さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

リモート面会が月に1回のみ、たったの15分間というのはあまりにも残酷

2021-12-18 22:31:59 | 大腿骨転子部骨折
コロナ禍ですから、さっちゃんとの面会は出来ません。
それは仕方ありません。
携帯電話に関しては各階に携帯電話コーナーを設けているということですから、利用できるようです。
インターネット接続環境は整えていないとのことですが、病室でメールやインターネットを利用しても構わないとされています。
つまり、スマホを使える患者さんなら電話もメールも、テレビ電話ですら可能だということのようです。
いま時ですから、多くの方がそのような方法で面会不可能な入院生活の寂しさを回避されているのでしょう。

でも、そういうことが出来る方ばかりではありません。
高齢者でスマホ等を扱えない方もおられますよね。
認知症の方なら尚更でしょう。
さっちゃんも当然使うことなんて出来っこありません。
病院側でもそういう方のためにリモート面会という方策を用意してくださっています。
12月3日に僕は初めてリモート面会してきました。
その時の様子は当日のブログに書いています。
今日、A病院で初めてのリモート面会をして来ました


この時は前日の木曜日に天覧山から電話をして予約を取りました。
何故なら、病院の方と電話でだか直接だったかは忘れましたが、
「前日の2時ころに電話をして、まだ予約枠が残っていれば面会できますよ」と聞いたからです。
さっちゃんの病棟のリモート面会の枠は金曜日に4枠あって、予約は木曜日の3時までと言うことになっているからです。
前日の予約締切ギリギリに電話して、枠が空いていれば大丈夫なんだ、そんな意識が強過ぎて、わざわざ天覧山から電話をしたんです。
冷静に考えれば、12月には1度もリモート面会していないわけですから、もっと早く家から予約の電話を入れても良かったんですよね。
しかも、天覧山から「予約枠はあと幾つ残っていますか?」とまで聞いています。
その時は4枠中2枠残っていました。

ところが、12月9日の木曜日、午後2時22分に電話すると、
「申し訳ございませんが、すでに1回リモート面会されていますよね」と言われました。
僕は「はい、先週させていただきました。
ただ、病院の方から、面会の枠が空いていれば大丈夫ですよ、と言われたものですから」
と伝えます。
「それは誰に言われました?」と聞かれましたが、僕にそんなことは分かりませんよね。
僕は言いました。
「妻は認知症で、スマホも持っていませんし、使えません。失語症でもありますから、話すことも出来ません」
「せめて画面ごしにでも、妻の顔を見て、妻に僕の顔を見てもらって、それだけが出来ることなんです」


応対してくださった男性職員の方は「そのお気持ちは重々お察し出来るのですが、なにぶん規則なものですから」と言います。
「規則が必要なことは理解できます。でも、リモート面会制度を作ってくださった病院側のお気持ちを推測するに、
せめて4枠分は面会可能にしてくださっても」
と、僕は言いました。
「リモート面会の埋まらなかった枠の時間は、別の仕事が職員には出来ますし」と男性職員は続けます。
「確かにそうでしょう。お忙しいのは分かります。
でも、この制度を決めた際に4枠分が埋まって、担当者がその仕事をするということであったはずです。
ですから、マンパワー的には4枠埋まっても大丈夫なように考えておられたはずでしょう?」

「う~ん。そうなんですけどね。規則ですから」と言います。
「では、その規則変更を検討してくださいませんか?」と僕は言いました。

文字に起こして書くと、二人が喧嘩をしているような、激しくぶつかっているような印象になりますけれど、決してそんなんじゃありません。
僕も出来る限り柔らかな口調で喋ってますし、男性職員の方も僕の気持ちはよく理解してくださっているのです。
彼としても、心情的には辛いけれど、「規則だから」と言わざるを得ないのでしょう。
男性職員の方は「病院としてどう対応するか検討してみます」と、おっしゃってはくれました。
14分間の長電話でした。

そして、一昨日の12月16日の木曜日、天覧山から早く帰って来た僕は2時43分にA病院に電話しました。
もちろん、翌日金曜日のリモート面会予約のためです。
リモート面会予約担当の部署の方とひと通り話をし、予約できそうな雰囲気で進行しました。
4枠ある内のどの時間枠にするかを決める際に、「明日は何枠決まっているのですか?」と聞くと、1枠だけのようです。
僕はその予約されている方がどの時間枠なのかを確認して、最後の時間の枠でしたから、その直前の枠をお願いしました。
リモート面会を担当される方がバラバラよりも2枠続けてあった方がいいだろうと思ったからです。

僕は内心、「気付かれずにうまくいきそうだな」と思っていました。
でも、電話している担当者の方が「ちょっと待ってくださいよ」と席を外し、何やら調べに行ったようで、不安になりました。
予感は的中し、「今月1度面会されていますよね」と言われました。
また、前の週と同じことの繰り返しです。
金曜日の4枠が1枠しか埋まっていないのに断られるなんて、なんて残酷な仕打ちなんでしょうか!

僕は訴えました。
「コロナ禍でなければ、毎日でも面会に行ってると思います。
それが月に1回、しかも画面越しでたったの15分間だけなんて、こんな状況、苦痛でしかありません」

二人で電話越しの話をするうちに、互いに話している相手が前の週の相手と同じだということが分かって来ました。
それで、その男性職員は「病院でもその件は検討を進めていますから」と言うのですが、まだ情報を集めている段階のようです。
僕としては、そんなにのんびりと構えられても困ります。
そんなにきついことは言いませんでしたけれど、僕からのお願いはしっかりと伝えました。
「何か決まったら連絡を差し上げますから」と言ってはくださるのですが、どうでしょうね。
何か前向きな方向で決まるでしょうかね?

何時まで話し合っても、ずっと並行線のまま。
僕があらゆる言葉で、「リモートは月に1回、たったの15分間の面会」とその非情さを訴えても、規則の前には無力です。
その規則変更を検討しますとは言ってくれるのですが、何時になることやら。
今月中にでも至急に規則変更して欲しいのに。

電話の最後で、その男性職員はさっちゃんの病棟に電話を繋げてくれました。
ナースステーションに繋げてくれたんだと思います。
さっちゃんを担当してくださっている看護師さんが応対してくれました。
病状について問うことは禁止されていますから、少しだけ質問しました。
「リハビリは始めていると思いますけれど、もう立つことは出来ましたか?」
まだ立てないようですね。
寝たままの状態で、脚を動かしたりしているのでしょう。
「笑顔を浮かべたりすることありますか?」
こんな質問には「あまり話されないので・・・・」との返答。
笑顔を浮かべることと話す話さないこととは別なんですけれどね。
これくらいしか聞けませんでした。
リハビリは順調なんでしょうかね?
リハビリが進むと、今いる病棟からリハビリ病棟へ移るんだそうです。
早くそうなって欲しいものです。
ここまでで27分間も電話していました。


今日、テレビでAIが「ハピネス」を唄っていました。
僕もどこかで聞き覚えのあるメロディーでした。
その曲を聞きながら涙ぐんでしまいました。
本当に最近は涙腺が緩い。
「君が笑えば この世界中に もっと もっと 幸せが広がる」という歌詞が繰り返し現われます。
さっちゃんの笑顔を思い浮かべながら歌を聞いていました。
リモート面会だって、さっちゃんの笑顔が見たいだけなのに・・・・
こんなこと書きながら、涙が溢れ、鼻水も流れます。
コメント
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