風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

のんびり京都巡り 4-2

2014-10-27 | 近畿(京都・滋賀)
4-1からの続きです。

○ JR亀岡駅

地方のJR一駅といったら、相当離れているんですね。
つい忘れてしまいます。
保津川下りの船は、この辺りから出ているんですが、川は、水が溢れそうなくらいにまんまん。



延々ずっと畑です。
時々、トラクターに乗ったおじいさんが、私たちを追い越していくので、
「もしかして、大雨だから川に様子を見に行くって家を出てきたんじゃないよね?」と心配になります。
でも、川のそばを歩いている私たちの方がもっと危険かもしれませんね。

こんな悪天候の中でも、農作業をしてる人がいる…と思ってよく見たら、それはかかしでした。
かかしー!
クオリティの高さに、近くに寄るまで気が付かなかった私たち。
これはカラスもころりとだまされるでしょう。
しかもこのかかし、なんだかセクスィ~!
けだるげにポージングしていました(笑)。



台風の余波で、大雨がまだ突然降ってきたりする中、時間をかけて、ようやくJR亀岡駅にたどり着きました。
大きなイオンがありました。ああ、定番だわ。

駅には、裃姿の男性像があったので、
「あっ、明智光秀~」と寄って行きました。
彼は亀岡にゆかりの人。
光秀好きの私は、トロッコを降りたところでも「明智光秀を大河ドラマに!」に署名をしてきたところです。

でも、よく見ると違う人の名前が書いてありました。
石田梅岩・・・はて、どなたさま?
江戸時代の倫理学者だそうです。知らない人でしたが、どうやら亀岡では、光秀より梅岩がヒーローのようです。



ここも駅は大きいのですが、特ににぎわっている風もありません。
駅前の広い敷地には「パープルサンガの本拠地スタジアム建設予定地」と書いていました。
パープルサンガを、京都市内から誘致したなんてすごいわ。
でも、駅前がだだっ広く空き地のままということは、まだ未開発のあたりなんでしょう。



○ ローカル路線バス

小雨の中、田圃道を延々歩いてきたので、小腹が減りました。
といっても、喫茶店は全く見当たりません。
駅にもないのです。
(亀岡とはいったい...)と思っていると、駅前通りを曲がったところにミスドを発見。
カフェを探しているうちに、バスの時間があと10分くらいに迫ってきましたが、それでも入ることにしました。
私がドーナツを頼んだ横で、マイコは麺を頼んでいます。
そして案の定、「アッツッツ」と言いながらふうふう冷ましていました。



笑って見ていた私ですが、ホットティーが熱くてやっぱり「アッチッチ」になりました。
それでも5分で手早く食べて、バスに乗り込みます。
ここは京都市内のような一日乗車券はなさそう。
乗客は、私たち以外は地元のおばあちゃまたちばかり。
しかも、みんな顔見知りのようで、あちこちで話が弾んでいます。
京都市内では、意外にもそれほど聞く機会のない本物の濃い京都弁が交わされています。
亀岡バスは、ICOCAだけでPASMOは対応していませんでした。

○ 穴太寺

30分ほど乗って、私たちが降りた時にも、まだおばあちゃまたちは乗ったまま。
みんなどこまで行くんでしょう。
向かったのは、穴太寺。駐車場には大型観光バスが停まっていたので、お寺は混んでいるかと思いきや、ほとんど人の姿はありません。



その代わり、内陣から一斉にお経を読んでいる声が聞こえてきます。
バスでまわっている巡礼の集団の人たちでしょう。
スタッフらしき人が2名、すごい量の御朱印帳を風呂敷に包んで、肩にしょっていました。
大量に書くお寺の人もお疲れ様です。



参拝を済ませ、バス停でバスを待つ間、そばの土産物店でお土産を買っていると、団体様が続々訪れて、お店は人でいっぱいになりました。
バスが来るまでまだ時間があるため、バス停一つ分を歩いて、近くにある小幡神社に行ってみることにします。
私たちの前を、派手な花柄パンツの青年とその母親とおぼしき二人連れが、歩いていきました。



神社は、町内で管理しているといった簡素な造り。
狛犬もいません。
通り向かいにも小さな神社がありますが、名前すら掲げられておらず、何の神様かさえもわかりませんでした。



名もなき神社のすぐ隣にあった、集会場のような建物に掲げられていたパネル。
消防信号と、水防信号だそうです。
町の人は、サイレンを聞き分けて、"今そこにある危機"を知ったんですね。



ここは、バス停が片側にしかありません。
道が狭いからでしょうか。そういうところもあるんですねー。
なので、穴太寺行きのバスを待って、「亀山駅に行きたいんですが」と聞いてみたら、乗るように言われたので、乗り込みました。
バスは穴太寺でUターンし、また先ほどのバス停を通り過ぎていきました。

○ 丹波七福神

駅に戻り、今度はバスを乗り換えて、出雲大神宮へ向かいます。
出雲大神宮近くのお寺では丹波七福神をやってるとのこと。
日本で一番所要時間がかからないということなので、やってみようかということになりました。
ほとんど観光客らしい人が見えない駅前ながら、自転車と一緒に自分撮りをしている青年がいました。



初めのお寺は、寿老人。
御朱印ではなく、スタンプです。
たしかに、お寺の位置ははさほど距離がないのでしょうけれど、でも一つ一つが坂の上にあるので、上り下りが結構脚にきます。
おまけに雨も降ったりやんだり。
お寺巡りと山上りには適さない天候です。

○ 出雲大神宮

東光寺、極楽寺と、七福神の途中で、出雲大神宮にたどり着きました。
前から訪れたかった一之宮。
境内は雨でしっとりと濡れています。



と、ここで、先程穴太寺から小幡神社のあたりで少し前を歩いていた、花柄パンツの青年と母親に再び遭遇。
あれっと二度見したら、二人は参道を歩きながら、輪袈裟を身に着けていました。
本格的!
穴太寺から、バスに乗った風もなく、ここまでどうやってきたのか謎です。
離れた場所に車を停めていたのかしら。




○ 狛犬ストラップ

社務所でお守りを見ていると、狛犬ストラップを発見しました。
珍しいので、手に取ってしげしげと眺めてみます。
『徒然草』に、狛犬の向きを変えちゃう話が出てきますが、それはここのことだそう。
へえ、そうなんだ~。
一気に身近に思えてきます。



これは、外にいる狛犬ではなく、神殿の中にいる狛犬を模しています。
社殿創建千三百年大祭記念に作られたストラップだとのこと。
狛犬好きとしては見逃せません。
出雲大神宮も好きなので、いただくことにしました。

結構精巧に作られていて、海洋堂レベル。
広い境内ですが、雨なのであまり動けませんでした。

敷地内の弁天池のあたりで、亀岡駅前で自分撮りをしていた青年を再び見かけました。
親子連れといい、青年といい、ちょっと目に留まった人たちとここで再会するなんて、出雲大神宮はすごい吸引力です。
さすがは一之宮。
青年は、雨の中をシャーッと自転車で走り去っていきました。

○ 丹波七福神ふたたび

ふたたび七福神巡りを始めます。
耕雲寺の坂の上では、ちょうど雨が上がり、日が射した亀岡盆地の雄大さに見とれました。





続けて、知恩院の末寺の金光寺、そして妙心寺の末寺の蔵宝寺。
どこも由緒あるお寺のようですが、それぞれが本当に坂の上にあり、かなりくたびれてきました。
全長12キロの行程だそうです。



帰りに乗りたい亀山駅行のバスは、1時間に1本も通りません。
5つのお寺をまわったところで、その貴重な路線バスの時間が近づいてきました。
あと残り2つ。でもそこに行くと、もう間に合いません。
今回はここであきらめて、バスに乗ることにしました。



雨もひっきりなしに降っているし、坂のきつさに疲れていたので、座席に座ってほっとします。
こんなにアップダウンが激しいなんて、知りませんでした。
日本一早く巡れる七福神という売り文句は、ちょっと違うんでないかい~?と思います。
私の知る限り、日本橋七福神の方が早くまわれそう。

○ 濁流の中の渡月橋

亀岡からJRに乗り換えて、嵯峨嵐山駅へ。
ここから少し嵐山を散策します。
混んでいるところが苦手なマイコなので、どうかなと思いましたが、嵐山自体は見てみたいとのこと。
喜々として、まず渡月橋に行きましたが、前日とはまるで違う濁流に圧倒されました。



台風が通り過ぎると、一晩で川はがらりと変わってしまうものですね。
「ふだんはこんなんじゃないのよ」と必死に弁解しましたが、「この急流、いいね」と、逆にマイコはお気に召したようでした。



それから竹林を通り、野宮神社に行きましたが、夕方になり、もう社務所は閉じていました。
前日見つけた「嵐山で一番安いソフトクリーム」屋さんも、もう閉まっていました。
観光地嵐山にして200円。原価ってもっとずっと安いんだろうなあと、考えちゃいました。

○ 夜の晴明神社

バスで帰り、いったん宿に荷物を置いてから、夕食に出かけます。
もうすっかり夜。宿の近くにある晴明神社は、いつでも参拝できると思っていますが、いつも夜に通ってばかり。
写真に収めました。暗闇の中、五芒星が目立っています。



この写真なんて、まさに晴明神社って感じ?
見えないところで式神がうごめいていそうです。



○ 野菜の次はたらふくお肉

北大路の建勲神社の方まで歩いていきました。

昨日は野菜メインのおばんざいだったので、この日は焼き肉にします。
草食の次は肉食。だって雑食ですもの。



関西はミックスジュースが有名。なので、ミクジュー片手にジュージューお肉を焼き続けます。



たくさん食べて、おなかいっぱい。寺ノ内通りを歩いて帰りました。
すっかりねむねむ。部屋でもちょっと乾杯しながらも数分寝落ちしたりして、お風呂の中でも眠って湯船に沈みそうになりました。

5-1へ続きます。

     ◆ のんびり京都巡り index

のんびり京都巡り 4-1

2014-10-27 | 近畿(京都・滋賀)
3-2からの続きです。

○ 台風接近中

京都4日目の朝。早めに起きて、まずカーテンを開けました。
大型の台風が接近中で、天候が気になっていましたが、大雨は夜の間に降ったようで、朝には小降りになています。
モーニングコーヒーは、鳥羽で買った真珠珈琲。
真珠の味は、したような、しないような?真珠食べたことないから…



晴れて明るくなってきたので、ウキウキと駅まで歩くことにしました。



今出川通りを進み、北野天満宮の前を通ります。
途中、パラパラ小雨が降ったりもしましたが、気にならない程度だったので、傘を差さずに北野白梅町駅へ。
ここから嵐電で嵯峨駅へ向かいます。
PASMOで乗れました。

○ らんらん嵐電



嵐電、かわいいですね~。初めて乗るマイコは、うれしそう。
実は彼女、鉄子です。ロープウェイも満喫していました。



私も嵐電は好きです。江ノ電と姉妹電車ですしね。
車折神社駅のすぐ前に、車折神社がありました。
反対側の正参道からしか入ったことがなかったので、駅側にも参道があることに気が付きます。
出勤風の人たちが、参道を通って行きました。
通り抜けの近道なのかな、それともこの神社にお勤めなのかな?



○ SL喫茶

嵐電嵯峨駅から、トロッコ嵯峨駅に乗り換えます。
その間に、モーニングをするお店がないかと探しましたが、嵐電嵯峨駅からトロッコ嵯峨駅はあっという間。
トロッコ駅に着いたので、併設されているSL喫茶でモーニングを取ることにしました。



ふむふむ、SL喫茶ね。
外に大きなSL車両があったので、中にはプラレールのジオラマでも走っているんでしょう。



そう思って中に入ったら、とんでもありません。
中はとても大きなホールになっていました。



そして、そこには本当のSLがありました!
しかも何台も!
大きなホールには、まばゆいシャンデリアが下がり、グランドピアノの自動演奏が流れています。
予想の斜めはるか上~!
マイコと2人で、ぽかーんとします。



「つばめ」や「はと」というプレートが掲げられたSL。
貴婦人と呼ばれた優美は機関車は、この中にはないのかしら?
ファンにはたまらない場所でしょうね。



なのに、お客は私たちしかいません。いいんでしょうか?
貸切状態でピアノ演奏を聴きながら、贅沢すぎる朝食をとりました。



パイプオルガンがありました。なぜかブロンズ像もあります。
基本、ラグジュアリーな空間のようです。



○ トロッコといえば

そうかと思うと、昔のトロッコもありました。
今の嵯峨野鉄道は立派すぎて、とてもトロッコには思えませんが、確かに前身はこういう形だったんですね。



トロッコといったら、芥川龍之介の短編を思い出します。
もらったお菓子を投げ捨てちゃうんですよね。もったいなーい。
そして、インディジョーンズ。ディズニーランドでインディトロッコに乗りました。

トロッコそのものより、「はいらないでください、ネ」の文字が気になってたまりません。
「、ネ!」って!なんなの、その謎の溜め~(笑)



こちらは、その進化形。昔は人が押していたんですねー。
でもそれだと、馬車の方が効率いいのでは?

○ 念願のトロッコ列車

乗車時間が近づくと、待合室が混んできました。
トロッコ列車がやってくると、みんなカメラを構えて撮影会になります。
1号車に乗り込みました。予約をして行ったため、晴れて本当によかったわ。
乗客はみんなそう思っていることでしょう。



トロッコ列車に乗るのは初めて。
一人きりで乗る勇気がなかったからです。
列車内は、混みすぎていないけれど、すきすぎてもいないくらいのお客の入り。
さあ、出発です。



次の嵐山駅は、ホームが短くて、私たちの乗っている一両車からはホームに降りられません。
駅を出てすぐにあるトンネルの中にすっぽりはまっています。
海底トンネルのようで、これもまたおもしろいものです。



○ 川は濁流

保津川に沿って上流へと登っていくルートですが、昨夜の台風で川がすっかり濁流になっていたので驚きました。
ギャー、泥川じゃない。



これは、保津川で一番大きな岩。「でも、雨で水かさが増して、大きさがわかりませんねー」というアナウンス。
ええ、わかりません。



濁流がだくだく流れていく様子は、怖いほどの迫力。
見慣れたいつもの清流はどこにいったんでしょうか。



行きはトロッコ、帰りは船で川下りというのが定番ルートですが、今日は保津川下りは全日お休みだそうです。
前日、嵐山の高台から見下ろしたあの船です。一日違うとこうも違うんですね~。
乗ってみたかったのですが、仕方がありません。
水かさが増してごうごうと流れていく川は、激流になっていて、危険すぎます。
川好きの私でも、茶色の流れに、怖さを感じます。

○ 鹿あらわる

電車がスピードを緩め、汽笛を数回鳴らしました。
どうしたんだろうと思ったら、伸び上がってみたマイコが「線路を見て」と言います。
なんと、トロッコの前には鹿がいて、ぴょんぴょん線路をかけていました。かわゆい!

鹿はぴょんぴょん、トロッコはゴトゴト。
ゆえに、ブレまくりの画像になっちゃいました。



そのうちに、「鹿が前方を走っているので、速度を落として運転しています」と車内放送もかかります。
一号車だから見られてラッキー。

○ トロッコ亀岡駅

終点のトロッコ亀岡駅につくと、ホームにはすごい人が待ち構えていました。
こちらが降りれそうにないくらい、ぎゅうぎゅうに立って待っています。
みんな乗って行きたいんですね。
川下りが中止だから、帰りも混んでいるのでしょう。
当日券はもう売り切れという声が聞こえました。

この駅では、最近レンタサイクルを始めたとのこと。
自転車に乗ろようかどうしようかと悩みましたが、今日は天候不順のため、やめておくことにします。
JRを一駅歩いて亀岡まで行くことにしました。
駅前には馬車もいるようですが、馬ごといません。お仕事中でしょうか。

大気が不安定で、晴れたかと思うと雨になります。
歩いている間にも小雨が激しく降ったりして、台風の影響をもろに浴びた感じ。
向こう側に保津川が見えますが、茶色の濁流をさんざん見た後なので、さすがに近寄りたい気持ちにはなりません。
流されちゃいますからね。

それにしても、駅を降りると田んぼが広がっているトロッコ亀岡駅。
亀岡に来たのは初めてですが、こんなに何にもない場所だなんて!
「ここは市の端っこの方だからよ」とマイコ。
たしかに、最寄りのJR駅は亀岡駅の隣の馬堀駅。
駅間の距離は徒歩10分と聞いて、「そのくらいなら電車に乗らなくてもいいよね」と、市の中心に向かって歩き出しました。

4-2へ続きます。

     ◆ のんびり京都巡り index

のんびり京都巡り 3-2

2014-10-27 | 近畿(京都・滋賀)
3-1からの続きです。

○ 雨の四条

参拝を済ませてバスに乗ると、雨が突然降り始め、車窓に打ち付けるほど激しくなったので、降りる気がしなくなりました。
バスが四条に入ったところで(そうだ、雨でも濡れない、アーケードのある錦市場を散策しよう)と思いつきます。
バスを降りましたが、(おっと、今市場を通ったら、空腹が加速するからやめておこう)と思い直しました。
今日は、ほとんどものを食べていません。
一人で食べても味気ないので、マイコと再会したら、夜たくさん食べようと思って空腹をためこんで?います。

○ 菅大臣神社

そこで菅大臣神社に行くことにして、身体の向きを変えました。
にぎやかな大通りから一本外れただけで、ひとけがなくなるのが京都の町。
途中、間口の広い呉服問屋の啓明商事前に「与謝蕪村宅跡」の石碑を見かけました。



道が不安になってきたので、ちょうどお客さんを見送った着物姿の料亭のおかみさんに聞いて、ようやくたどり着きました。



ここは菅原道真ゆかりの神社ですが、名前にちなんで、菅・元首相も参拝に訪れたと聞いています。
狛犬が3体いて、うれしくなります。
棲みついているらしい猫も二匹。雨宿りしていました。



○ 火水天満宮の神事と神輿

参拝を終えて神社を出たところで、ちょうど宿に帰れるバスが来たのでとび乗りましたが、まだ暗くなっていないため、宿の先にある火水天満宮に行くことにします。
天満宮続き。
市内の天満宮巡りもありますが、御朱印ではなく、芋版のようなスタンプを集めるようでした。
火水天満宮は、ネイチャーな名前が前から気になっていました。
火災と水害から守ってもらえるのでしょうか。



神社前に着くと、白いハッピを着た男性が大勢いました。
氏子たちが集まっています。
ポスターを見ると、ちょうどこの日の午後に、この天神様の神輿の練り歩きがあったようです。

本殿では、雅楽の生演奏付きで、正装束に身を包んだ神主さんたちが神事を行っていました。
神事を前に、頭を垂れている正装の人々もいます。
町内の関係者でしょうか。



その横で、若い衆たちが神輿をかついで、社務所の中へと運び込んでいました。
「せいや、せいや」と掛け声をかけて、迫力満点。



氏子たちの手で荒々しく神輿が収められ、そのすぐ横では静けさに包まれた神事が行われるという、不思議な光景。
そう広くない境内に、関係者がいっぱいおり、一般参拝者は私くらいだったため、神事と神輿の邪魔にならないよう、少し離れたところから式次第を眺めていました。

○ 北を守る玄武神社

それから、地図を見て気になった玄武神社へ。
配送の人に聞いてもわからず、近所の人に教えてもらった、小ぢんまりとしたところです。



かっこいい名前ですね。
白虎神社や青竜神社、朱雀神社も、あるのでしょうか。
調べてみましたが、四神の名前がついているのは、ここだけのようです。



摂社の三輪神社には、陶器製の狛犬が据えられていました

○ 小野篁と紫式部の墓参り

さらに歩いて、北大路にある小野篁と紫式部の墓所もお参りしました。



なぜこの二人のお墓が隣り合わせにあるのかというと、紫式部は小説を書くことで、登場人物の心をもてあそんだ罪深き人であり、地獄に落ちないように、小野篁にそばについていてもらっているからだとか。
えっ、それって誰の解釈なんでしょうね?
どちらも時代を超えたスーパースター。あやかりたいものです。
安倍晴明に小野篁と紫式部。
今日は久しぶりに墓マイラーとして動けて、満足。

○ 鶴屋吉信

宿のそばには、京菓匠鶴屋吉信の本店があります。
通りすがりの朝夕に眺めていますが、いつも閉店している時間ばかり。
この時は開いていましたが、そろそろ夕食の時間なので、通りの向こうから眺めるだけにしました。



○ おばんざいビュッフェ

夕方になり、宿に戻って一足先に部屋でくつろいでいたマイコと合流。
四条にあるおばんざいビュッフェに出かけました。



おばんざいを食べるのは、初めてというマイコ。
「野菜メインの大皿料理ってことでいいの?」
「うん、まあね」
それでいいのかな?と思いながらも、私もその認識です。

人気のお店のようで、店内は人でいっぱい。外国人も何組か見かけました。
ヘルシーな食材でおいしかったけれど、もう少し料理の種類が豊富ならよかったね、との感想。私も同感です。





日中おなかをすかせていたので、たくさんおかわりしました。
野菜メインなので、たくさん食べても罪悪感がわかないのがいいところ。
今日もネギいっぱい~!



○ 自転車盗 許さしまへんぇ

おなかをさすりながら帰り、コンビニでスイーツとカクテルを買いました。
コンビニに貼られていたポスターに注目。
きれいに着飾った舞妓さんが、自転車盗難撲滅運動のたすきをかけています。
京都らしいどすな~。



部屋へ戻り、ゆっくり過ごしました。
朝1回、夜2回大浴場に入っている、贅沢な日々です。

4-1へ続きます。

     ◆ のんびり京都巡り index

のんびり京都巡り 3-1

2014-10-27 | 近畿(京都・滋賀)
2-2からの続きです。

○ 別行動デー

この日は、マイコに大阪での用が入っているため、別々に行動します。
朝風呂でのんびりしてから、彼女に見送られて私が先に部屋を出ました。

まずは嵐山に向かいます。
翌日も行く予定ですが、亀岡方面がメインなので、嵐山にどれだけ滞在するか、わかりません。
京都に行ったら訪れたいし、じっくり散策したい場所なんですよね。

○ まずはやっぱり嵐山

まずは渡月橋へ。ここを渡らないと、京都に来た気になりません。
まだ紅葉になっておらず、山は青々としていました。
少し水かさが少ないなあと思います。(←翌日へのフラグ)



○ 煎餅発祥の地

瀟洒な和菓子店「老松」の前を通り過ぎかけた時、立札に書かれた文字が気になって、戻りました。
「煎餅発祥の地」と書かれていました。



かなり剥げてしまっていますが、嵯峨小倉の和三郎が、帰朝した弘法大師空海より作り方を伝受された煎餅を嵯峨天皇に献上したんだそうです。
お煎餅にも空海伝説があるんですね!



○ 嵯峨野の竹林

竹林を通ると、大勢の観光客と一緒になりました。
日曜日だし、普段訪れる時間よりも遅めなので、人がワンサカ。
人力車もたくさん出て張り切っています。
でも、無人の写真を撮影できました。
毎年、嵯峨野の竹林を撮っているので、人を入れずに撮るコツをつかんだのかも!?



○ 人か猿か

人込みを避けるように、ほとんど無人の公園に向かい、そこから嵐山の眺望を眺めました。
観光客がいない場所は、とたんに自然たっぷりになるのが京都。
猿への対応策が書かれた看板がありました。
野性味たっぷりです。



○ 保津川下りの船

展望台からは、保津川の眺望が望めます。
ちょうど、保津川下りの船が動き出していくのが見えました。
明日は上流の方に行きますが、あの船に乗って帰ってこれるかしら?(これもフラグです)



竹林に戻ると相変わらずの人だかりで、野宮神社もいつものように大人気。



早々に嵐山脱出体制に入りますが、まだほかに行きたいところがあるため、バス停2つ分を歩きました。

○ 安倍晴明のお墓参り

探し始めたのは、安倍晴明のお墓。
嵐山にあると聞いていましたが、特にガイドブックに載っていないため、今まで訪れる機会がありませんでした。
今回連泊している西陣の宿の近くに晴明神社があるため、普段よりも身近に感じてご挨拶しておきたくなったのです。
陰陽師パワーを注入してもらいたかったし。

住宅街をうろうろと歩いていると、突然お寺やお墓があるのが、古都京都。
細道の奥に、安倍晴明のお墓を見つけました。



嵐山で、小督の墓と呼ばれる五輪塔もお参りしましたが、そこに比べると広くて石囲いがされてあり、手入れがきちんと行き届いています。
晴明神社が管理をしているようです。
墓石には五芒星が刻まれていました。
命日には、大勢のファンがお参りに訪れるそうです。

○ 不思議な立体鳥居

それからバスに乗り、途中下車しました。
次に訪れたのは蚕の社(かいこのやしろ)。おもしろい名前です。
繊維の神様が祀られているそうです。
地図を見ながら行ったら、あるはずの場所に木嶋(このしま)神社の社碑があったので、(まちがえて別の神社に着いちゃったの?)と混乱しました。
実際には、蚕の社ではなく、木嶋神社が正式名称なんだとか。
旅行者にはわかりませんー!



ここは三方向を向いた、上から見ると三角形をかたどった、立体的な三柱鳥居が有名です。
気になりつつも参拝しないでいるうちに、隅田川そばの三囲(みめぐり)神社でミニチュア版に会い、オリジナルを見に行かなくてはと思っていました。
蚕の社も三囲神社も、三柱鳥居は柵が設けられて、近くには寄れないようになっていました。



○ 下御霊神社

それからバスに乗り、四条に出ました。
鴨川のほとりに立つヴォリーズ建築の東華菜館は、いつみても絵になります。
前にここで食事をしたことを、懐かしく思い出しました。



御所そばにある下御霊神社へ向かいました。
京都市内にある二つの御霊神社をお参りしようと思います。
御霊神社とは、非業の死を遂げて怨霊になったとされる方々を祀り、霊をなだめているところなので、おそろしさになんとなく気後れして、これまで参拝を後回しにしてきたところがあります。
でも、これもまた不可思議な日本の歴史。行ってみなくては。
身分の高い人たちが祀られているためか、京都御所にかなり近い場所にありました。



○ アイーン狛犬

思ったよりも古めかしく立派な社殿。狛犬も何体もいました。
入り口にいた狛犬は、アイーン狛犬。
ユーモラスな顔を見たら、怨霊のことを忘れて、一気に楽しくなりました。



観光客よりも地元の人に愛され、大切にされているといった風情のお社。
手水舎の水は飲めるらしく、数人の人が汲みにきていました。

○ 上御霊神社

下御霊神社がまったくおどろおどろしくなかったので、一安心。
次は、上御霊神社に向かいます。
勢いに乗って、上と下、一気に両方まわろうという考えです。



ただここは、場所が少し不便。地下鉄なら鞍馬口駅そばですが、バスの本数が極端に少ないルートなので、北大路バスターミナルに寄って、時間を調べて向かいました。
ここも、下御霊神社とはまた雰囲気の違う、立派な随身門。境内には狛犬が何体もいました。



観光客はおらず、近所の人が通りがかりにふらっと立ち寄って、お賽銭を投じていくといった風情です。
地元の人に支えられている感じがいいですね。



○ なじみの場所も無人で慣れず

参拝後に雨が降ってきたので、傘を取り出しました。
目下、台風18号が本州接近中。大雨にならなければいいけれど。
気になっていた場所をいくつかまわり、満足して、なじみの場所に行くことにしました。



哲学の道を通って向かったのは法然院。紅葉はまだですが、緑のもみじ葉もまた風情があってよし、です。





○ 京都市電車両

バス通りに向かう途中で、市電を発見。
車体に「kcg-edu」と書かれているのは、京都コンピュータ学院が保存しているからだそうです。
わが国最初のコンピュータ教育機関とのことです。やっぱり京都にあるんですね。



○ ウサギの神社

次に、岡崎神社に行きました。ウサギにちなんだ神社なので、卯年にお参りしたかったけれど、行けなかった場所です。
卯、辰、巳、午。わ、前に参拝してから、少なくても4年は経っていました。



以前訪れた時には、全く狛犬に目覚めていなかったので、彼らの横を素通りしていましたが、今回よく見ると、ウサギの狛犬がいます。



こちらは、黒御影石でできたウサギの手水舎。厄除けと子宝のご利益があるそうです。



小さなウサギの置物が、隙間なく並べられていました。かわいーい。
前の日には、赤山禅院で、ぴっちり並べられた寿老人を見ましたが、やっぱりかわいさはこちらに軍配が上がります。
それにしても、日本人って、並べ方一つを見ても、本当にきちょうめんですね。



○ お寺貸し切り状態

それから、神社の横の細道を通って、金戒光明寺に行きました。
あまりに人がおらず、すれ違う人さえいないため、今日が本当に日曜日だったか、不安になってきます。
嵐山は、あんなに混んでいたのに。





真如堂もほぼ無人。三重塔は、この日も絵になっていましたが、本殿は改修工事中ですっぽり幌に覆われていたのが残念です。
来月の紅葉期には、この静かな境内が大勢の人で埋め尽くされることでしょう。
それまでに工事は終了するのかしら?



3-2へ続きます。

     ◆ のんびり京都巡り index

のんびり京都巡り 2-2

2014-10-27 | 近畿(京都・滋賀)
2-1からの続きです。

○ 貴船到着





貴船神社の参道では、新郎新婦の記念写真の撮影中でした。
「できる限りの笑顔でね」とカメラマンが何度も注文を出していました。
通りすがりのみんなに見られてしまうけど、貴船で記念写真なんて趣味がいいわ。





前はライトアップの時だったので、明るいときに訪れるのは初めて。
なんだか色鮮やかです。
「見てござる」・・・?



水占いはこの日も女性たちに人気でした。



行ったことがない奥宮を目指しました。
鞍馬では奥の院、貴船では奥宮。



まちがえて、途中にあった結宮を奥宮かと思ってお参りしました。
縁結びの神さまということで、絵馬には神様も困ってしまいそうなほどディープな願いが書かれていました。



奥宮は広い明るい敷地にあり、跳ね回りたそうな狛犬がいました。



参拝を済ませたところで、おなかがすいてきました。
あれ、さっき鞍馬山でおにぎり食べたよね?というツッコミはなしでお願いします。
育ち盛りなの!(笑)



どこかに入りたいな、と思いますが、貴船は高級料亭が並んでいて、普通感覚で入れるお店はありません。
ちょうど工事の人たちが川床を上げていたので、(夏はここでも川床を出すんだっけ)と思い出します。
珍しくカフェを見つけましたが、案の定満席でした。



駅までの2キロを、てくてく歩いて行きます。
「え、歩くの?バスに乗ろうよ」とマイコが言いますが、駅まではずっと下り坂だし、バスを待っている方が時間がかかりそう。

貴船へ向かう人たちとすれ違います。ほとんどが女性ばかり。
たまにカップルがいるくらいです。
縁結びの神様ということもあって、ここは女性に人気なんですね。
一人で黙々と登ってきている女性を見ると、がんばれ~と思います。

○ フリーネギラーメン

叡山電鉄の下りを待って、修学院駅で降ります。
「山越えしておなかすいちゃったね!」
「京ラーメン食べよう!」
「ほ、ほんとに?」
ということで、魅力(かいりき)ラーメンに行きました。
普段、あまりラーメン屋に行かない私。
街道沿いでも目立つ派手なお店にちょっと腰が引けますが、もはや京ラーメンに目覚めたマイコは、臆することもなくうきうき中に入って行きました。
店内は明るくて、思ったほどトラック運ちゃんばかりいそうなわけではありませんでした(失礼な?)。

ここはなんと、ネギ入れ放題!!
こんなうれしいサービスがあるものでしょうか!!
ネギ好きの私は大喜び。
なんだかんだいって、二人とも京ラーメンに夢中です。



マイコもネギ好きなので、二人で麺が見えなくなるほどネギをてんこもりにしました。
ああ、なんて贅沢なのかしら。うっとり。(安上がり)



こんなネギ大盤振る舞いのお店は、ここ京都ならではなのかしら?
ここが本店ですが、なんと関東にも進出していることがわかりました。
どこもちょっと遠いわ・・・でもチェックしておこうっと。
サービスにチャーハンをつけてもらいましたが、ネギ、いえラーメンでおなかがいっぱいで、「もう無理です~」とギブしました。

○ 寿老人のお寺

それから赤山禅院へと向かいます。
ここは、観光ルートからは外れた、ひとけがない場所。
キラキラの観光客は訪れないような場所です。



それなのに、私はここに来るのが三度目。
その辺鄙さが気に入ってのことですが、そんなに足を運ぶとは思っていませんでした。



今回は「都七福神」巡りをすることにしたからです。
ここは、寿老人が祀られているお寺。



私たちのほかに参拝者がいる、と思ったら、外国人で、手ぬぐいなどをいろいろ買い求めていました。
なぜにこのお寺まで?通ですねー。



○ 野卵プリン



帰り道、「なんか小腹がすいたねー」と言いながら歩いていると(そ、育ち盛り…)、直売所のような小さな小屋があり、「京都大原山田農園 たまご工房」の看板がかかっていました。
一旦通り過ぎましたが、気になって戻ってみます。



小さなプリンがちょうど2個、最後にぽつんと残っていました。
まさに、私たちを待っている感じで。
野卵プリンはひとつ300円。思わぬ値段にうわ、と思いましたが、マイコが「私食べてみたい」と中に進みました。
その勇気に後押しされて、一緒に食べてみることにしました。



ひとくち食べると、「う~ん、濃厚!」
まさに、放し飼いの鶏が産んだ有機卵で作られたという感じです。
おいしくいただきました。

ここは、「山田農園」の直営ショップ。
ほかにもシュークリームやシフォンケーキやクッキーが出ているそうですが、この時にはもう私たちのプリンで、スイーツは売り切れ。
入れ違いに、車を停めて、お客さんが卵を買いに来ていました。
卵かけごはんで食べたら、おいしいでしょうね~。



○ えいでんアゲイン

出町柳駅に戻ったら、向かいのホームに「きらら」が停まっていました。
このきらら、展望用窓になっており、座席が横向きになっている、観光列車。
紅葉の時期には、これに乗りたい人が押し寄せて、きららはぎゅうぎゅう詰めになります。



夕方近いせいか、すいていたので、乗ってみました。
視界が広くて快適だわ~。
でも、あまり乗っていると、また鞍馬に行ってしまうため、宝ヶ池駅でUターン。
出町柳に着いた頃には、夕暮れの風が吹いていました。



向かいの叡電の車両に目が吸い寄せられます。
「あ、『有頂天家族』!アニメ化されたんだ~」
やはり京都は森見登美彦ワールド。ここでもモリミーネタに出会いました。

○ 鴨川デルタのカップル



マイコを鴨川デルタに連れて行きたい私。
「つまりは川の合流地点でしょう?」とそっけないことを言う彼女をなだめながら、亀橋を渡って、鴨川デルタに渡りました。





ここは、観光客よりも地元の人がくつろいでいる、好きな場所です。



近くでは大学サークルらしい団体がいろいろと練習をしています。
そろそろ文化祭のシーズンだからでしょうか。
学生たちと一緒にくつろぎました。
マイコはどうかな、と横を見ると「あそこに二人きりの世界を作っているメンズがいる」と、大注目していました。
日本人と外国人のカップル、いえ二人組で、確かにお互いしか見ていませんでした。
そっとしておいてあげなさい・・・

○ 鴨川デルタのキツネのお茶会



デルタの先っぽで、お茶を立てている和服姿の男性がいました。
わざわざ川床のような場所を作っています。
周りには仲間が大勢おり、みんなキツネの面をかぶっていました。
謎だわー。この自由さがノーベル賞を生む原動力なのかしら。



○ バスの中から繁華街

風が冷たくなってきたので、道路に戻ります。
マイコが「混んでいる京都の町は通りたくないけど、バスから眺めてみたい」というので、京都循環系統に乗って、三条・四条の辺りを通りました。
この辺りは一年中混んでいます。夜の京都は、人出も増してにぎやか。
乗っているうちに鮮やかな夕日がさし込み、やがてあたりは暗くなりました。



荷物を置いてから食事に出かけようと、いったん宿に戻りましたが、結構歩いたので、もう外に行きたくなくなってしまった私たち。
夕食は宿の中で済ませました。
大浴場で足を伸ばして一日の疲れをとって、部屋でゆっくり過ごし、2日目の夜が暮れていきました。

3-1へ続きます。

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