ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

ブラック化について

2014-09-09 22:11:28 | Weblog
日本の企業が、なぜ全般的にブラック化しているのか、
今日は、もしかしてこれが理由?と思うことがあった。

私が上海から帰ってきてからの上司は、
日本の優良企業で10年以上も経営層にいて最近リタイアした人で、
古き良き日本の企業文化を体現したような人だ。
生え抜きで、そこまで上り詰めた、たいへん努力家で誠実な、賢い人だ。
そんな人が、会社の将来性を見込んで、手伝いにきてくれており、
その下で働いているという図だ。

素晴らしい人で、学ぶことも多い。
でも、1つだけどうしても考え方がシンクロしないことがある。

私が働く会社はベンチャー企業なので、
規模も小さいし、何でもかんでもその都度決めながら手探りで進むような環境だ。
人員の入れ替わりも速く、生え抜きなんて社長以外はいない。
一度やっても人の流出に伴い、ノウハウは失われ、毎回最初からやりなおし。

ついでに、一番規模が大きいのは上海だから、
中国人的な「上に政策あれば、下に対策あり」が当然で、
決めたことなんて守られず、毎回あれこれと交渉して、
なんとか自分にとってやりやすいように環境を整える。
常に陣取り合戦をやっている感覚だ。

中国は終身雇用なんてないから、いま契約書に書かれている額面の給料と、
アサインされている業務内容がすべて。
会社の将来の為に我慢する、精進する、なんていう感覚は中国人にない。

会社全体の雰囲気として、日本人もそうだ。
ベンチャーなのだから、成長率と自由さだけが魅力のはず。

ところが、私の上司は、よい日本企業にいた経験しかないので、
会社には忠誠を誓い、会社を信じること、が、大前提だ。

だから、私が、特に上海で働く日本人の例を出して労働環境の話をするのは、
それ自体がネガティブキャンペーンにあたることになるらしい。
つまり、それはイコールで、上海の労働環境がブラック的であると認めつつも、
それでも会社の為に尽力すべきだ、という建前にいきつくことになり、
結局は、ブラックを助長することになる。

根っからブラックな社長を、素晴らしい日本の先輩が補完している構図になる。
会社が成長して行く為には、忠誠心こそが必要だ、その心をまず育てよとなる。

でも、働いているこっちとしては、
安定してないからこそ、いまいくらもらえるのか、
この先、一緒に夢を見られるかどうかだけが判断基準となる。
忠誠心よりもまず、自分の方向性と企業が合うかどうかを選ぶ立場から見る。
ここに大きな齟齬が生まれる。

日本人には素晴らしい人が多いのに、なぜ、こんなにブラック化しているのか。
いま、ある規模以上の企業のトップにいる人たちは、
派遣社員や契約社員と席を並べて働いたこともなければ、
そう言う人たちを直接管理したことも少ないだろう。
だから精神論だけが唱えられ、それを引き受けるだけの保障をもらっていない人にも
それが押し付けられ、ブラック化する。

なんとなーくイメージができたとともに、私には日本は難しいんだなあ、と思った。


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