ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

違いすぎるとわからない

2010-01-23 13:50:12 | Weblog
久しぶりに、新社会人だった頃のことを思い出した。
きっかけは、先日「バブル勝ち抜け組」という雰囲気のおじさんに会ったから。

私が大学生だったときにバブルがはじけた。
大卒とはいえ、いい大学でもない女子学生にとっては、
「今年は女子の採用はありません」という通知が、
会社と言うものとの最初の出会いだったかもしれない。

やっと入った会社には、
バブルの残り香をぷんぷんさせた、ほんの少し目上の先輩、
というのが、たくさんいた。
彼らとは、ものすごく話があわなかった記憶がある。

主任、係長、課長、部長と上を見て行くと、
会社や社会に対する視線というのは、人によってこんなにも違って、
いろいろあるものなんだなあ、と思った。

私は中国語が少し話せたおかげで、
新入社員の当時から、新しく始まった中国プロジェクトの一人として、
会社の偉い人たちと一緒に中国へ出張に行く機会があった。
いまから15年くらい前の話だ。
まだみんなが手探りで、しかも浮ついていた。

取引先の人たちもみんな50~60代のおじさんで、決裁権をもち、
中国へ行くのはビジネスと、夜の遊びが目的。
やたらと中国出張に行きたがっていたと思う。

白人の仲間入りをしたかったけど無理だったから、
中国で少し偉くなった気分を味わう、というような雰囲気。
だからといって、なぜ、団体で女性を買いに行くのか・・・。
私はいまでも、そういった心情がわからない。

「本物」の人たちは違ったのかもしれないけど、
私が対中国プロジェクトに関わるのがイヤだ、と思った一番の理由は、
札束で中国人の顔を叩くような、日本のおじさんたちの態度だったと思う。
いまは、そこまで露骨なことをするほど、日本と中国の格差はないと思う。
都市部においてだけど。

いまは私もそんなに純情ではないから、
ビジネスを円滑に進めるためなら、夜、そういうお店に行ったらいい、
とは思うけど、値段交渉は自分でやれ!と言いたい気持ちに変化はない。

そういったことを思い出しながら、振り返ってみると、
バブル中に管理職になった人と、バブル崩壊後に管理職になった人は、
全然雰囲気が違うと思う。
一番違うなあ、と感じるのは、何と言うか、「余裕」みたいなもの。
大企業でバブルの絶頂に成果を上げた人は、
揺るがない自信のようなものをもっている。
これは、バブル崩壊後に管理職になった人の自信とは違う。
いまの管理職の人は、いま成功していても、いつ足下をすくわれるかわからない、
という気持ちがどこかにあると思う。

タイミングとしてバブルのままうまく抜けた人、定年間際でリストラにあった人など、
仕事をしていると、こういったまったく違う世界の人に会うことがある。
先日会ったそのおじさんと会っている外人のみなさんは、
普通の日本人の生活がいまどんななのか、きっと勘違いすることだろう。
なんとなく、ようやく格差社会の到来を肌身で感じ、
テレビなどでみんなが話している格差って、目で見えるとこんなふうなのか、と思った。
いずれにせよ、私の日常とは無縁のような気がする。


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