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騰落レシオが過熱するとはどういうことなのか?

2012年12月06日 17時36分38秒 | ケンミレコラム

 

■今回のまとめ

1)騰落レシオが120%を超えてきて、過熱感が意識されてきた。
2)騰落レシオは値幅の判定がないので、株式市場の地合いを示すと考えられる。
3)さらに日経平均の値幅も上昇すると、高値つかみの可能性が高くなるので注意が必要。

◆騰落レシオが意識されてきた株式市場

日経平均は昨日に7か月ぶりの高値を更新し、本日も続伸となりました。しかしながら上昇幅は小さいので、続伸というよりは9500円台の高値もみ合いと表現するような動きが続いています。

一般のニュースなどでは、日経平均の値幅だけで株式市場の状況を伝えることがあります。最近の日経平均の値幅だけを見ると、短期的な過熱感が指摘されているほど上がっていないと感じるかもしれません。

しかしながら、「騰落レシオ(25日平均)」は昨日に買われすぎの目途とされる120%を超えてきました。市場解説などでも、株式市場の過熱感を示す指標として取り上げはじめています。

日経平均はあまり上がっていないのに、騰落レシオが上がってくるのは、騰落レシオの計算方法にあります。

計算式は単純で「値上がり銘柄数÷値下がり銘柄数×100」となり、過去25日の平均を取るのが一般的です。計算式をもとにして簡単に説明しますと、値上がりと値下がりが同じであれば100%となります。

ただし、騰落レシオは「値幅の考え方がない」のが特徴です。極端な例をいえば、東証一部の全銘柄がストップ高しても、小幅高でも、騰落レシオは同じ割合で上昇します。

騰落レシオは、値上がり銘柄の傾向を見て、株式市場の買われすぎをチェックする指標です。つまり、騰落レシオでわかるのは、株式市場の「地合い」といえます。

◆指数に表れない「地合い」とは?

株式市場の用語で「地合い」という表現があります。株式投資をしている方であれば馴染みのある言い回しなのですが、知らない人には意味が伝わらない言葉だと思います。

「地合いが良い」といえば買いが多くて活況なことを示し、「地合いが悪い」となれば買いが少なくて下がりやすい状態を示しています。

最近の株式市場の状況は「地合いが良い」という表現がピッタリかと思います。輸出関連が休んでいると、内需関連が上昇したり、材料株が上昇したりと、日経平均が動かないでも値上がりする銘柄が多い日が続いています。

騰落レシオが上昇してくるとどんなことが起きるかといえば、値上がりしている銘柄数が多いので「持ち株が利益になる投資家が増えてくる」といえます。特に個人投資家の場合、日経平均だけが上昇しても持ち株はさっぱりとなれば、市場に参加する気にはならないと思います。

そして、安いときには評価損が気になって買えなかった個人投資家も、評価損が少なくなって、少しくらい損しても良いと気持ちが大きくなってリスクを取りやすくなります。こうして、高値買いが始まります。

投資家の買いたい気持ちが強くなると、株式市場は循環相場になりやすく、騰落レシオが過熱気味になってからしばらく上昇が続くことがあります。今年の春先の上昇も騰落レシオが120%を超えてから上昇が続いています。

今回の騰落レシオ120%超えが春先のように上昇相場のスタートになるかどうかはわかりませんが、春先の上昇でもどこかで必ず調整の下げがきます。

値上がり銘柄数が多い状況が続くということは、買っている投資家が多いということです。反対にいえば「売りたい投資家が増えている」といえますので、反動で下がったときには下げ幅が大きくなりやすいことが想定できます。

騰落レシオだけで高値を予測することは難しいといえますが、騰落レシオが過熱してから、さらに日経平均の値幅も大きく上昇するようであれば、本当の高値つかみになってしまう可能性があります。強気になりすぎず、十分にリスクを管理する必要があると考えるようにしてください。

レポート担当:ケンミレ株式情報 市原 義明



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