ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

予想どおり

2011-01-05 22:29:23 | Weblog
昨年読んだ本の冊数は107冊。
煩悩の数まで、あと一冊足りなかったのが、返す返すも残念だ。

さて、昨日悩んだ上にブーたれていた
『ダライ・ラマ法王に池上彰さんと「生きる意味」について聞いてみよう』という
タイトルが長い本。
予想どおり、結構よかった。

ダライ・ラマ法王の言葉なんだから、面白くないわけがないんだが、
一昨日あたりから、頭の中でぐるぐると考えていたことについて、
いくつかピッタリの言葉をいただいた。
もわもわしていたものに言葉というかたちがつくと、思考はグッと加速する。
このギアチェンジの感覚が、私が本を読むうえでの最大の快感だ。
今年一冊目としては、なかなかいいスタートだった。
さすがだ。ダライ・ラマ法王。

ただ、あえてここでもう1つ難癖をつけると、
お昼休みの1時間に読み終わってしまうくらいの分量だった・・・。
上製の本は重いから、
せっかく会社まで持って行くのだし、もう少し日持ちしてほしいと思う。
タイトル、こんなに長いんだからさあ・・・とかなんとか言ってみる。

そしてまた今日も、本棚を見上げ、明日どの子を連れて行くか悩む。
それにしても、こんなに読もうと思っている本のストックがあるなんて、
私はなんて幸せ者なんだろう。
無計画に本を買い過ぎなだけだとも言えるけれど、
日本という国に生まれてよかったと思う瞬間だ。

昨晩、寝る前に読んだシモーヌ・ヴェイユの工場日記には、
出来高制のお給料が細かく書き込まれていた。
そして、今日読んだダライ・ラマ法王の本には、
1996年にダライ・ラマ法王がイギリス女王のお母様と会ったときの会話が載っていた。
ダライ・ラマ法王の「あなたの目から見てこの世はよくなりましたか?」という問いかけに対し、
女王のお母様は躊躇なく「よくなった」と答え、
理由としてまず「人権が認められるようになったこと」をあげられ、
「そして自己決定ができるようになった」と答えられたらしい。

1世紀もの長い目で見たら、確かにそうおっしゃるのにもうなづける。
本がこんなに自由に手に入るのも、私がいまの日本にいるおかげだ。
思う存分、この幸せを享受させてもらおう。