ringoのつぶやき

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★今後の株式市場を展望する(森田コラム)

2012年05月25日 20時45分18秒 | ケンミレコラム

蛇足さん 2012/05/25 12:11 のつぶやき



日経平均は日々下値を切り下げるという展開が今週は続きました。悪材料としては「ギリシャのユーロ脱退」と「日銀の金融緩和に対する失望感」「円高」がありました。逆に好材料としては「米国景気の安定」と「中国の景気対策」がありました。

問題はギリシャの動向です。ある大学教授がドイツに行ったときに、ドイツの有識者とギリシャ問題について話したそうです。大学教授はびっくりしたと言っていました。何がびっくりしたかと言いますと、ドイツ人達は「ギリシャはEUに入らせるべきではなかった」「ギリシャはEUから脱退させるべきだ」という、想像とは間逆の話だったからでした。

つまり、ドイツ人はギリシャ人に対して「感情的になっていて、現実を冷静に見る能力を失っている」ということです。これは、とても危ない兆候です。ギリシャ問題は既にギリシャ問題では無くなっているのですが、ドイツ人の有識者でも相変わらず「ギリシャ問題はギリシャ問題」としか捉えていないということです。

ギリシャ問題は既にギリシャ問題から「EU問題」にまで発展していっています。つまり、財政統合や税法の一体化という「欧州連邦」に発展するか、それともEUが崩壊するかのどちらかを選択しなければならないほどの危機が迫っているのです。

★欧州各国のギリシャに対する政策の方向性
23日の欧州連合非公式首脳会議で、ギリシャのユーロ離脱に関する対応策を欧州各国は検討・準備するという方向で認識が一致した模様です。さらに、ギリシャがユーロ圏を離脱した場合には、ギリシャの痛みを緩和する目的で最大500億ユーロ(5兆円)の資金援助を行う可能性についても指摘された模様です。

特にドイツは「ギリシャが合意した改革を履行しない場合は、支援の継続実施が難しくなる」と主張、ギリシャが約束を守らなければユーロ圏を出ていってもOKであるというスタンスを明確に示しました。

ギリシャ問題がEU問題に発展してきていることで、今最も注目されるのは「EUの共同債の発行」ができるかどうかです。多くのEU諸国はユーロ共同債の発行に賛成していると言われています。しかし、ドイツは強硬に反対しています。

ユーロ共同債とは、ドイツの信用力を使って「1%前後の低い金利の国債を発行」し、その資金を各国が使うということです。既にスペインなどは国債金利が6%に乗っており、この6%の調達コストが1%になるのであれば、ドイツ以外の国が賛成するのは当然のことです。

しかし、ドイツにとっては「ユーロ諸国は崩壊寸前の国」であり、それらの国にドイツの保証で安い金利で資金を供給することと同じですから、ドイツがOKというはずはありません。ユーロ共同債の発行は欧州統一の第一段階ですが、共同債だけを単独で発行し、財政については各国に任せるのであれば、赤字会社に経営参加をせずにお金を貸し付けるのと同じです。

ユーロ共同債を発行するのでは「各国の財政を統一して、管理できる体制」と「各国の国民から税金をとって、それを統一できる部署が管理する」必要があります。つまり、欧州連邦の財務省ができなければ、ドイツは怖くて共同債を発行することに合意することはあり得ないと言えます。

★各国の思惑
欧州は王国の国が多く、国それぞれが歴史を持っていますので、国それぞれが非常にわがままになっています。したがって、予算権や税金徴収権を放棄するということは考え辛いと思います。つまり、欧州連邦ができる可能性は非常に低いと言えます。ということは、EUもユーロも空中分解に向けて動いていることになります。

各国は自国の利益のためにいろいろなアクションを行うでしょうが、最終的には全て徒労に終わり、ユーロが崩壊することになると思いますが、それまでの間にいろいろな思惑が錯綜することになります。そして、株式市場はその「錯綜によって乱高下する」のではないかと思います。



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