中井 久夫著、みすず書房刊。
たまに読みたくなる精神医学系の書籍。
難しい学術書ではなく、精神科医によるエッセイ。
今回は中井久夫さんの本を選びました。
中井さんの少年時代の話や阪神・淡路大震災での体験、
また精神医学系の話など、その内容は多岐にわたり、
親戚の思慮深いおじさんのお話を聞いているような楽しさがあった。
哲学や心理学、また精神医学関連の本を読んでいて
いつも感じるのは、人にとって「言語」はとても大切だということ。
人は母語を操り、画家にとっては「絵」が言葉になり、
音楽家にとっては「音」が言葉になる。
優れた作家は、自分の「言語」を自分なりに構築し、
その世界観を表現することができる。
そこには自己満足よりも、冷静かつ精緻な世界観が広がる。
私が好きな友人は、みな外国語を本気で学んだ経験があるか、
絵や音楽を創作する作家たちだ。
アーティストと言われる人たちは、自由気ままに自分を表現しているのではなく、
常に「他者」との会話に追い込まれている人たちだ。
その「他者」とは、自分自身でもあるわけだから、彼ら自身はとても辛い。
とかく「普通の人たち」は、アーティストというと、
「自由な表現者」と勘違いするけれども、
彼らほど他者との対話に真剣な人はいないと思う。
だからこそ、ありがたいことに私は彼らと話していると楽しい。
こうして、自分自身や周囲の大切な人とのかかわりを整理できるから、
私は精神医学系の本をたまに読みたくなるのだなあ、と実感した。
たまに読みたくなる精神医学系の書籍。
難しい学術書ではなく、精神科医によるエッセイ。
今回は中井久夫さんの本を選びました。
中井さんの少年時代の話や阪神・淡路大震災での体験、
また精神医学系の話など、その内容は多岐にわたり、
親戚の思慮深いおじさんのお話を聞いているような楽しさがあった。
哲学や心理学、また精神医学関連の本を読んでいて
いつも感じるのは、人にとって「言語」はとても大切だということ。
人は母語を操り、画家にとっては「絵」が言葉になり、
音楽家にとっては「音」が言葉になる。
優れた作家は、自分の「言語」を自分なりに構築し、
その世界観を表現することができる。
そこには自己満足よりも、冷静かつ精緻な世界観が広がる。
私が好きな友人は、みな外国語を本気で学んだ経験があるか、
絵や音楽を創作する作家たちだ。
アーティストと言われる人たちは、自由気ままに自分を表現しているのではなく、
常に「他者」との会話に追い込まれている人たちだ。
その「他者」とは、自分自身でもあるわけだから、彼ら自身はとても辛い。
とかく「普通の人たち」は、アーティストというと、
「自由な表現者」と勘違いするけれども、
彼らほど他者との対話に真剣な人はいないと思う。
だからこそ、ありがたいことに私は彼らと話していると楽しい。
こうして、自分自身や周囲の大切な人とのかかわりを整理できるから、
私は精神医学系の本をたまに読みたくなるのだなあ、と実感した。