2020年 デンマーク
監督:トマス・ビンターベア
出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン、ラース・ランゼ、マリア・ボネビー、ヘリーヌ・ラインゴー・ノイマン、スーセ・ウォルド
生徒に尊敬も期待もされず、また自分自身も生徒に何の期待も愛情も持てない、ただ淡々と仕事として授業をこなすだけの高校教師のマーティン。そんなだから家庭でも家族との関係は良好とは言えない。ただ、3人の同僚たちとは仲が良く、彼らと過ごす時間だけが、彼を生き生きとさせているのだった。ある日、いつものように集まった彼らは、、ノルウェー人の哲学者の「血中アルコール濃度をある一定に保つと想像力が増し仕事の効率も良くなる」という理論を自分たちが実践して検証しようじゃないかという話で盛り上がった。マーティンは、朝から酒を飲み、軽く酔った状態を保ったまま授業を行ったが、思った以上に上手くいき、生徒たちも彼に引き付けられていった・・・
驚くほど突飛なSF的設定じゃないけど、ありそうでなさそうなところを突いていて、"やられた"感のある映画でした。主人公たちのおかれている環境というか、彼らの状況というのは、誰もが想像できる範囲のリアルなもので、そこにちょこっと非日常が加わって、興味深いエンターティメントになってるんじゃないのかな。最後は、ビノシュの『五月の花嫁学校』と同じで、唐突な感じはするんだけど・・・それが愉快に感じられたということは、それまでがちゃんと作られていたってことなんでしょうね。