○ prologue
しばらくの間、休む暇なく緊張を強いられる日々が続き、多忙で心身とても参っていました。
ようやく一段落がつけることになり、気分転換パワーチャージと療養を兼ねて、どこかに旅行することにしました。
でも、忙しい最中には、旅の計画を立てるどころではありません。
そこで、見知らぬ土地ではなく、毎年行き慣れている京都に行くことにしました。
旅のパートナーは、東京のマイコ。
旅好きながら「京都はあまり好きじゃないの」と言います。
「えっ、なぜ?どうして?」
日本人なら誰もが京都を好きだと思っていたら。
「観光地化してて、すっごく混んでるんだもの。人酔いしちゃう」
「東京だって混んでるじゃない」
「有名どころは修学旅行生だらけなんだもの」
「じゃあ奈良は?」
「奈良は好きよ」
「なんなのー?」
「自分の名前で、よく舞妓ハ~ンってからかわれてきたから、抵抗あるのよ」
そう言われると、何も言えません。
「でも、苦手意識を少しずつ克服したいとは思っているの。
だから京都に一緒に行こう?」
ポリシーをはっきり持っている彼女ですが、それでも今回は、弱った私に合わせて、京都につきあってくれることにしたんでしょう。
自分も忙しい時なのに、ありがとう、マイコ。
いつも一人旅、もしくは家族旅行で訪れる京都。
家族旅行だと、親の希望を叶えるガイド役に徹して、自分の希望は二の次です。
そこで今回は「やりたかったけど、一人ではできなかったこと」をメインにすることにしました。
○ 新幹線にシウマイに富士山
新横浜から8時台の新幹線に乗り込みました。
東京から乗ってきた彼女と、座席で落ち合います。
崎陽軒の特製シウマイをほおばっていると、天気がよい日で、富士山が見えてきました。
同じ車両には、外国人ツアー客も乗っており、ガイドの説明を聞いて「オ~ウ、フジヤマ!」とパシパシ写真を撮っていました。
新幹線にシウマイに富士山、ああ旅行だわー。
そのうち、浜名湖畔も通ります。
「わー、ウナギ食べたいなー」「夜のお菓子ー」
ただ、私たち二人とも、かなりくたくた。
おしゃべりしながらも、うとうとと舟をこぎながら京都に到着しました。
今回は、事前に綿密な計画をたてているわけではない、気ままな旅行。
「あまり京都好きを推さないでね。苦手克服中だから」とマイコから念押しされているため、私が振り回してしまわないよう、彼女に行き先を決めてもらうことにします。
○ サントリー工場の見学は
まずは、サントリー工場の見学に行くことにしました。
山崎にあるサントリーの工場は、ビール工場は京都側、ウイスキー工場は大阪側と、近所ながら二箇所に分かれています。
大山崎山荘の美術館には行ったことがありますが、工場には行ったことはありません。
ビール工場見学は、あちこちでしていますが、ウイスキー工場見学をしたことはないので、ちょっと気になります。
「山崎」というお酒もありますしね。
新幹線の中で決めたため、予約は取っていません。
すぐに移動できるように京都駅から山崎駅まで行ってから電話で確認しましたが、当日の予約は既にいっぱいでした。
残念ー。平日なのに、ウイスキー工場、人気だわ。
NHKの朝ドラ『マッサン』の舞台だからかもしれません。
じゃあ、どうしようかな。
この辺りには、私が前から行きたいと思っていた善峯寺があります。
そこに行こうとちゃっちゃと決めて、向日町駅に移動しました。
新幹線の京都市内JR駅フリーチケットで出ようとしたら、自動改札で抜けられず、精算をしました。
あれ、ここって京都市じゃないの?
向日市(むこうし)でした。読みさえ知らなかったわ。
○ 粉もんヤッホー
東向日駅前に、おいしそうなお好み焼き屋さん「銀の卵」がありました。
おお、関西!なんか食欲をそそられます。
お好み焼きとたこ焼きを食べました。
お好み焼きはネギ大盛りでねっ!
安くて感激~。さすが粉もんの地方です。
焼き立てでおいしいー!ハフハフしながら食べました。
○ 善峯寺(よしみねでら)
善峯寺は、結構な山の中腹にあり、バスは1時間に1本しかこない、不便な場所にあります。
そこで、急遽車を借りることにしました。
予想していなかった展開に、お互いびっくりしますが、この辺りはどこへ移動するにも、交通の便が良くありません。
そして荷物を京都駅のロッカーに入れずに持ってきたため、車のトランクに入れて運べるのが楽。
それにしても、私一人だったら、レンタカーを使おうって発想はなかったわ。
スムーズに手続きは済み、車に乗り込んで出発。
乗っているうちに見る見るうちに空が暗くなり、雨が降り出しました。
山に向かっていくので、憂鬱だわー。
途中、十輪寺の前を通りました。
別名、なりひら寺と呼ばれる、このお寺。
「ここは、平安時代のプレイボーイ、在原業平が、恋に破れて悲しみながら塩を焼いた場所なんですって」と言ったら、説明が足りなすぎて、マイコが「は?失恋したから塩を焼く?」と困っていました。
でも、私も詳しくはわからなかったので、それ以上の解説はしませんでした。(不親切~)
雨はやまぬまま、善峯寺に着きました。
ここに来るのは、ものすごく大変だと思って、今まで尻込みしていましたが、実際には思ったほどでもなく、心細い道でもなく、快適に到着。
あれ、こんなに簡単に来れる場所だったの?
車だから、簡単なんですね。
ただ雨なので、動きが悪くなってしまいます。
最初の訪問地からこうなんて。
少し車の中で雨宿りしましたが、いっこうに止む気配もなかったので、参拝することにしました。
山奥のひなびた古刹ながら、駐車場料金も入山料もきちんとかかり(観光京都っぽいな)と思いました。
とても広い境内なので、くまなく散策したかったのですが、あまり周れません。
日本一の松があると聞いて、どれほど天にそびえる高さなのかと思いましたが、枝が横広に伸びていて、垣根になっているよう。
続いているのか切れているのか、よくわからないほどでした。
幸福地蔵があったので、お参りしようと傍に行ったら、「人のために祈ってください」と書かれていたので、先にお賽銭を入れたマイコが「う、意表を突かれたわ」と言いました。
どうしても、神仏には自分のお願いをしてしまいますが、こういうのもいいですね。
2人で世界平和を祈願しました。
お寺なので、狛犬はいません。でも狛犬デザインのものが屋根の上や花瓶についていたので、それを見つけて喜んでいました。
これは狛犬ではありませんが、木彫りの犬たちがかわいかったのでパチリ。
ここは、京都でも知る人ぞ知る紅葉の名所。
今はまだ紅葉時期ではありません。ここは山なので、ほんのり色づき始めていますが。
だからこそ、ほとんど人がいない、静かな場所でした。
○ 大原野神社
それから大原野神社へ行きました。
ここでも駐車料金が必要でした。こんな奥まった場所で?神社なのに?
前はバスで来たので、気づきませんでしたが、ここも観光京都なのね。
かつて来た時にはまだ狛犬に目覚めていませんでした。
今回は「ここは狛鹿なのよね」と、熱心に写真を撮ります。
手水舎も鹿。くわえている巻物から、水が流れています。
なんだか本物の鹿のよう。つぶらな瞳がいいですね。
雨に誘われて、足元にはかたつむりが出てきていました。
紅葉の時には人もそれなりにいましたが、今回は人っ子一人おらず、参道を独占。
マイコが「草団子を食べたいな」と言いましたが、神社前も境内の茶屋も、平日だからかお休みでした。
人の気配がないくらいに周りはしーんとしており、ここで茶屋が開いていても、キツネがやっているんじゃないかと思えてしまいそうでした。
1-2へ続きます。
◆ のんびり京都巡り index
しばらくの間、休む暇なく緊張を強いられる日々が続き、多忙で心身とても参っていました。
ようやく一段落がつけることになり、気分転換パワーチャージと療養を兼ねて、どこかに旅行することにしました。
でも、忙しい最中には、旅の計画を立てるどころではありません。
そこで、見知らぬ土地ではなく、毎年行き慣れている京都に行くことにしました。
旅のパートナーは、東京のマイコ。
旅好きながら「京都はあまり好きじゃないの」と言います。
「えっ、なぜ?どうして?」
日本人なら誰もが京都を好きだと思っていたら。
「観光地化してて、すっごく混んでるんだもの。人酔いしちゃう」
「東京だって混んでるじゃない」
「有名どころは修学旅行生だらけなんだもの」
「じゃあ奈良は?」
「奈良は好きよ」
「なんなのー?」
「自分の名前で、よく舞妓ハ~ンってからかわれてきたから、抵抗あるのよ」
そう言われると、何も言えません。
「でも、苦手意識を少しずつ克服したいとは思っているの。
だから京都に一緒に行こう?」
ポリシーをはっきり持っている彼女ですが、それでも今回は、弱った私に合わせて、京都につきあってくれることにしたんでしょう。
自分も忙しい時なのに、ありがとう、マイコ。
いつも一人旅、もしくは家族旅行で訪れる京都。
家族旅行だと、親の希望を叶えるガイド役に徹して、自分の希望は二の次です。
そこで今回は「やりたかったけど、一人ではできなかったこと」をメインにすることにしました。
○ 新幹線にシウマイに富士山
新横浜から8時台の新幹線に乗り込みました。
東京から乗ってきた彼女と、座席で落ち合います。
崎陽軒の特製シウマイをほおばっていると、天気がよい日で、富士山が見えてきました。
同じ車両には、外国人ツアー客も乗っており、ガイドの説明を聞いて「オ~ウ、フジヤマ!」とパシパシ写真を撮っていました。
新幹線にシウマイに富士山、ああ旅行だわー。
そのうち、浜名湖畔も通ります。
「わー、ウナギ食べたいなー」「夜のお菓子ー」
ただ、私たち二人とも、かなりくたくた。
おしゃべりしながらも、うとうとと舟をこぎながら京都に到着しました。
今回は、事前に綿密な計画をたてているわけではない、気ままな旅行。
「あまり京都好きを推さないでね。苦手克服中だから」とマイコから念押しされているため、私が振り回してしまわないよう、彼女に行き先を決めてもらうことにします。
○ サントリー工場の見学は
まずは、サントリー工場の見学に行くことにしました。
山崎にあるサントリーの工場は、ビール工場は京都側、ウイスキー工場は大阪側と、近所ながら二箇所に分かれています。
大山崎山荘の美術館には行ったことがありますが、工場には行ったことはありません。
ビール工場見学は、あちこちでしていますが、ウイスキー工場見学をしたことはないので、ちょっと気になります。
「山崎」というお酒もありますしね。
新幹線の中で決めたため、予約は取っていません。
すぐに移動できるように京都駅から山崎駅まで行ってから電話で確認しましたが、当日の予約は既にいっぱいでした。
残念ー。平日なのに、ウイスキー工場、人気だわ。
NHKの朝ドラ『マッサン』の舞台だからかもしれません。
じゃあ、どうしようかな。
この辺りには、私が前から行きたいと思っていた善峯寺があります。
そこに行こうとちゃっちゃと決めて、向日町駅に移動しました。
新幹線の京都市内JR駅フリーチケットで出ようとしたら、自動改札で抜けられず、精算をしました。
あれ、ここって京都市じゃないの?
向日市(むこうし)でした。読みさえ知らなかったわ。
○ 粉もんヤッホー
東向日駅前に、おいしそうなお好み焼き屋さん「銀の卵」がありました。
おお、関西!なんか食欲をそそられます。
お好み焼きとたこ焼きを食べました。
お好み焼きはネギ大盛りでねっ!
安くて感激~。さすが粉もんの地方です。
焼き立てでおいしいー!ハフハフしながら食べました。
○ 善峯寺(よしみねでら)
善峯寺は、結構な山の中腹にあり、バスは1時間に1本しかこない、不便な場所にあります。
そこで、急遽車を借りることにしました。
予想していなかった展開に、お互いびっくりしますが、この辺りはどこへ移動するにも、交通の便が良くありません。
そして荷物を京都駅のロッカーに入れずに持ってきたため、車のトランクに入れて運べるのが楽。
それにしても、私一人だったら、レンタカーを使おうって発想はなかったわ。
スムーズに手続きは済み、車に乗り込んで出発。
乗っているうちに見る見るうちに空が暗くなり、雨が降り出しました。
山に向かっていくので、憂鬱だわー。
途中、十輪寺の前を通りました。
別名、なりひら寺と呼ばれる、このお寺。
「ここは、平安時代のプレイボーイ、在原業平が、恋に破れて悲しみながら塩を焼いた場所なんですって」と言ったら、説明が足りなすぎて、マイコが「は?失恋したから塩を焼く?」と困っていました。
でも、私も詳しくはわからなかったので、それ以上の解説はしませんでした。(不親切~)
雨はやまぬまま、善峯寺に着きました。
ここに来るのは、ものすごく大変だと思って、今まで尻込みしていましたが、実際には思ったほどでもなく、心細い道でもなく、快適に到着。
あれ、こんなに簡単に来れる場所だったの?
車だから、簡単なんですね。
ただ雨なので、動きが悪くなってしまいます。
最初の訪問地からこうなんて。
少し車の中で雨宿りしましたが、いっこうに止む気配もなかったので、参拝することにしました。
山奥のひなびた古刹ながら、駐車場料金も入山料もきちんとかかり(観光京都っぽいな)と思いました。
とても広い境内なので、くまなく散策したかったのですが、あまり周れません。
日本一の松があると聞いて、どれほど天にそびえる高さなのかと思いましたが、枝が横広に伸びていて、垣根になっているよう。
続いているのか切れているのか、よくわからないほどでした。
幸福地蔵があったので、お参りしようと傍に行ったら、「人のために祈ってください」と書かれていたので、先にお賽銭を入れたマイコが「う、意表を突かれたわ」と言いました。
どうしても、神仏には自分のお願いをしてしまいますが、こういうのもいいですね。
2人で世界平和を祈願しました。
お寺なので、狛犬はいません。でも狛犬デザインのものが屋根の上や花瓶についていたので、それを見つけて喜んでいました。
これは狛犬ではありませんが、木彫りの犬たちがかわいかったのでパチリ。
ここは、京都でも知る人ぞ知る紅葉の名所。
今はまだ紅葉時期ではありません。ここは山なので、ほんのり色づき始めていますが。
だからこそ、ほとんど人がいない、静かな場所でした。
○ 大原野神社
それから大原野神社へ行きました。
ここでも駐車料金が必要でした。こんな奥まった場所で?神社なのに?
前はバスで来たので、気づきませんでしたが、ここも観光京都なのね。
かつて来た時にはまだ狛犬に目覚めていませんでした。
今回は「ここは狛鹿なのよね」と、熱心に写真を撮ります。
手水舎も鹿。くわえている巻物から、水が流れています。
なんだか本物の鹿のよう。つぶらな瞳がいいですね。
雨に誘われて、足元にはかたつむりが出てきていました。
紅葉の時には人もそれなりにいましたが、今回は人っ子一人おらず、参道を独占。
マイコが「草団子を食べたいな」と言いましたが、神社前も境内の茶屋も、平日だからかお休みでした。
人の気配がないくらいに周りはしーんとしており、ここで茶屋が開いていても、キツネがやっているんじゃないかと思えてしまいそうでした。
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