでだらだらと生きることを選ぶ。心がこもれば何も食べられない。育てた野菜が語りかけてきたら、心ある人はそれを口にはできない。食べるためにあるのだと言い切っても言い切れなくても、考えてみることが大事なのだろう。とことん考えたら、肉は食べられなくなってしまう。

「石内・・・」と2本立てで続けて見た。久しぶりの連続鑑賞。若い頃はフイルムマラソンによく行ったものだ。夜9時頃から5本連続で朝帰りだった。真ん中1本くらい寝てしまったかな。今は、2本見たら限界かな。疲れてしまう。見終わったあと、この「ぶたが・・・」を見るために、長い行列ができていた。階段の下まで続いていた。びっくりした。子ども連れが多かった。高学年の子どもは見る価値ありだね。ここまで子どもを連れてくる親は偉いよ。大きな映画館とちがって、目立たない小さな映画館だからね。

結局だらだらと過ごしてしまった休日。映画4本。韓国ドラマ数本。文庫本1冊。休みになると、映画と本から離れられない。山を歩きたいのだけど、一歩が踏み出せない。外に出たいのに、行動に移せない。昔からそうなんだよな。そして後悔するんだよ。もっと・・・・しとけばよかったって。開き直りとプラス思考でいこう。

 公式サイト「ブタがいた教室」