ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

中国人の買い物

2012-12-23 11:59:28 | Weblog
昨日のつづき。

中国人の同僚が「タイは物価が高いよね。上海と同じくらいだ。
特に最終日に寄った町にある免税店が全然安くなかった」と言うから、
「そうだねえ。あそこの免税店は、中国人が喜ぶ化粧品のブランドが
 前面に出てたから、ちょっと他の免税店とは雰囲気が違ったね。
 中国人向けなんじゃない? お客さんも8割がた中国人だったでしょう。
 日本だとマツキヨで買うようなブランドものが多かったね」と言った。

上海人にはすでに、中国が発展途上国だという意識はない。
自分たちは日本を抜き、アメリカと競争する国で、
その中でも一番発展し、あこがれの上海人なんだ。

だから、日本人が「facebookもTwitterも、ガンガン見られるよ!
Gmailも安定してる~!!!」と奇声を上げていても、
もともと価値を見いだしていないものは、ないのと同じなので、
中国人は「上海と比べてどうなのか」という比較範囲が非常に狭い。
せっかく外国に来たのだから、
中共が規制していることを試してみようとも思わない。

ただし、日本は、もう中国にODAする必要はないと改めて思った。

さて、中国人と言っても格差がけっこうあるので、
公務員はすごくお金をもっているけど、
民営会社の従業員である若い人たちはお金をもっていない。
同僚の中には、親からたくさんおこづかいをもらって、
自分の月収分くらい買い込んだ女子(20代中盤)もいるけど、
30代の同僚たちは、基本的に自分の身の丈にあった旅行をしていた。
つまり、免税店では、タバコ以外はほとんど買わない。

月収分くらい買い込んだ同僚も、
高いけどよいものを少し、という買い方ではなくて、
とりあえずみんなにばらまくお土産用として、
お得用パックのようなものを、大量に買い込んでいた。
そもそも、物を見分ける目なんて育ってないんだから、
見栄えがちょっとよいものがたくさん入っているものを選ぶ。

中国の富裕層という言葉が幻想だと思うのは、こういうときだ。

今回の旅行は、宿泊はもちろん食事も全部ついていた。
それなのに日本円で5万円以上を平気で使う。
日本人の場合、1つブランドのカバンや化粧品を買って、
あと少し簡単なお土産を買えば、5万円くらい使うこともあるだろう。
でも中国人は、安い物を大量に買いたい人たちだ。
「いいものを少しでいい」なんていう段階じゃない。
だから、日本が本当に売りたいものが中国に売れないのは当たり前なんだ。

確かに「いいものを少し」または「本当に気に入ったものだけでいい」という
中国人もいる。
でも、そういう人の数は本当に少ない。
13億以上いる中国人の1%以下かもしれない。

ただ、高いものを売るときには、店員の教育も必要だし、
それなりの空間も設けなきゃ行けないし、手間がかかる。
B級を大量に買ってくれるお客さんのほうが、売る側も手間がかからない。

ということで、中国人観光客は世界中から喜ばれるんだなあ、と思った。
さて、日本はどうするか。


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