趣味の日記

観劇・歴史・小説・漫画などなど、思いつくままの語り日記

新感線

2014-04-12 23:54:57 | 観劇
「蒼の乱」、観てきました。
今回の主演は天海さん。・・・と、松山ケンイチさん。
でも、フィナーレの登場を見ても、堂々の主演スターは天海さんでした(笑)。

物語は、平将門の乱が下敷き。
相変わらず、どんでん返しにどんでん返しで、ラストがどう転ぶか、最後までわからない脚本は、さすが面白い。
それぞれがちゃんと当て書きなのも、さすがだなぁと思う。
でも今回、何が物足りなかったかというと、チャンバラ(苦笑)。
意外に松山さん、立ち回り苦手?というか、あまりやったことなさそう。大河で清盛やってたから、そこそこ出来ると錯覚してましたけど、実はチャンバラ自体はあまりやってないんですよね。
もちろん、天海さんがプロの男優さんたち相手にチャンバラが出来るわけもなく(格好だけはつくけど)。
古田さんが今回お休みで、橋本さんが馬(!)だったから、実際に大立ち回りでチャンバラを見せてくれたのは、メインキャストでは、粟根さんと早乙女君だけでした。
さすが早乙女君は、華麗かつ優美。流麗な太刀さばきと、身のこなしの迫力が、すごくカッコよかった♪
対決したもう一人の早乙女君って、弟さんですよね?彼もさすが、互角の太刀さばきで見応えありました。
これまでの新感線チャンバラ最高峰は、古田さんと堤真一さんとの「吉原御免状」でしょうか。二人きりで、延々と一対一の決闘。息もつけぬほどの緊迫感と迫力で、素晴らしかった・・・。

女性役としての天海さんは、華やかですけど色気がなく(苦笑)普通に現代的過ぎて、時代物をやるにはあっさりし過ぎに見えるんですけど、将として男装したとたん、俄然カリスマとスター性でバーンと出てくるのが、やはり大スター様なんだなぁ~と、妙なことで感心してました(笑)。
逆に、松山さんが意外に地道というか、スター俳優の華はあんまり感じない(爆)。でも、役者としての真っ直ぐさと気宇の大きさが、清盛を思い出しましたし、今回の将門役にも合ってました。
みはるちゃんが、すっかり新感線の準団員化してますね・・・(笑)。
高田さんが、ずっと天海さんと一緒にいるけど、役としてはそこまで重要ではなかったのが勿体なかったかな。‘桔梗’って名前だから、何か裏設定が最初はあったのかもしれないけど(桔梗は、将門を裏切った女性として実際に伝説があるそうで)。
平幹二朗さんが、さすがの存在感と迫力と、そしてちょっと飄々としたところも覗かせて、やっぱり格が違うというか・・・。
・・・もうね、今回は橋本さんに座布団50枚くらいあげたい!(大笑)
まさかまさかの、‘馬’役とは!!!!!(大爆笑)
将門の愛馬、親友で相談役(将門とは会話する/笑)の黒馬鬼(くろまき)。
それにしてもあの馬の仕掛けがよく出来ていて、本当に馬の動きみたいだった。操る人の技量ももちろんありますけど。
よくまぁあんな仕掛けと役を思いつきましたね~・・・。昔、「アテルイ」で着ぐるみの熊、というのはありましたけど(笑)、今回はすごく計算され、工夫されたリアルな馬。しかも、橋本さんがまた上手いんだこれが(笑)。

・・・・・いえ実は。次の雪組「前田慶次」、慶次郎の愛馬で相棒の‘松風’という馬がいつも一緒に出てくるんですけど、私の友人たちの間で、一帆さん慶次の‘親友’役なのだったら、その馬がともみんだったらどうする~!?なんて笑い話になってまして(コラコラ/大爆)。
なんか、今日の橋本さんの黒馬鬼は、その話とも被ってしまい、余計にツボで大爆笑だったんですよねぇ~~(大大爆)。

話が逸れました(苦笑)。
あと、ややミュージカルっぽくところどころに歌やアンサンブルが入ってるのですけど、その中の一曲が、見事に・・・「エリザベート」の「ミルク」だった(苦笑)。微妙~に音程を変え、歌詞ももちろん替え歌ですが、いや~笑った(爆)。
もしかすると、ほかのナンバーも、私の知らないミュージカルからのパロディが入ってたのかも。
以前に「花の紅天狗」でも、「エリザベート」からかなりパロってたのを覚えてますが。あのときは「闇が広がる」をやったよなぁ・・・。
新感線はやっぱり、面白いですね。・・・あとは、もうちょっとチケット代が安ければいいのに(苦笑)。年々、高くなってるような。・・・メジャーになり過ぎちゃって、大スターや大物俳優を呼び過ぎちゃうんだろうなぁ。
私が初めて観た頃は、まだドラマシティとかでやってた頃なのに。
・・・今日は初めて、シアターオーブの二階席に入ったのですけど(いつもは三階席)、三階ほど傾斜がなく、手すりもなくて、ストレスにならなかった(ホッ)。
三階席のあの手すりの高さは、ちょうど舞台に被る高さで、しかも一列ずつ付いてるので、本当に何とかして欲しいと思いますけど・・・。

平将門。昔、私が読んで印象的だったのは、高橋直樹さんの小説「平将門」。
剛直で壮大で、いかにも男性作家さんが描きそうな英雄的な将門像でしたが、私はその従兄弟で敵役の平貞盛が、面白かったんですね。
武者らしい将門にずっと劣等感を感じつつ、端正な美男で都での出世に野心を持ち、将門とも同じく従姉妹同士の姫を奪い合い、将門に戦で敗れても敗れても、将門を倒すまで執念で生き続ける・・・。
新感線では、貞盛は河野さんが演じてて、あっさりやられちゃうんですけど(苦笑)、でもその高橋さんの小説を思い出して、松山さんの明るく突き抜けて大きい将門を観てたら・・・。
ちぎともで、アレンジしたら面白そうかなぁなんて(妄想)。
もちろん、剛毅な東国武者の将門がともみんで、都人になろうと足掻く貞盛がちぎちゃん。
私のマニアック視点(笑)では、貞盛を主役に据えたほうが面白そうです。
従兄弟同士で親友同士の二人が、共に一旗あげようと都へ上ってきたものの、都の貴族たちに田舎武者と蔑まれ、虐げられるうちに、貞盛は貴族として出世することで武士の地位を上げようと足掻き、一方で将門は武士として東国へ戻ろうと考え、二人の道が分かれていく。
東国へ戻った将門が、地元豪族や叔父たちとの領地争いで戦に巻き込まれ、誤って貞盛の父を討ってしまったとの知らせが都に届き、貞盛は将門討伐を命じられる・・・。
東国では、二人の幼馴染みで従姉妹の姫が、二人のうち、より出世したほうと結婚するという約束を交わしていたが、心では貞盛と相愛の仲だった。にもかかわらず、東国の争いの中で、姫は将門に奪われることに。貞盛は、嫉妬と父の仇ということで、将門を憎むようになっていく・・・。
そして将門も、東国の民を救いたい一心で起こした行動が叛乱となり、貞盛の父を殺めた罪悪感と、裏切りばかりの戦乱の中で、徐々に心を荒ませ、道を踏み外していく。
もちろんラストは、貞盛と将門で一騎打ち、斃れた将門を抱いて、貞盛に泣いていただきましょう(史実無視の上にベタ過ぎ/大爆)。
・・・いかがでしょうか?ドラマシティあたりで、やってみませんか、大野先生?(笑)

コメント
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