映画鑑賞感想文

濫観っていうか、乱観っていうか・・・ポリシーないですけど(^^;

『ナイロビの蜂』 '05 英

2006-05-25 17:43:21 | Weblog
【スタッフ】
監督:フェルナンド・メイレレス Fernando Meirelles
製作:サイモン・チャニング・ウィリアムズ Simon Channing Williams
製作総指揮:ジェフ・アッバリー Jeff Abberley
ジュリア・ブラックマン Julia Blackman
ゲイル・イーガン Gail Egan
ロバート・ジョーンズ Robert Jones
ドナルド・ランヴォ Donald Ranvaud
原作:ジョン・ル・カレ John Le Carre
脚本:ジェフリー・ケイン Jeffrey Caine
撮影:セザール・シャローン Cesar Charlone
プロダクションデザイン:マーク・ティルデスリー Mark Tildesley
衣装デザイン:オディール・ディックス=ミロー Odile Dicks-Mireaux
編集:クレア・シンプソン Claire Simpson
音楽:アルベルト・イグレシアス Alberto Iglesias
【スタッフ】
レイフ・ファインズ Ralph Fiennes 
レイチェル・ワイズ Rachel Weisz
ユベール・クンデ Hubert Kounde
ダニー・ヒューストン Danny Huston
ビル・ナイ Bill Nighy
ピート・ポスルスウェイト Pete Postlethwaite
ジェラルド・マクソーリー Gerard McSorley
ジュリエット・オーブリー Juliet Aubrey
リチャード・マッケーブ Richard McCabe
アーチー・パンジャビ Archie Panjabi
【ストーリー】
英国外務省一等書記官のジャスティンは、代理で出席した講演会で、猛烈に噛み付いてきた弁護士のテッサと惹かれあい、結婚する。そして二人は、ケニアのナイロビに行く。ガーデニングが趣味である事なかれ主義のジャスティンと、問題意識が強く行動派のテッサは、お互いに相手の仕事に干渉しないことで良好な関係を維持していた。が、ある日、テッサは救援活動の為に出向いた土地で何者かに殺されてしまう。警察は同行していた黒人医師アーノルドを疑うが、ジャスティンにはそれが信じられなかった。とはいえ、妻とアーノルドとの間に、自分には立ち入れない強い絆があることを感じていたジャスティンは、真実を求めて事件を調べ始める。すると、たちまち彼の捜査に妨害が入り、テッサの突き止めたものが巨大製薬会社とボランティア活動に関わった国際的陰謀であったことを知る。当然、ジャスティンの身にも、テッサと同じ危険が迫ってきた・・・
公式ホームページ http://www.nairobi.jp/

【個人的感想(多少、ネタバレあり)】
う~ん・・・微妙(^^;。悪くはなかった・・・全然、悪くはなかった。ル・カレ原作だから、あまり華やかなエンターティメントは期待してなかったけれど、その点においては期待以上だったし・・・アフリカ大陸を疾走するレンジ・ローバーに見惚れたし(^^;。
じゃぁ、何が微妙だったかと言うと・・・テッサのジャスティンへの愛情が、本当らしく見えなかった点かな。ラストで、テッサは本当にジャスティンを愛していたんだってことを、作り手側が強く訴えてくるのを感じたけれど・・・それでも、今ひとつ、それが信じられなかった。ジャスティンがテッサに惹かれていくのは、よく分かった。好きだけど彼女に立ち入っていけない躊躇いや淋しさ、自分の知らない妻を知っている人たちへの嫉妬、だからこそ彼女の死の原因を自分の手で突き止めたかった気持ちなど、とても良く理解できた。けど、テッサが何故ジャスティンを選んだのか・・・彼が彼女の活動にとって最高に都合がいい男だったという以上のものを感じられなかったので、とても美しいラブストーリーだとは受け止められなかった。それならそれで、愛した女に利用され取り残された男としてジャスティンを描ききってしまえば、潔くて面白かったかもと思う。
それでも、一箇所、涙が零れてしまったシーンがある。それは、証人となる医師を追ってジャスティンが難民キャンプに行ったとき、盗賊団が現れて、キャンプの人たちが逃げ惑うシーンだった。ジャスティンは、一人の少年を自分が乗って来た支援グループの飛行機に逃げ込ませるのだけれど、支援団のパイロットが少年は乗せられないと言うのだ。「今、この子を降ろしたら、この子は死ぬ」と怒るジャスティンに、パイロットは静かに「外には何千もの難民がいる。皆は助けられない。だから、例外は作れない。これが、ここの現実だ」と言うんです。すると、二人の言い争いをジッと聞いていた少年が、自ら飛行機を降りて、走り出すんです・・・これには、参りました。今、書いてても、涙が出てきます。現実・・・そう、現実は、あまりにも厳しい。それを、子どもたちが受けいれている。一方では、セレブじゃなんじゃと、馬鹿みたいな金の使い方をしている連中を、持て囃しいてる国もあるというのに。
というわけで(どういうわけだろ(^^;)、ル・カレの原作ですから、プロットは、めちゃくちゃシッカリしてます。役者さんも固いところを使ってきています。個人的には、主演のお二人は苦手なのですが、一般的には良い配役と言えるでしょう。悪役ペレグリン役のガイも、好い味を出してました。映像もキレイで、展開もスタイリッシュってやつだったし・・・トータルでは、とても良い作品と言ってよいのではないでしょうか(^^;。
コメント
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