1)専門家が両極端な展望を出すのは、興味を引くためのこともある。
2)外国人投資家の大幅買い越しは、小泉郵政解散を思い出させる出来事。
3)上昇が続いているときほど、常にリスクを意識して欲しい。
◆両極端な来年の相場展望
昨日の夜、日経CNBC(社内で情報収集のために流れています)で、2人の専門家が来年の相場展望を話していました。
ひとりは「日経平均14000円、為替1ドル=100円」、もうひとりが「日経平均4000円、為替1ドル=250円」というもので、両極端な見通しが聞こえたために、ついTVを見てしまいました。
それぞれに根拠はありましたが、見終わってから思ったのが「極端な意見だから、TVに出ている」ということでした。
景気回復と日本再生で超強気派と財政破綻で超弱気派の対談にした目的は、視聴率を上げるためだと思います。わからない将来に投資するのですから、投資家の関心は将来予想に向かいやすいと思います。したがって、専門家の予想には「エンターテーメント性」も含まれていると感じました。
ただ、ここまで極端だと、どちらもなりそうにないので信じる人も少ないと思いますが、興味を引くために極端な予想をすることもあると思いますから、専門家の予想は参考程度に見るくらいでよいのだと思います。
◆今年最後の外国人投資家動向
今日の大引けあとに、12月第3週(12月17日─12月21日)の投資主体別売買が発表されました。結果は前週の4628億円買い越しを大幅に上回る7019億円の買い越しとなりました。
7000億円を超える買い越しは、大震災の特殊事情で大幅買い越しになったことを除くと、2010年の年初以来の数字です。あらためてグラフで見ますと、今回の外国人買いの規模の大きさがわかります。
これだけ大きな買い越しとなりますと、外国人投資家の日本株に対する見方が変わってきたことを示していると思われます。2010年が大幅買い越し後に調整になっていることが気がかりではありますが、解散総選挙がきっかけですから、2005年の小泉郵政解散後の外国人買いの上昇相場を思い出しました。
2005年は小泉郵政解散をきっかけに外国人大幅買い越しがスタートし、多くの個人投資家が株式市場に参加して、株式投資ブームになりました。はっきりしない株式市場よりも右肩上がりの相場の方が景気もよくなりそうですし、明るくてよいと思いますので、来年の株式市場が2005年のような上昇相場になってほしいという期待もあります。
ただし、2005年の上昇相場も2006年に「ライブドアショック」が起きて、たくさんの個人投資家が最後に大きく負けて市場から撤退しています。株式市場の上昇が続きますと、強気になって過去を忘れてしまいますが、上昇が続いているときほど、常にリスクを意識して欲しいと思います。