ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

管理職の人

2011-02-02 23:24:57 | Weblog
今日の仕事は、「がんばれ、管理職の人」という気持ちから始まった。

今朝、課長が隣の派遣さんに、業務上の時間やパワーの割り振りというか、
優先順位の変更を告げたら、
「いまの仕事に必要な時間については、ちゃんと報告しています。
もう少ししたら、他の仕事もくるということでしたよね。
それでは、私の仕事が全部中途半端になってしまいます」と反論され、
ぐうの音も出なくなっていた。

隣の派遣さんを見ていると、
「女性らしい」思考回路のサンプルを見ているような気がするので、
とても勉強になっている。
イヤミではなくて、本気で。
なぜなら、私の友人にはいないタイプだからだ。

私や私の友人なら、もし戸惑ったら、
「チーム全体の仕事の優先順位がどうなっていて、配分はどう変更になり、
どの部分を自分が担うようになったのか説明してください」と言うだろう。
それを理解した上で、後から「あ、いい仕事をとられた」とか、
「あいつと組むのか」など、感情論が入るだろう。
そして、ときにカゲで愚痴を言ったり、
仕事としてこうあるべきだ、という自分の意見をハッキリと言ったりするだろう。

「私の仕事が全部中途半端になってしまう」という発言は、
視野がせまくて、縄張り意識が強いともとれるけれど、
責任感が強いと受け取れないこともない。
少なくとも、本人にとっては、
「私は責任感が強い。与えられた仕事はきっちりやる」という
自負をもったうえでの発言だったと読み取るべきだろう。

管理職なら、そのくらいのこと、予測して声をかけるか、
相手の発言のよい点をすくって、尊重しつつ話を進めるような工夫をすればいいのに、
そういう気のつかい方はできない人のようで、
絶句し、その話は、そのままうやむやになったから、もったいないなあ、と思った。
真面目な男性管理職は、女性の部下に苦労するんだな、という図だった。

もし、シモーヌ・ヴェイユが、今日の彼女の発言を聞いたら、どう思っただろうか。
派遣労働者であっても、上司におもねることなく、
「自分らしい仕事の仕方はこうだ」と発言したことを評価するのだろうか。
シモーヌが言うのは、いまとは大きく違い、
出来高制だった戦前のフランスの工場のことだから、
私としては、時給で自分の労働を売り買いしている
いまの日本の派遣労働者とは違うと思うのだけど、
人間らしくある、という一点においてはどうなのだろう。

シモーヌが言うところの労働環境は、
いまの中国の工場に近いとは思って、いつも見ているのだけれど、
日本との、私の身の回りとの共通点を考えるうえで、
彼らの朝の会話は、なかなか興味深かった。


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