ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

人事評価

2014-01-11 12:34:24 | Weblog
今週はハードだった。
中国は春節を控え、人事評価と昇給、転職の季節。

2013年より導入した日式能力主義評価制度は、
年始の私の予想どおりうまく機能しなかった。

結果、全体としては昨年の昇給よりも、ずっと多くのお金を払わなければならなくなった。
トップのほうは、2014年の春節後に、制度を修正すると言っている。
日本人のトップは手応え十分という顔をしているが、
中国人のトップは何ともやりにくそうにしている。

そして、中国人のスタッフたちは、
攻略法が読めた。上が点数をつける傾向さえわかれば、昇給率10%を確実にものにできる。
少々制度が変わっても、上の人間が同じならば大差ない、と。

上に政策あれば、下に対策あり。
中国人というのは、本当にスゴいと思う。

どのような制度であっても、運用しているのは人間なのだから、
最終的に攻略すべきは人間である。
誠に、そのとおりだと思う。

ということで、歴史書等を見ていて「トップは少しバカなくらいがいい」というのは、
こんな組織のことを言うのだろうと思った。

新しい制度は、必ずその前にあった歪みを修正するために導入され、
そして必ず、誰かが割を食う仕組みになっている。
成果主義の導入では、日本であっても中国であっても、そしてかつてのアメリカであっても同じ。
若い人のところに出る。

古くからいる人は「既得権益」を守るために、そのための「目標設定」を部下に対して行う。
ある人が永遠に自分を抜けないように操作することは、いともたやすい。
成果を多面的に評価し、上に引き上げて行くために作った制度が、
逆に、ある人の可能性を閉じ込めることになる。

そして、若い人のほうが、このジレンマに直面しやすい。
誰もが努力しているのだから、「がんばりました」は、
評価対象として最初の段階で目標欄に記入されていない限り、評価の対象とはならない。
例えば新人ならば、きちんとホウレンソウをできることがあなたの「成果」ですと言っても、
その先、自分が欲しい地位と評価までの長い道のりを思って、彼らは焦る。

何より、自分よりたった1~2年はやく入った先輩が、
能力の差はほとんどないのに、自分よりも1.3倍から1.5倍の給料をもらってる。
それを是正するための制度だと言っていたのだから、
私はこんなに頑張ったのだし、会社は自分のことを期待してくれて、
もしかして自分だけ飛び級できるのではないかと期待する。

でも、結果はそんなに甘くない。
幻滅して去って行く。

中国は、特に上海は、バブル崩壊後の日本に似ていると思う。
バブルに間に合って入社した人と、そうではない人の差が大きく、
人民元が高くなっていることによる空洞化や競争の激化が、若い人を直撃している。

ちなみに、私は、今の会社のバブル期が終了した後の入社組なので、
若い人と同じくらいに割を食っている。と、思っている。
そんなつもりはなかったのだが、同じ職位の中国人マネージャーからそう言われたので、
きっとそうなんだろうと思う。

魚心あれば水心だったか。
会社をふくめ、社会に対し、愛情をもつことは、非常に難しいと思う。