風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

秩父巡礼記外伝 2(May)

2014-10-29 | 埼玉
その1からの続きです。

○ 巡礼ハイキング

秩父巡礼第2回目は、ひと月後の5月にしました。
暑くなる前に行っておきたいと思いましたが、連休が明けると、すでにじりじりと日差しが暑い日が続いています。
さらに私はこの時、関西旅行から夜行バスで東京に着いた早朝、その足で秩父に向かうという、かなり無謀なスケジュールを断行したため、はじめからかなり体力がない状態です。



前回よりも1時間早くに集合して、西武鉄道主催の巡礼ハイキングに参加しました。
この日の巡礼の詳細については、こちらにまとめてあります。
          ■ 秩父札所巡礼2(2014.5.11)

ゴールデンウィークを過ぎると、さわやかな気候というよりもう夏の暑さが出てきています。
日差しが強いわ~。
でも今回は、同じルートを周っている人々が大勢いるため、力づけられます。



「みんなと一緒に歩いて行ったら、迷うこともないから楽だね!」と2人で油断していたら、思いっきり一つのお寺を訪ね損ねてしまったことにあとになって気がついて戻りました。
そう、みんながみんな、同じ順番でお寺巡りをしているわけではないというトラップがあったんです。





巡っているうちに、ランチタイムが近づいてきましたが、あたりにお店は全くありません。
食事処どころか、お弁当屋さんさえないのです。
というより、ものを売っているお店自体もありません。なんにもなーい。





○ 他人どんぶり



この日のハイキングルートは半日コースだったので、まずはすべて巡り終えることにしました。
秩父鉄道の白久駅がハイキングのゴール。それから、秩父駅へと戻る人々とは反対方面の電車で終点の三峰口駅まで行って、そこでランチにしました。



駅前食堂は古めかしい店内で、色あせた写真が飾られています。
昔から、登山客と三峰神社参拝者をもてなしてきたのでしょう。



メニューに他人丼があるのを見つけて、迷わずそれをチョイス。
だって他人丼って、なかなか食べる機会がないですからね。





「他人丼ってなに?肉玉子丼って・・・」
「親子丼が鶏肉と卵のどんぶり。他人丼は、豚肉と卵を合わせたどんぶりよ」
「オオー!」
ショウに他人丼の説明をしながら、おいしくいただきました。



○ SL出発

と、汽笛の音が辺りに鳴り響きました。
いつの間にかSLが駅に到着しており、そして出発するようです。



カメラをつかみ、お店を飛び出して、ダッシュで見に行きましたが、もう先頭の黒い機関車部分は見えなくなっており、あずき色の客車が去っていくのを見送りました。
お店に戻ると、ショウは「すばやいね~」と言いながら、のんびり席に座っていました。



1回目の巡礼では、町なかのお寺をメインにめぐりましたが、今回のお寺は山寄りの、アクセスしづらい場所にあります。
鍾乳洞の所にまで行ったり、ダムを通りすぎたり、行程はなかなかハード。
でも歩きながら、秩父の自然を十分に堪能しました。





○ カルガモかあさん

途中、カルガモの親子のお散歩に出くわしました。
お散歩というか、(網の中に入りたいのに、どこまで行っても区切れがなくて入れないのよ、困ったわ~)という感じでした。
様子を見守っていたら、くるっと向きを変えて今度はこちらにやってきます。
お母さん鳥のあとを、何羽ものコガモたちが一生懸命ピヨピヨついていきます。かわいーい。





彼らの横を車が通って行った時には、はらはらしました。
あんまりかわいいので、動画を撮っちゃいました。
動画はこちら。カルガモの親子


この日は、大きな橋もいくつか渡りました。





行けるはずの道が封鎖されていると、まるでダンジョンにいる気分。
迂回路をとおってぐるっと回ったりもしました。



ようやくたどり着いた山の上の岩上堂。大変だった分、見晴らしが気持ちいい~。



地図ではわからない起伏のある地形は、なかなかの体力勝負。
猫が二匹、同じような顔をしてひなたぼっこをしており、ほっこり癒されました。



帰りのホームでは、「あの花」コーティングの西武鉄道が停まっていました。



なかなかがんばって巡り、おおよそ予定通りの行程を辿れたので、満足感は高かったのですが、この日は暑さと疲労の蓄積で、もうくたくた。
夜行バス翌日に休憩なしでトライするには、秩父巡礼はハードすぎました!
おそるべし、チチブ。
次回は睡眠をたっぷりとって臨むわ!
まっすぐ家に帰って、バタンキューで寝ました。

その3に続きます。

     ● 秩父巡礼記外伝 index

秩父巡礼記外伝 1(Apr)

2014-10-29 | 埼玉
○ プロローグ

今年は秩父巡礼の御開帳年。
秩父にある34カ所巡礼霊場が、12年に一度御開帳をしている年です。
関東とはいっても秩父はとても遠い場所。
大変なのははじめからわかっているので、どうしようかな~~と思っていましたが、去年の夏に秩父を訪れた時に、素朴な自然と古めかしいお寺が気に入って、(やってみようかな)と思うようになりました。

御開帳期間は、まるまる1年間ではありません。
3月1日から11月18日まで。
つまり8.5か月です。
秩父の自然が厳しくて、雪に覆われてしまうからでしょう。

○ ゴッドからブッダへ

巡礼の友は、アメリカ帰りのショウ。
17、8年アメリカで暮らしていたため、日本のことがかなりわからなくなっているようです。
思考もアメリカンっぽくなっていて、「ジュンレイ?それをすることで、どんなエフェクトがあるの?」と聞かれ、たじたじになりました。
さすが、合理主義の国~!
ブッダではなく、ゴッド文化の方が身近なショウに説明をしながらの巡礼。
さて、どうなることでしょうか。

今回、外伝と銘打ったのは、お寺をメインにした秩父巡礼記には載せなかったサブ日記になっているためです。
メインの巡礼記はこちら。→『秩父三十四ヶ所観音霊場 index』
お寺に興味のない方には、サッパリだと思いますが(^_^;)

○ 不慣れな秩父

秩父巡礼第1回目は、4月に行いました。
秩父には一度来たことがあるきりで、ほとんどなじみのない場所です。
土地勘は全くないし、ほとんどアメリカ人になっているショウは、秩父自体わかっていない様子。
それでも一緒に巡ってくれることになりました。

8時半に新宿待ち合わせ。
休日なのに早起きしましたが、それでも秩父に着いた時にはもう昼近くになっていました。

○ 芝桜シーズン



都内から秩父へ向かう人々は、みんな巡礼者だと思っていましたが、途中の羊山公園で、電車の乗客はほとんど降りて行きました。
どうやら、シーズンの芝桜を見に来た人たちのよう。



秩父鉄道の「御花畑駅」が「芝桜駅」に代わっていました。
えっ?? それ、アリなんでしょうか?
「うどん県」と名乗りを上げた香川県みたいな感じ?

○ 二種類の聖地



まずは観光案内所で情報収集。秩父駅周辺の地図をもらいます。
霊場の地図は、すでになくなっていました。みんな巡っているんですね~。



『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(あの花)』の登場スポットが記された地図が、一人一枚限定で配られており、気になって、いただきました。
こ、これも確かに聖地巡礼になるけど、ベツモノよ~。
公式地図が作られるあたり、とても人気なんだなあと思います。
町を上げて、秩父札所と「あの花」、両方の聖地を推しているようです。



ショウにとっては、巡礼も日本アニメも、同じくらい珍しいもののよう。

○ わらじかつ丼

まだどこも周っていないのに、もう昼近く。
これからどう動くかを考えるためにも、まずはランチにすることに。(何しに来たんじゃい)



仲見世通り内にあるお店で、名物の「わらじかつ丼」をいただきました。
巨大なかつ丼にびっくり。
すごくボリュームがありそうですが、電車に揺られて秩父に来ただけでもおなかがすいています。
しかもこれから歩くのですから。





○ 「あの花」だらけ

仲見世通りには「あの花」のポスターや関連グッズが売られていました。
ジンタがわらじかつ丼を食べています!



さらに、超平和バスターズの秘密基地を再現した場所までありました。
これはファンはたまらないでしょうね。





この作品が秩父が舞台だと知り、事前に本を読んでいた私はざっくりわかりますが、ショウは本当にもの珍しそうに眺めていました。

○ 修行ですから

わらじかつを食べて、パワーアップ。
いよいよ出かけます。
この日の巡礼の詳細については、こちらにまとめてあります。
          ■ 秩父札所巡礼1(2014.4.20)

近くのお寺を巡る感じでいましたが、思ったよりもずっと大変でした。
ヒーヒーフーフー言っていたら、ショウが
「でも楽をしたら、修行じゃなくなるもんね」と言いました。
まあ、いつの間に、そんな仏教的なことを考えるようになったの?

○ 五色幕とレインボーカラー

でも、お寺の伽藍に色鮮やかな五色幕がたなびいているのを見たショウは
「あれ、アメリカだとゲイをあらわすよ」というので、ビックリしました。
「ええっ、ゲイ?」
「うん。レインボーカラーっていうんだけどね」
「レインボーって、日本だととってもファンシーなイメージだけど?」
「アメリカで虹色といったら、ゲイの象徴。ゲイは家にレインボーフラッグを掲げてるよ」
「え、こいのぼりのように?」
「まあ、そう」
「じゃあ、nanacoカードとかもそうなるの?」
「ああ、そうだね」
うーん、やっぱり感性が違う!



共通の友人が、アメリカで学位を取った後、帰国してお坊さんになったという話も聞きました。
実家がお寺だったとは。人生いろいろですね。

○ 巡礼装束

これまであまり見たことがなかった、白い巡礼装束姿の人を、よく見かけました。
四国のお遍路さんだけでなく、巡礼でもこれが正装。
本格的です。

この日は、はじめバスに乗った後は、ひたすら歩いていきました。
駅の近くの、巡りやすいお寺を中心に訪れました。

5時になったらお寺の納経所が閉まり、この日の巡礼は終わります。
「疲れたねー」「よく歩いたねー」と言いながら、再び西武鉄道で都心に戻りました。

○ 旧友との再会

新宿でショウと別れた後、二子玉川へと向かいます。
大分の友人アカネちゃんが、10年ぶりくらいに東京にやってきたということで、共通の友人のウサちゃん・ウナさんと会いました。



お店は駅前のRigoletto spice market。
頭上のゆがんだ鏡のオブジェを見上げると、ダリの絵のようにふにゃりと曲がった私が映っていました。



日中、秩父の自然の中にいた時とはがらりと雰囲気が変わります。
久しぶりだからとちょっとおしゃれをしている友人たちの中で、私だけスニーカーにジーンズ。
「ごめんね、巡礼帰りなのよ。」
といっても、みんなはピンときていないようでした。まあそうでしょうね…。

その2に続きます。

のんびり京都巡り index

2014-10-27 | 近畿(京都・滋賀)


◆ 京都旅行記 1日目-1
疲れがたまってしまったので、心身を休めるために京都に行ってきました。
夏と秋の境目の季節はちょうどオフシーズン。
観光地らしくなくすいていて、快適でした。
  ○ プロローグ ○ 新幹線にシウマイに富士山 ○ サントリー工場の見学は
  ○ 粉もんヤッホー ○ 善峯寺(よしみねでら) ○ 大原野神社

◆ 京都旅行記 1日目-2
前は観光客の長い行列で、中に入ることさえできなかったお寺が、今回は貸切状態。
静かな緑の季節も、いいものですね。
お餅を食べてうどんを食べて。
もしかして京都って、かくれたネギ王国?
  ○ 光明寺 ○ 乙訓寺 ○ 長岡天満宮
  ○ 走井餅老舗 ○ 淀川合流地点 ○ 男山ケーブルカー
  ○ 石清水八幡宮 ○ 天狗ラーメン ○ 首途八幡宮



◆ 京都旅行記 2日目-1
叡山電車に乗って鞍馬と貴船に行きました。
2日続けてケーブルカー。
ハイキング日和なので、鞍馬山での怖い体験をクリアしようと、山越えを試みました。
  ○ モーニング難民 ○ 叡山電鉄・ええきっぷ ○ 鞍馬ケーブルカー
  ○ 天狗の鞍馬寺 ○ 奥の院への道 ○ かつては恐怖の魔王殿
  ○ チェーンが切れた ○ トラウマさようなら

◆ 京都旅行記 2日目-2
貴船は山の中なのに、みずみずしい場所。
下山してから、ネギたっぷりの京ラーメンと野卵プリンを食べました。
夕暮れどきの鴨川は、土地の人たちでいっぱい。
不思議な人たちもいっぱいでした。
  ○ 貴船到着 ○ フリーネギラーメン ○ 寿老人のお寺
  ○ 野卵プリン ○ えいでんアゲイン ○ 鴨川デルタのカップル
  ○ 鴨川デルタのキツネのお茶会 ○ バスの中から繁華街


◆ 京都旅行記 3日目-1
この日は一人行動日。嵐山はいつものように混んでいましたが、
市内中心部の寺社はどこもすいていて、貸切状態でした。
おせんべい発祥の地と日本初のコンピュータ学校が京都にあると知りました。
  ○ 別行動デー ○ まずはやっぱり嵐山 ○ 煎餅発祥の地
  ○ 嵯峨野の竹林 ○ 人か猿か ○ 保津川下りの船
  ○ 安倍晴明のお墓参り ○ 不思議な立体鳥居 ○ 下御霊神社
  ○ アイーン狛犬 ○ なじみの場所も無人で慣れず ○ 京都市電車両
  ○ ウサギの神社 ○ お寺貸し切り状態

◆ 京都旅行記 3日目-2
京都には歴史上の有名人のお墓がたくさんあります。安倍晴明と小野篁と紫式部のお墓参りをしました。
町内を練り歩いたお御輿が、氏子たちによって威勢よく神社に運び込まれる様子を見届けました。
夕食はおばんざいビュッフェ。野菜をたっぷりとりました。
  ○ 雨の四条 ○ 菅大臣神社 ○ 火水天満宮の神事と神輿
  ○ 北を守る玄武神社 ○ 小野篁と紫式部の墓参り ○ 鶴屋吉信
  ○ おばんざいビュッフェ ○ 自転車盗 許さしまへんぇ



◆ 京都旅行記 4日目-1
気になっていた台風は夜のうちに去った模様。
嵯峨野で初めて川沿いを走るトロッコ列車に乗りました。
大雨後の川は濁流と化していて、のどかさよりもスリルいっぱいでした。
  ○ 台風接近中 ○ らんらん嵐電 ○ SL喫茶
  ○ トロッコといえば ○ 念願のトロッコ列車 ○ 川は濁流
  ○ 鹿あらわる ○ トロッコ亀岡駅

◆ 京都旅行記 4日目-2
初めて亀岡を訪れ、七福神めぐりをしました。
駅前はパープルサンガのスタジアム移転地となるだだっ広い空き地でした。
自分用のおみやげは、出雲大神宮の狛犬ストラップ。
  ○ JR亀岡駅 ○ ローカル路線バス ○ 穴太寺
  ○ 丹波七福神 ○ 出雲大神宮 ○ 狛犬ストラップ
  ○ 丹波七福神ふたたび ○ 濁流の中の渡月橋
  ○ 夜の晴明神社 ○ 野菜の次はたらふくお肉



◆ 京都旅行記 5日目-1
朝はモーニングセット、昼は京ラーメン。
人と一緒だと、グルメ面が充実します。
突き抜けるような空の下、上賀茂・下鴨、両神社を参拝しました。
  ○ 妙音弁財天の妙音は ○ 京都モーニング ○ みたらしの下鴨神社
  ○ せせらぎの上賀茂神社 ○ 革堂(こうどう) ○ キラメキノトリ

◆ 京都旅行記 5日目-2
最終日は、京都一混んでいる清水寺へ。
縁切り神社やイノシシ寺にも行きました。
新幹線のグリーン車で、旅の余韻にひたっての帰り道。
いつもとは違う、二人で周る京都旅行。楽しかったです。
  ○ 今日も混んでる清水寺 ○ 手さぐりの胎内巡り ○ 縁切り神社は大賑わい
  ○ ○△□乃庭 ○ 風神雷神の御朱印帳 ○ イノシシだらけの摩利支天堂
  ○ 耳が遠い恵美須神社 ○ 六波羅蜜寺・六道珍王寺 ○ そろそろ東寺
  ○ 締めは西本願寺 ○ 夢の新幹線グリーン車 ○ epilogue




のんびり京都巡り 5-2

2014-10-27 | 近畿(京都・滋賀)
5-1からの続きです。

○ 今日も混んでる清水寺

昼食後、清水寺へ向かいました。
みんな大好き、清水寺。
いつ訪れても避けきれないほど混んでいる、京都一の混雑地帯です。
この日もやっぱり人でいっぱい、混んでいるところが苦手なマイコが気になりますが、行くと決心した本人は、戻ろうとは言わずに人込みをかき分けるように進んでいきました。



「修学旅行で来たんだけど、清水の舞台とか全然覚えてないわ」とマイコ。
「えー、ほんとに来たの?」
「それだけ興味がなかったってことね」
右から左に忘れていったのね。
それでみんな、大人になってから再び行きたくなるのかも。



長いこと工事のほろの中だった子安の塔がようやく姿を現したと思ったら、今度は本殿の方がほろをかぶっていました。
こちらもまた、改修までに長い期間がかかるのだろうと思います。

○ 手さぐりの胎内巡り

初めて念願の胎内巡りをしました。一人の時には、いつも早朝に参拝するので、胎内巡り(たしか8時から)は始まっていないのです。
善光寺で体験した時のように、ここも見事に真っ暗で、先に進むのが怖くなります。
私の前にいるマイコは、さっさと先に行ったのか、もう気配さえ感じられません。
逆に、後ろの女性がキャーキャー言うのが堂内に響き、さらに「右に曲がりますー」とか、後ろの人に教え出したので、前にいる私は(おいっ!)と思いました。
一種の神秘体験で、おもしろかったです。



西国巡礼の御朱印をもらい、縁結びの地主神社に群れ集う女子たちの集団を抜けて、丑の刻参りの五寸釘の痕を二人で震えながら観察。
おかげ明神をお参りしました。

境内を出ると、三年坂はもっと人でごった返していました。
人の隙間を縫うように通り、二年坂の八坂の塔の横を通ります。
修学旅行生はいなくなりましたが、今度は舞妓さんの格好をした人と外国人ツーリストの姿をよく見かけました。
誰が通っても、絵になる場所です。



○ 縁切り神社は大賑わい

そして安井金毘羅宮へ向かいました。
ここは、縁切りと縁結びで有名な神社です。
人間関係をすっきりさせたいというマイコを案内しました。



こちらもいつも早朝に訪れるため、無人の境内にある縁切り願掛け石の存在感が怖いのですが、今回は男女問わず、大勢の人たちが石の周りにいました。
みんな、ためらうことなく縁切りの穴をくぐり抜けています。



あまりにたくさんの人がいすぎて、二人で圧倒されます。
座り込んで、願掛け石につける短冊の文章をじっくりと考えている人たちもいます。
みんな、そんなに縁切りしたい人たちなの?
修学旅行の中学生も来ていました。子供にはまだ早い!

この神社にも狛犬は数対いたので、私たちはむしろそちらに気持ちがいって、ウキウキしながら撮影しました。
ここにいる狛犬は、京都で一番古いんだとか。ありがたや~。

○ ○△□乃庭

それから建仁寺へ。
入り口には、このお寺の肩書もちの人々の名前が木札に書かれて掲げられており、名誉顧問として細川護熙元首相の名前がありました。



入ってすぐのところで見つけた、金魚鉢。
赤い金魚がひらひらと尾っぽを揺らしています。
金魚が動くと、水草もゆらりゆらりと揺れて影を落とします。
風情があって、いいですね。時の流れを忘れてしまいそう。



気持ちのいい庭園。参拝者はみんな、和室で足をくずして、庭を見ながらめいめいにくつろいでいます。
あまりに心地よいためか、ごろ寝をしている人もいました。
それを咎めない、おおらかなお寺です。



ここは○△□乃庭。よ、読めない・・・
まるさんかくしかくのにわ、とそのまま読めばよいそうです。
○△□の形を取り入れた庭園。
名前はゆるいですが、これで宇宙の根元を地(□)水(○)火(△)で象徴したものと言われているそうです。



○ 風神雷神の御朱印帳

このお寺の御朱印帳は風神雷神。
かっこいいデザインで、前々から欲しいと思っていたのです。
入手できてうれしい!



ほかにもオリジナルの風神雷神グッズがいろいろとそろっていました。
会計の時に、クレジットカードが使えることにびっくり。お寺でー!
さ、さすがは京都五山の建仁寺です!?
作務衣姿のお坊さんに「一括払いでよろしいですか?」と聞かれて、とってもシュールな気分になりました!

○ イノシシだらけの摩利支天堂

境内の案内に沿って摩利支天が祀られた塔頭に行きました。
イノシシの狛犬がたくさん奉納されていました。全部で5対くらい。たくさんあります。



猪突猛進という言葉がありますね。実際にイノシシ狩りをした知人が、「イノシシは本当に走り出すと止まらないし、体当たりされたら人間は死ぬから、死に物狂いで避けるしかない」と話してくれたことを思い出しました。
どこかから本物のイノシシがドスドスと走って来やしないかと、身構えながらの参拝です。

○ 耳が遠い恵美須神社

そして都七福神の恵美須神社へ。



マイコは、鳥居についた恵比寿様のお顔にお賽銭を投げ入れることに成功しました。
投げるのが下手な私は、普通のお賽銭箱にしておきました。



恵比寿様は、耳が遠いんだそう。
そこで拝殿横の木壁をこんこんノックして、「もしもーし、えびすさま、お願いきいてー」と頼んできました。



○ 六波羅蜜寺・六道珍王寺

そして六道の道を通って、六波羅蜜寺へ。
西国のお寺のつもりでいたけれど、都七福神の案内ばかり。
まちがったのかと思い、七福神だけもらいましたが、やはり西国だったようです。
また行かなくてはいけないわ。



近くにある六道珍王寺では、小野篁が仕えたとされるえんま様の像を見ます。
ここの鐘楼は、外から見えず、ひもを引っ張ると鐘が鳴るようになっていました。



○ そろそろ東寺

東山道からバスに乗って、今度は東寺へ。



七福神の毘沙門天が祀られています。
御朱印をいただきましたが、夕方になっていたため、もう毘沙門堂は参拝できませんでした。
参拝せずに御朱印だけいただいた形になったので、あらためてまた来ようっと。
ここでこの日の御朱印集めはおしまい。

○ 締めは西本願寺

どどーんと大きな西本願寺か東本願寺を見てみたい、というマイコのリクエストで、東寺から向かいやすい西本願寺に行きました。
いつ来ても、その巨大さは肝をつぶすレベルです。



閉門時間が近づくと、お坊さんが木板を槌でたたき始めました。
お坊さんの数は、二人に増え、帰る足を止めて見入りました。
「そうだ 京都、行こう」のポスターになりそうな光景でした。



境内には、園児を模した顔はめパネルがあり、しっかりはまってきました。

○ 夢の新幹線グリーン車

それから宿に戻って預けていた荷物を受け取り、はやばやと京都駅へ。
JR新幹線構内でお土産とお弁当とお茶とおたべを買って、乗り込む準備万端です。



今回は、奮発してグリーン車で帰ることにしました。
広々として贅沢~!!ひざ掛けも貸してもらえます。





東海道新幹線開業50周年記念の赤ワインと白ワインで乾杯をしながら、楽しい旅の余韻を味わいました。



停まった駅でふと見上げると、空の上には月が煌々と輝いています。
旅のはじめには、月を見上げる余裕さえなかった自分が、気がつけば、いつしかその美しさを愛でる余裕を取り戻せていました。



○ epilogue

今回は、疲れた心身を癒すのが目的だったため、無理せずのんびりをテーマに旅をしました。
一つの宿にずっと滞在したのも、住んでいるような気分になれてよかったです。
いつもの一人旅ではできずにいたことをいろいろできて、世界が広がった感じ。
今回、環境に忙殺されて疲れきった私につきあって、苦手な京都を一緒に旅してくれたマイコには感謝感激です。
彼女も、京ラーメンに目覚めたようだし、新たな発見があってよかったわ。
この旅行のおかげで、自分の中が息を吹き返したようです。
気持ちよく、心身再生できました。

紅葉季節はあんなに人でごった返しているのに、今回はすいているところばかり。
シーズンオフに訪れるのもまた、いいですね。

マイコも、前ほどは苦手意識はなくなったよう。
「次に京都に行くのは、2年後くらいかな」
まあそう言わずに~。
そのうちにまた、ネギいっぱいの京ラーメンが食べたくなるに違いないわ~と、にらんでます(笑)
おばんざいにも京ラーメンにも、いつでも付き合うからね!

(おしまい)

     ◆ のんびり京都巡り index

のんびり京都巡り 5-1

2014-10-27 | 近畿(京都・滋賀)
4-2からの続きです。

○ 妙音弁財天の妙音は

京都最終日は、近場でのんびり過ごします。
台風一過で暑いくらいにいい天気。
久しぶりに日傘率が高くなっています。
細道を歩いていたら、妙音弁財天にたどり着きました。
境内の「豊川稲荷 荼枳尼天」を拝殿の上で、ニャンコがねそべって日向ぼっこをしていました。



ペンペンと楽器の音が聴こえてきたので、三味線かしらと思ったら、琵琶を弾いている女性が見えました。
京都どすな~。



○ 京都モーニング

まずは、2日目に探し出せなかった、葵橋そばのコーヒーショップマキでモーニング。
考えてみれば、度に出てからまだきちんとモーニングを取っていなかったのです。



時が止まったかのような、シンプルかつシックな喫茶店。



まわりは新聞を広げた常連客ばかりといった雰囲気です。



厚切りトーストをくりぬいてサラダを入れているのがおもしろい感じ。
お値段は普通の昼食並みで、紅茶にしたら、追加料金がかかりました。コーヒー店だから?



○ みたらしの下鴨神社

そこから歩いて下鴨神社へ。
台風一過で、晴れ渡ったすがすがしい天気。
鴨川も澄んだ水を取り戻しています。



糺の森を通って向かいました。朝の森林浴は、すがすがしい気持ちになります。
境内の河合神社も参拝。
『方丈記』がなんだったかすっかり忘れたというマイコに「あそこにあるのが方丈ですって」と説明しました。
ザックリすぎて、説明になっていません。



境内にわき出すみたらし川も、いつものように澄んでいました。
神社向かいの茶屋でみたらし団子を食べようと思っていたのに、参拝後はすっかり忘れてしまっていました。



京都は本当に神殿狛犬が多いなあと思います。
神社にはデフォルトで置かれているよう。
神殿を撮影するのははばかられるので、今度、目を凝らして見てみてくださいね。

○ せせらぎの上賀茂神社

下鴨神社から、一路上賀茂神社へ向かいました。
青空の下、円錐形の立砂がよく映えています。



境内を流れるきれいなせせらぎに手を浸して、マイコも楽しげな声を上げます。
ここの水は本当に清らか。心が洗われるようです。



市内中心部よりも上流の、この辺りの静かな鴨川の景色が好きです。



○ 革堂(こうどう)

そこから今度は御所そばの革堂へ。おもしろい名前です。
この前行ったばかりの下御霊神社と、目と鼻の先にありました。



西国巡礼地のお寺らしい古めかしさが漂っています。
ここで、西国と都七福神の御朱印2種をいただき、寿老人をお参りしました。



○ キラメキノトリ

そろそろお昼どき。
マイコの希望により、京ラーメンにすることになりましたが、私がチェックしていた九条ネギラーメン店は、残念ながら火曜が定休日。
近くにある「キラメキノトリ」というお店に入りました。
名前からは想像つかないけれど、ラーメン店です。



マイコは鶏白湯。私はそれに煮干しを混ぜた、ニボトリを頼みました。
もちろん、トッピングのネギ追加です。
こうきたので



どーん!とネギを入れて、いただきました。



京風の細麺ではありませんでしたが、こだわった手作り麺でおいしかったです。
北海道と長野とオーストラリアの小麦粉を混ぜてこねて4日内に製麺したものだそう。
小さいお店ながら繁盛していて、店長の心意気を感じました。

5-2へ続きます。

◆ のんびり京都巡り index