オリジナルインテリア「Rose Party~Since 2003~」マキとスタッフのブログ♪RueRueと薔薇♪

20周年!オリジナルインテリアと大人可愛いファッション、高橋真琴の生活用品を少女のココロを忘れない女性たちへ。

小池真理子講座・第二回!

2009-12-11 | 遠藤周作、エミール・ゾラ、ロシア文学・英国児童小説などマキの図書館
まいどデス。
本日の新作・Candyベアちゃん、爆発的人気を頂戴しております!
ランチパラソル以外は初回の入荷分はすべて完売しましたが
来週また再入荷予定ですので引き続きご注文お待ちしております☆彡
人気ランキング・・・
1位! 予想通りのカフェカーテン♪
2位! 予想通りのトイレマット&フタカバー
3位! 予想外? のミニトート^_^;

今夜はやります。真理子講座。
やろうやろうと思いつつ、忙しくてなかなかできませんでした。
あたし、変に神経質なところがあり、やるならちゃんとやりたいんです^_^;
ちゃんと・・・ってのは、つまり、きちんと書きたいんです。

♪悠希さま♪♪理恵さま♪♪利枝さま♪♪あかねさま♪♪恭子さま♪♪直美さま♪♪千佳さま♪♪愛さん♪はじめ、大切なお客様方から、このブログで小池真理子を知り、読んで大ファンになった!
とメッセージを頂戴しております♪
めちゃうれしいっす^m^
今夜も悠希さまから、「『老後の楽しみ』が本当に傑作でした』とご感想いただきました。
以前、チラッと書いたことを覚えてくださっていて・・・。

『老後の楽しみ』に触発されましたので、第二回は、短編の名手とも言われる真理子さんの短編集を幾つかご案内いたしましょう。

多くの人は、長編作家を尊敬しますが、わたしは「面白い短編」の書ける作家を敬愛しております。
実は、短編って、長編よりもずっとずっとムツカシイ、ということは、多くの作家さんたちが告白されていますね。
原稿用紙にしてたった数十枚という短い中で起承転結をつけ、
特にラストを鮮やかにキメることが重要とされる短編。
とにかく「面白い短編」は、巧い作家にしか書けません。
現代作家の中では、小池真理子さんがNo.1だと言っても過言ではありません(ちなみにわたしは太宰の短編も好きです)。



まずは、1989年に日本推理作家協会賞・短編部門を獲った『妻の女友達』からまいりましょー。

☆妻の女友達
・菩薩のような女
・転落
・男喰いの女
・妻の女友達
・間違った死に場所
・セ・フィ二 終幕

おススメはやはり『妻の女友達』です。

市役所の戸籍係をし、美人ではないが清楚で控えめな妻と三歳になる娘との、ささやかで平凡な暮らしに
満足している広中肇。
波風の立たない暮らしをこよなく愛する夫婦の前に突如現れた、妻・志津子の学生時代の女友達・・・美雪。
彼女はまさに、平和な家庭を波乱に導く、悪魔のような闖入者だった。

女流評論家として活躍する美雪の家政婦として雇われた志津子。
美雪の慌しい生活に振り回されるうちに、いつしか家庭は荒れてゆく。
肇は決心した。美雪を・・・あの女を・・・あの妻の女友達を何とかしなければならない。

ラストには、控えめで清楚なはずの妻が、颯爽と豹変します。

☆『薔薇の木の下』

・春の水音
・囚われて
・封印の家
・老後の楽しみ
・妻と未亡人
・薔薇の木の下
・秘密(書き下ろし)

1997年1月初出の『春の水音』をおススメします。

「突然ですが、水の音を聞いたことがありますでしょうか」
主人公の海堂親娘の家政婦をしていたカツヨの語りかけから始まる。

「奥さまは百合子さま、お嬢様は蕗子さまというお名前です。お二人ともお美しくて・・・
奥さまは当時四十一、二歳でしたでしが、わたしなど、初めてお目にかかったとき、奥さまではなくお嬢様ではないのか、と目を疑ったほどでした。
蕗子さまのほうはと言えば、一言で申しますと、女優のような美しさでした。
と言っても、はすっぱな色気を見せる女優さんではありません。もっと別の、たおやかであどけない・・・」

夫を亡くしている百合子の元へは、正木という背の高い男が
頻繁にやってきていた。
正木は微笑を絶やさない、穏やかな人柄。
二人は愛し合っていた。

ある日、二人でクラシックコンサートに行く予定だったところ、
百合子は風邪をこじらせてしまう。
百合子は、自分の代わりに・・・と、娘の蕗子をお供させる。

その夜から、姉妹のように仲のよかった親娘の関係は破綻する。
蕗子と正木の間に、恋が芽生えてしまったのだ・・・。

簡単に言うと、母親の恋人を娘が奪ってしまった・・・という、まあ、小説の中ではよくある出来事ですが、
実は、ここからがこの小説の本番なのです。
恋人を奪われても、決して感情的にならない百合子と、罪の意識に苛まれる蕗子との間に繰り返される優しい芝居。

しっとりと書き上げられた文章に、逆に、百合子の悲しみを切々と感じることができ、
百合子が選んだ結末・・・そのきっかけには、胸を締めつけられるような想いがします。

さらに!
この話の語り手となっている家政婦・カツヨの現在には驚かされます。


☆恐怖配達人 カバーどっかいったな・・・

・梁のある部屋
・喪服を着る女
・死体を運んだ男
・老後の楽しみ
・団地
・霧の夜

悠希さまも絶賛してくださった『老後の楽しみ』(1990年・上記の『薔薇の木の下』にも入っています)。
コレは、最高におもしろいです。
わたしの中では、真理子短編のベスト3に入ります!

毎朝、新聞の「人生相談コーナー」を読むのを楽しみにしている、どこにでもいる普通の主婦・芙美子。
六十七になる夫と、三十五になる息子は、揃いも揃って「退屈なお化け」。毎日、判で押したように七時には帰ってくる。

それでも、人生相談の投稿者のように、借金にも、財産争いにも、夫の浮気にも苦しめられていないことに感謝しなければ・・・
もう少ししっかりしなきゃ、と芙美子は自らを励ます。

そんなある日、芙美子はふと、一人で鎌倉にでも行ってみよう、と思い立つ。そこで出会った、老人三人組。
西村八重、服部銀子、そして・・・寒河江(さかえ)老人。
鎌倉での出会いをきっかけに、
三人は一気に仲良くなる。

紳士的で、七十五にもなるのにどこか性的魅力を感じさせる寒河江老人に、
芙美子は少女のような恋心を抱き始める・・・。
芙美子の気持ちを知ってか知らずか、
「きれいだよ、お芙美さん・・・」そうささやく寒河江に、もしかしたら・・・?
と、夢みる気持ちを抱きはじめたころ、
退屈お化けの息子にも婚約者ができ、
ようやく自由になれる、と喜ぶ芙美子。

しかし、待ち望んだはずの「自由」は、寒河江ら老人三人組の手により、
思いもかけない形で芙美子を陥れた・・・。

初めて読んだとき、
こんなストーリーよく考えつくな・・・と、唸ったものです。
あまりにもおもしろくて、もう数え切れないほど読んでいますが、
何度読んでも飽きない、おもしろい。

☆『うわさ』
・独楽の回転
・災厄の犬
・ひぐらし荘の女主人
・うわさ

これはもう、四作とも独特のおもしろさです。
強いて言えば
『独楽の回転』と『災厄の犬』でしょうか。
どちらも、小池真理子独特の観点から書かれた第一級の短編です。

『独楽の回転』に描かれる、とにかくせわしない、とにかく絶えず動きまわっている夫・清原の描写には
思わず笑いがこみ上げてきながらも、
その妻で主人公の麻子同様、一種の恐怖すら感じます。

「この清原が嫌うもの、それは、停滞、憂鬱、悲観、怠惰・・・・・・
僕は欠伸してケツを掻いて一生を終えるような奴と同等に扱われたくない。
何故かって?
僕の明日は、欠伸してケツを掻いているような奴らとは明確に違うからですよ」

この夫・清原のセリフがおもしろすぎるのですが、
本当にこんなのが夫だったら、わたしも麻子と同じように・・・

さて、麻子は何をやらかすのでしょう。

『災厄の犬』は、
家族が拾ってきた犬が家にやってきてからすべてがおかしくなった、と言って、
犬に敵意と殺意を覚える主人公の話ですが、
こんなストーリー、小池真理子以外には書けないでしょう。

☆『命日』

・命日
・家鳴り
・流山寺
・水無月の墓
・ミミ

真理子さんお得意の幻想・恐怖小説集。
真理子さんの書く恐怖は、わたしたちの日常とも密接に関わりあっている気がして、
それだからこそ、フツーの恐怖小説には感じない、
現実的な恐怖を感じ、
そこになぜか心地よさをも付随してくる・・・という不思議な感覚です。
たぶん、ロマンティックなんですよ、ロマンスがあるんです。

『家鳴り』をピックアップ。

亡くなった義理父の部屋が壊れていく・・・・・・黴に覆われ、畳が傾き、壊れていく・・・
工務店に修理を頼んだのに、きちんと日付まで決めて約束を取り付けたのに、
いつまでたっても修理が・・・来ない。
どうして? なぜ? なぜ来ないの? 部屋が壊れてしまう。もうだめだ。
それなのに、なぜ、来てくれないの・・・?

いつまでたっても修理に来てくれない、その現実も怖いけれど、
なぜ工務店の店主が来ないのか、その理由も怖いのです・・・



はあ。
めっちゃ時間かかりました^_^;

次回もお楽しみに^m^

現在23:15・・・
仕事ほっぽらかして書いてしまったので今からまた・・・仕事デス。馬車馬はツライよ。