どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(236)『トマト赤らんだ』

2019-11-25 15:25:53 | エッセイ

 

     トマト

 

どうなってるんだろうね、このトマト。

とうとう赤らんできちゃったよ。

なぜ、こんな砂利まじりの通路に生えたのか、いまだに説明がつかない。

植えたわけではないから、何らかの原因があってタネがこの場所に着地したということだろう。

それにしても、菜園のトマトを収穫し終わったあとに、悪条件だらけの場所に芽を出すなんて信じられない。

 

     角度を変えて

 

前にも書いたが、支柱が深くは刺さらないほど堅い土だ。

最初に気づいたときは、トマトに似た葉っぱの植物が生えてるなあと思うだけで無視していた。

9月半ばから10月にかけて枝が伸び、びっしりと青い実をつけているのに気づいた。

おい、おい、本気かよ?

どうせ寒さで落ちちゃうんだろう。

好奇心だけで見守っていたら、長い『青』の時代を経て『赤』の時代に突入したというわけ。

おまえ、ピカソかよ。

もう11月も最終週だから、12月に入ったら真っ赤っかに完熟するか、それとも実が割れてキュビズム風になるか。

さっき、カラスが鳴いていたから、もしかしたら気づいたのかもしれない。

こうした予感、案外当たる方だから困っちゃうんだよなあ。

リスにはキウイを残してやったんだから、カラスにやられたとしても目をつぶるか。

 

     (おわり)

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
赤いトマト (いわどの山荘主人)
2019-11-26 07:10:20
霜が降りるまでこぼれたトマトの種が芽が出て成長する例は幾つもありますが、自然の形で実がなるとは聞いたことがありません。今年の気候にあったのですかねえ・・・、
まずは立派なトマトおめでとうございます。
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トマトは逞しい植物? (tadaox)
2019-11-26 15:26:25
9月半ばに、もうこれまでと思って引き抜いてしまいましたが、落ちた実から芽を出すことはあるんですね。
11月末になって赤くなること自体はそれほど驚くことではないようですね。
安心しました。

それでも、砂利交じりの土地に芽を出し、育ったことは驚きですし、どういう経由でこの場所に芽を出したのかは不思議です。
祝福を受けたトマトを、自分で食べてみたくなりました。
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はじめまして (のり)
2019-11-28 16:14:24
フォロー登録して頂き有難うございました。
おっとの介護をしながら、ボチボチ絵を描いております。
今後ともよろしくお願いいたします。
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こちらこそ、よろしく (tadaox)
2019-11-28 16:31:03
本が好き。・・・・自然体の文章に出遭って心がほぐれました。
のりさんのスケッチも素敵ですね。風が通り抜けていくよな爽やかさを感じました。
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トマトのこぼれ種 (ウォーク更家)
2019-12-22 18:09:34
菜園のトマトを収穫し終わったあとに、悪条件だらけの場所に芽を出したトマトの後日談報告、ありがとうございます。

トマトのこぼれ種の芽が出てたところまでは、そうかなとも思いますが、寒くなってから、”青”から”赤”になるということは、トマトは生命力の強い植物だということでしょうね。

来年は、トマトのこぼれ種の芽も、注意してウォッチを続けることにします。
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12月7日ごろの状況 (tadaox)
2019-12-23 18:33:36
(ウオーク更家)様、ご覧いただいたトマトは、いくつか熟れておいしくいただきました。
他に10個ほど青い実がなっていたのですが、12月に入って寒い日があったせいか、ボトボトという感じで青いまま落果しました。
12月7日ごろすべての実がなくなりました。
よく洗ってピクルスにしました。
トマトの木は、現在もがんばっています。
ありがとうございました。

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