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さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

布団の中で、さっちゃんは泣きながら「死にたい」と言います

2019-04-23 15:47:27 | 気分や思い
さっちゃんにも気分が明るい時とそうでない暗い時があります。
もちろんそれは僕自身にもあります。
僕自身が落ち込んで、さっちゃんの前でもそうなら、その落ち込みはさっちゃんにも伝染します。
たぶん、昨日はそうだったんだと思います。

肉体的疲労は前日の岩登りトレーニングのせいで確かにありましたけれど、
本来そのような疲れは心地よいものです。
精神的疲労が蓄積していたんだと思います。
いつもはそれをさっちゃんの前では見せないように振る舞います。
でも、昨日はそれが出来ませんでした。
自分でもよく分かりませんが、意識的に見せつけていたのかもしれません。
僕にもさっちゃんに知って欲しい気持ちがあったのかもしれません。
「僕だって、精神的にすごく疲れ切ってるんだぜ!」って。

でも、そう振る舞った結果は最悪でした。
僕がさっちゃんの言うことに返事をしてあげない、目を合わせてもやらない、
布団に倒れこんで動かない。
そんな僕にさっちゃんがかまうと、僕はプイッと離れて行ってしまう。

僕はさっちゃんのことを 見ない・聞かない・話さない そんな空間にいたかったんでしょう。
四六時中さっちゃんを 見て、聞いて、話して、生活していますから。
でも、それは無理ですよね。
見た目はぶすっとし続けている僕に、さっちゃんは腹を立て続けます。

そんな中、夕方一緒に買い物には行きました。
さっちゃんは一人で家にいるのを嫌いますから、昨日のような僕にでも付いてきます。
いつもの習慣で、心配でもありますから、手もつないで歩きます。
ただ、僕からはひと言もしゃべりません。
夕食も作って食べて、歯も磨いて、寝巻きにも着替えさせて、さっちゃんから先に寝ます。

僕が座っているテーブルとは襖を隔てて2mほどの布団の中でさっちゃんは寝ています。
すると、さっちゃんの泣き声が聞こえてきました。
なかなか泣き止みません。
さすがにこれには僕もこたえました。

さっちゃんの横に入り込み、一緒に寝ます。
「ご免ね、さっちゃん」
「僕が悪かったよ」
頭を抱きかかえます。
さっちゃんは泣き続けています。
言葉も僕にはよく分かりませんが、しゃべることもあります。
ただ、明瞭にさっちゃんがしゃべった言葉がありました。
「死にたい」

これまでも、同様な言葉はときおり聞かされていました。
でも、昨日の言葉がいちばん響きました。
「さっちゃん、ご免ね。僕が悪かったよ」
そのまま一緒に布団の中にいました。
だいぶん時間が経過して、さっちゃんの寝息が聞こえるようになりました。
僕はそこから離れて、残している用事をやらなければなりません。
布団から出るタイミングをはかっていましたが、つい僕も眠りに落ちてしまいました。
目が覚めたのは4時過ぎ。
ちょっとだけ用事をすませて、寝巻きも着ずにそのまま再び寝ました。
アラームをかけるのも忘れずに。
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さっちゃんに「出て行け!」と言われて、哀しくなった僕は何も言わずに出ていきました

2019-02-09 22:23:49 | 気分や思い
今晩のことです。
ここのところ順調だった歯磨きもこの日はまったく駄目。
ひとつも協力してもらえなくて、さっちゃんは洗面所を出て行きます。
久しぶりに僕は壁をバンバン叩きたくなりました。
叩きませんでしたけど。
ちょっとは我慢できるようになりましたから。

さっちゃんは寝巻きに着替えることもせず、布団の中へ。
僕が手伝わないと、着替えはできません。
僕は手伝う気分にもなれず、
(と言うか、こんな状況では絶対にさっちゃんは着替えようとしません)ほったらかしです。

しばらくすると、さっちゃんが起きて来ました。
ブツブツと何やら僕に文句なんだか悪口なんだか、喋ってます。
具体的内容はさっぱり分かりません。
「本当にあんたは何にもしないんだから」と非難してるよう。
他にもいろいろと僕に酷い言葉を投げつけているよう。
言葉は意味不明ですから、正確には何と言ってるか分かりません。
でも、僕に対する感情は伝わってきます。
「なんでしないの!」と、さっちゃんは声を荒げます。
僕は何をすればいいのか分かりませんから、黙って耐えるしかありません。
黙っていると、さっちゃんはますます腹立たしくなるのでしょうが・・・・

そのうち、「あんた! 出て行って!」とさっちゃんが僕に言葉を投げつけます。
その言葉には僕も耐えられませんでした。
部屋着の上から外着のズボンとジャンパーを着て、玄関から外へ飛び出しました。

この日は大寒波が日本を襲った日。
本当に出て行く気はなかったんですが、部屋の中でじっと忍耐する強さは僕にはありません。
とにかく、しばらくは外へ出て、さっちゃんとは離れたい。

玄関のカギを外から閉めると、さっちゃんが内から開けます。
再び外から鍵をかけると、さっちゃんがドンドンとドアを打ち叩きます。
僕は玄関から離れました。
さっちゃんのドンドンと叩く音が夜の空間に響きました。
エレベーターホールにしばし佇み、短時間で気分を立て直します。

・・・・部屋へ戻ろう。さっちゃんの元へ・・・・

そのまま戻るのもなんですから、1階の郵便受けまで降りて、郵便物だけ回収。
部屋へ戻ってくると、さっちゃんが玄関の外に立ってました。
「下へ行って取ってきたよ」と僕。
さっちゃんも何事もなかったみたいに、布団に戻ります。

     *   *   *   *   *   *   *   *   *   *

1時間くらい経過したでしょうか。
さっちゃんが起き出して来ました。
僕は「歯を磨こうか」と手を取って洗面所に。
さっちゃんはさっきのあの僕との間の感情のやりとりを忘れてしまっています。
素直なときのさっちゃんです。
歯磨きも寝巻きへの着替えも順調この上なく出来ました。
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さっちゃんが「すいませんね」と言います

2018-09-15 22:06:57 | 気分や思い
僕が夕食を作り始めたころ、さっちゃんはすごく眠たそうでした。
「夕食できるまで寝たら?」と僕が言うと、さっちゃんは素直に布団の上へ。
「出来たら叩き起こすからゆっくりと寝な!」と僕。

今日のメインは数日前に作ったポトフのような汁物。
冷凍しておいたものです。
もう一つは野菜たっぷりの味噌汁。
作ってから気付いたんですが、二つともスープですね。
ま、いっか。

出来上がりそうになって、さっちゃんを起こしに行きました。
すぐに起き上がるさっちゃん。
その時、「すいませんね」とポツリと言います。
ちょっとドキッとする僕。

先日の「ごめん」にしろ、こういった謝りの言葉はどう受け取ればいいんでしょうか?
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わたしって何でもないわよ

2017-09-28 21:27:34 | 気分や思い
だんだんに、さっちゃんが認知症だということを誰に対してもオープンにしていければと思っています。

先日、僕が所属している山岳会の例会があったのですが、さっちゃんはそのたびに大変です。
夕方早めの夕食を食べ、それから自宅を出て、二次会にも参加しますから帰宅は夜中になってしまいます。
今回も、さっちゃんは僕がなぜ居ないのか分からなくなってしまいます。
何度も家の外に出て、僕が帰って来ないかと見に行ったようです。
夜なのに、いっぺんも布団の中に入らなかったよう。

例会の夜のさっちゃんの困惑は理解できなくもないので、会長に聞いてみました。
「妻を例会に一緒に連れてきてもいいですか?」と。
返答は「いいよ」。
会長はさっちゃんが認知症であることを知っています。

ということがあって翌日、さっちゃんに尋ねました。
「例会に一緒に行く?」
「うん、行く」
「じゃあ、さっちゃんが認知症だということを山岳会の人たちに知らせてもいい?」
と聞いたのです。すると、さっちゃんがこう言いました。
「わたしって何でもないわよ」

確かに、さっちゃんは自分が認知症だという自覚はありません。
ですから、こんな風に言いました。
「そうだね、風邪(インフルエンザ)みたいに他人にうつる病気じゃないしね」
「癌のようにすぐ命にかかわる病気でもないしね」
「今日が何年何月何日何曜日か分かる?」
「自分の生年月日、何年何月何日に生まれたか分かる?」
「そんなことが分からなくても、確かに困らないよね」
「そんなことを忘れていることに病名をつけたんだよ」「認知症ってね」

さっちゃんは「ふ~ん」と言って何となく理解できたようです。
そして、「別にみんなに言ってもいいよ」と言ってくれました。
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わたしって、どこか悪いの?

2017-08-31 17:54:05 | 気分や思い
さっちゃんはいたって元気です。
もちろんいろいろと悪い箇所はありますけれど、病気ではありません。
薬だって、認知症の薬だけ。
他に飲んでいる薬はありません。

その認知症の薬が切れそうになったので、さっちゃんと病院へ行きました。
病院の待合所で待っていると、こんなことをさっちゃんが言いました。
「わたしって、どこか悪いの?」

僕もふと思います。
どこも悪くはないのかもね。

だんだんと、子供になり、幼児になり、赤ん坊になって行く。
それだけのような気もします。
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列車で移動だけの日は嫌いなようです

2017-08-10 22:47:18 | 気分や思い
青春18きっぷの旅4日目は米子から下関まで山陰本線の旅でした。
山陰本線は単線で本数も少なくて、なかなか前進することが出来ないのです。

結果、途中でどこかに立ち寄ったりは出来ませんでした。

毎度のように、「どこへ行くの?」との質問を何度も僕に投げかけます。
その度に、さっちゃんの言葉の意味を必死に考えて、「ああそうか、どこへ行くの? と聞いてるんだ」と何とか分かり、「下関に行くんだよ」と答えます。
まあ、同時並行的に「この電車は長門市行きだよ」とか「明日、熊本に着くよ」とかの返答も混ざるんですが。

僕がだんだん感じたところでは、さっちゃんは今日は機嫌が悪そうなんです。
その理由は、じ~っと座ったままで、何にもすることがないから。
前日の鳥取砂丘でのように、体を動かしていると、本当に楽しそうです。
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