ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

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2013-11-10 12:49:34 | Weblog
はじめて、中国人同士の結婚式というのに参加した。

本当は、朝はやくから、新婦さんの家に新郎が訊ねて行って、
嫁にくれだ、いやお前なんかにやらん、とかいう形式的な押し問答をして、
新居に連れて行って、そのあと披露宴で・・・とかいう手順なんだけど、
そもそも地方出身の人たちには、そんなことをする実家は上海にないので、
いろいろと適当な変更が加えられるらしい。
まあ、そのへんは中国的ないい加減さが上手い具合に噛み合っている。

私は朝から行う家まわりの儀式は、爆竹がつきものなので遠慮し、
(これ以上PM2.5を吸い込むのはいやだ。ただでさえ最近の上海は数値が高い)
午後の「結婚式」から参加した。

どうやら、キリスト式にやりたかったようなのだけど、
新婦も牧師もおらず、バージンロードを新郎新婦が腕を組んで歩いてきたので、
えーそうなんだー、と思った。
要は気持ちの問題なので、「病めるときも、健やかなるときも・・・」的な宣誓を、
自分で読み上げていたので、
自分の言葉でする約束なのだから、なるほど、ずっといいじゃないか、と思ったりもした。

が、とにかく段取りが悪い。

式が始まる時間になっても、受付もできていなければ、
みんなが待っているところで、新郎新婦がリハーサルをやっている。
係の段取りが悪く、新婦が怒鳴っている。
ついでに、式の途中で電源が落ち、音楽も進行役の音声も消えた。
でも、みんな驚かないし、誰も謝らない。そんなもんだと思っている。

そしてお祝儀は、本人に渡すものなので、
ウエディングドレス姿で、新婦は紅包と呼ばれる赤いお祝儀袋を持って歩いている。

結構いい別荘地の一画にあるパーティ用の場所でやったのだけど、
やっぱり、上海は上海だった。
これで、式と披露宴には日本以上のお金をとるのだから、いい商売だ。

昨日は、披露宴におそらく100人弱集まっていたのだけど、
中には、外資企業で働く40歳営業マンで年収1億円の人もいれば、
文革で雲南省に下放され、そのまま雲南省に戸籍をうつした
上海語と雲南の方言しか話せない上海人のおっさんとか、
おそらく、どちらかが整形手術をしてしまったがために、
顔がまったく似ていない姉妹とか、いろんな人がいた。

庶民である上海人の友人は、ひたすら、
「上海で結婚するというのは、本当に大変なことだよ」とつぶやいていた。
去年、子どもが生まれ、なかなかなプレッシャーらしい。

上がずば抜けていて、下もまた見えないのが中国。
上の彼らは、使い切れないほどのお金をもつ。
中間層のおそらく10億人くらいの人たちは、日本人の若者とほぼ同じ生活水準にある。
下は、それこそ暴動でも起こしたくなるだろう。

中国の将来性というとき、日本人は中間層に目を向けるけど、
欧米は上の層しか見ていない気がする。
それで急に中間層を見て失敗したのが、iPhone5cなんだろうと思う。
そもそも中国人も、中間層向けの商品は国内メーカーのものでいいと思っている。
そういうことなんじゃないかなあ、と。


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