『ミラクルバナナ』

2005年　日本
監督 ： 錦織良成
出演 ： 小山田サユリ、山本耕史、アドゴニー、スタンリー・ダルシッド、津田寛治、かとうかずこ、佐戸井けん太、小日向文世、緒形拳、宮崎美子、長谷川初範、山口美也子、尾美としのり

タヒチを希望していたつもりが、ハイチ共和国に大使館の派遣員として赴任することになってしまった女の子が、西半球最貧の国と言われるハイチの子ども達のために、バナナの木から紙を作ろうとする話。なんでも、実在に、実を収穫した後のバナナの木から紙をつくるプロジェクトがモチーフなんだそうですよ。

キャスティングを見ているだけで、なんとなく映画の方向性っていうか、映画の個性が見える気もしますよね(^^;。

キャスティングといえば・・・すごく頑張っているけど、環境問題に取り組んでますとか、貧しい子ども達を助けたいんですとか、そういう大上段からの必死さを押さえて、明るくポワンと主人公を演じている小山田サユリさんは、とっても好かったのですが・・・なんといっても、アドゴニーさんが凄いです。バラエティーなんかでは、ステキという形容詞からは程遠いキャラの彼ですが、抑えた静かで優しい演技に、正直、はまっちゃいますよ(^^;。

とにかく・・・けっして押し付けがましくなく、でも、映画を作った人たちの伝えたいことがシッカリと伝わってきる映画で・・・しかも、娯楽作品としても、ちゃんと楽しめるように出来ています。わたし的には、かなりお勧めの映画ですよっ!!

『同窓会』

2008年　日本
監督：サタケミキオ
出演：宅間孝行、永作博美、鈴木砂羽、二階堂智、阿南敦子

サタケミキオ氏の噂は、伝え聞いていたのですよ。「けっこう良いよ」って。でも、俳優としての宅間孝行さんのイメージが先行してしまって、なんとなく「可もなく不可もなく」的な印象が拭えなくて・・・舞台を拝見することもなく、今まで見過ごしていたのです。この映画も、地味に「良いらしい」とは聞いていたのですが・・・はぁ～、なるほどねぇ～、たしかに、噂は嘘じゃなかったですね(^^)。

なんていうか・・・すごく可愛いんですよ。アイドル的な可愛さとか、ギャル的な可愛さといった、きゃぴきゃぴした可愛さじゃないんですよ。メルヘンとかファンタジーとかでさえない。もっと「くすっと笑える可愛さ」とでも申しましょうか・・・人が愛しく感じられる可愛さなんです。
主人公の高校時代のシーンと現在のシーン、同じくらいのバランスであるんですけど・・・以外に、現代の方が可愛いんですよ。高校生の頃のシーンは、誰が撮ってもあれくらい可愛いと思うんですが、現代のシーンが、あんなに可愛いって・・・やっぱり、サタケミキオ監督の技ですよね(^^)。

それにね・・・卑怯じゃない作りだったことに、ものすごく好感が持てました。ミエミエのどんでん返しも含めて、すべてのオチの伏線を、ちゃんと分かりやすく提示してくれているのが、ほんとうに気持ちよい作り方でした。そういうところ、ちゃんとしてくれてない作品って、わたしは嫌いなんですよね(^^;。

で、最後に余談ですが・・・重さん、ちょびっと出てた(笑)。